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生産設備に関する記事

ラインセンサカメラの検査システム活用のポイントを解説、メーカ3選

ラインセンサカメラは、検査対象物を回転させたり搬送させたりしながらライン状に連続観察し、平面画像として処理しながら検査ができるという特徴があるカメラです。

生産工程の検品で使用する検査用カメラには、ラインセンサカメラの他にエリアカメラがあります。エリアカメラは面で捉えながら観察するため、検査対象物のサイズや形状、検査方法が限られるというデメリットがあります。しかし、ラインセンサカメラならば、立体的で複雑な形状のものでも高い分解能で検査できます。

この記事では、ラインセンサカメラの選び方や導入によるメリットやデメリットを解説し、取り扱いメーカや代表的な製品についてもご紹介します。最後には、ラインセンサカメラの使用によって生産性を向上させる際の注意点についても解説しますので、ご参考ください。

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関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。

目次

1.ラインセンサカメラの選び方

(1) ラインセンサカメラとは

外観検査を画像処理で行う場合、カメラでの撮像方法には、エリアカメラ方式とラインカメラ方式があります。
先ずは、エリアセンサカメラ方式から解説しで行きましょう。

➀ エリアセンサカメラ
図1に紹介しているイメージ図が、エリアセンサカメラ方式です。

  • エリアセンサカメラ方式は、カメラの撮像エリアを1回で撮像し、得た画像から解析して、ワークの傷などの外観を検査する方式です。
  • 図1の上の段のように、ワークの大きさがカメラの撮像エリアをカバーする大きさの場合は、問題はありません。

  • 図1の下の段の図のように、ワークの大きさがカメラの撮像エリアを超えるような大きさの場合は、1回の撮像ではワーク全体の外観画像が得られません。
  • そのため、ワークのエリアを2~4に分割して撮像し、得られた画像を合成して、外観検査が行えます。
  • ただし、この方法は、ライン上をワークが速く動いている場合には、数回に分けて撮像する時間が得られません。
  • そのため、ラインの速度を遅くするなど、生産性を落とすことになります。

② ラインエリアセンサカメラ
エリアセンサカメラ方式に対して、ラインエリアセンサカメラ方式は、図2で紹介しているように、ワークの撮像エリアを細かく刻んで、撮像する方式です。

  • 図2のように、ワークを数回に刻んで撮像し、得られた画像数枚を合成することで、ワーク全体の画像が得られます。
  • ラインエリアセンサカメラ方式は、コナカく刻んだエリアを撮像するために、カメラをエリアごとに少しずつ動かすか、ワークを少しずつ動かす必要があります。
  • しかし、ラインが動いている場合は、ワークの移動速度と、刻んだエリアの撮像時間を合わせることで、ワークの検査用画像が得られます。

③ エリアセンサカメラ使用例
図3では、ラインエリアセンサカメラ方式で外観検査する場合の、例を紹介しています。

  • 図3の下側の図は、化学製品のフィルムの外観検査を行うイメージの図です。
  • カメラでフィルムの1か所を撮像すれば、フィルム製品は一定の速度で流れているため、速度に合わせた撮像速度とすれば、逐次、外観検査の画像が得らえます。
  • 検査の結果で、フィルムのシワや傷が発見された場合は、速やかに警報を出すなどで外観検査の評価を知らせます。
  • 図3の右上の図は、円筒状のシャフトのワークの外観検査を行う、イメージ図です。
  • 円筒の場合は、エリアセンサカメラ方式では、円筒全体の撮像を1度に行うことは難しいです。
  • そのため、ラインセンサカメラ方式として、円筒上ワークをゆっくり回転させて画像を得れば、ワーク上の欠陥を見つけることができます。

以下では、ラインセンサカメラに関する動画を紹介します。

ラインスキャンカメラ 平面状の大きなワーク

【リニア搬送】非接触給電・ラインスキャンカメラ(ヤマハ発動機)

ラインスキャンカメラ 円柱形状


ラインセンサカメラは、検査対象物を搬送させたり回転させたりしながら連続観察しながら平面処理をして、欠陥の検出などを行います。そのため、検査システムに組み込む際には、カメラ自体の画素数はもちろん、移動方向の分解能なども重要です。

ここでは、ラインセンサカメラの選び方について、基本的なポイントを3つご紹介します。ご紹介します。

(2)検査対象物に合致したものを選ぶ

ラインセンサカメラは、検査対象物の形状や光学的特性に対応できるものはもちろん、検出したい欠陥サイズに対応できる分解能があるものを選ぶ必要があります。

検査対象物には、半導体や各種部品、連続搬送させる透明フィルムや紙などさまざまなものがあります。検出したい欠点にも異物や汚れ、ピンホールやシワなど多種多様なものがあり、ラインセンサカメラだけでなく光源との組み合わせも重要です。

そのため、ラインセンサカメラの視野サイズや画素分解能だけでなく、検査システム全体として目的の検査が対応可能かどうか事前に確認しなければいけません。

検査機メーカで事前検査テストを行うなどして、対応可能なラインセンサカメラを選定しましょう。

(3)必要な検査速度に対応できるものを選ぶ

検査速度はそのまま歩留まりに影響するため、生産速度に合わせて適切に設定する必要があり、ラインセンサカメラ自体が目標の検査速度に対応できなければいけません。

例えば、連続搬送されるフィルムや紙などの検査を行う際には、生産速度に検査速度が対応できなければ歩留まりが大きく低下しかねません。ラインセンサカメラの流れ方向分解能が生産速度に対応できるかはもちろん、装置の振動や搬送時のバタつきなどの影響下でも問題なく検出できるカメラを選ぶ必要があります。

(4)検査システム全体としてのコストを考慮する

ラインセンサカメラ単体では製品の検査などはできないため、光源やソフトウェアなどを含めた検査システムとして導入する必要があり、施工コストも考慮しなければいけません。

検査の方法や検出対象物によっては、ラインセンサカメラが複数台必要になることもあり、台数が多くなるほど導入コストも高くなります。そのため、検査システム導入による費用対効果を明確にした上で、許容コストをメーカに共有することが欠かせません。

もちろん、ラインセンサカメラ自体のメンテナンスコストについても考慮が必要なので、導入後のメンテナンスサービスが整っているメーカを選びましょう。

 

2.ラインセンサカメラ導入のメリット・デメリット

ラインセンサカメラを用いた検査システムを導入する際には、導入によるメリットやデメリットを踏まえた上で、導入前に事前検証することが欠かせません。ここでは、ラインセンサカメラのメリットとデメリットをご紹介しますので、導入前にご参考ください。

(1)ラインセンサカメラ導入のメリット

①品質管理力が向上する

ラインセンサカメラを用いた検査システムを導入すれば、製品をリアルタイムで品質管理できます。そのため、欠陥が見つかれば素早く生産工程にフィードバックでき、歩留まりの向上につながります。

また、紙やフィルムなどのロール状で納品する製品も連続検査ができるため、全長保証ができます。

②目視での検出が難しい不良も検出できる

ラインセンサカメラを用いた検査システムは、エリアカメラに比べて表面凹凸の不良を検出しやすいため、インラインでの目視検査が難しいミクロンオーダーの微細なキズやシワなども、光源やカメラの角度調整などによって検出できます。

③目視よりも短時間で検査ができる

ラインセンサカメラは、複雑な形状の構造物はもちろん、カメラの台数を増やすことで比較的大きいサイズの製品もインラインやオフラインで連続検査できます。そのため、検査員の目視検査では時間がかかるようなサイズや構造の製品でも、短時間で検査できるというメリットがあります。

(2)ラインセンサカメラ導入のデメリット

①一度の検査で検査ができるとは限らない

ラインセンサカメラだけで全ての欠陥を検出できるとは限りません。検査方法が反射検査か透過検査かで、カメラの角度や光源の設置位置も変える必要があるため、特定の検査については他の検出機器を導入するか、検査員による目視検査を行うなどによって効率化することも大切です。

②高分解能になるほど高コストになる

ラインセンサカメラは、他の検査用カメラと同じように一般的に分解能が高くなるほど価格も上がります。そのため、検査感度を高める際には、単純に分解能を上げるだけでなく検査速度や光源の設置位置など、検査システム全体としての最適化を検討する必要があります。

③作業員の育成が必要

ラインセンサカメラを使用して検査する際には、カメラ自体や検査対象物を移動させる必要があるため、検査内容によってカメラや光源の調整、検査条件の変更などをしなければいけません、そのため、誰でもすぐに検査設定や調整ができるとは限らず、作業員の育成が欠かせません。

3.ラインセンサカメラを用いて生産性を上げるポイント

最後に、ラインセンサカメラを用いた検査システムの導入によって、生産性を向上させるポイントをご説明します。

(1)ラインセンサカメラ検査システム導入の費用対効果検証を行う

ラインセンサカメラを用いた検査システムは、デメリットで説明したようにあらゆる不良を同時に検出できるとは限りません。また、検査システムの構造や構成によっては、検出感度維持のためにも、カメラや光源の設置箇所や角度を都度変更しないようにする必要があります。

そのため、検査システムを導入する工程の見極めや、インラインとオフラインのどちらで検査した方が導入効果が高いかなど、導入する前に使用目的を明確にした上で費用対効果を検証することが欠かせません。

場合によっては、検査システムを複数導入したり、作業員による目視検査を行うなどして、トータルコストを抑える必要があります。

(2)生産現場の作業員にも使用方法をレクチャーする

ラインセンサカメラを使用した検査システムの導入や初期設定は、基本的に設備担当者が行います。しかし、実際に生産を行う際には品種切替時の検査条件の変更はもちろん、ラインセンサカメラなどの検査設備の動作確認を生産現場の作業員が行えなければ、余計な手待ち時間が発生してしまう恐れがあります。

そのため、検査システムの使い方や簡易なトラブルへの対応方法などを、作業員にレクチャーすることも大切です。

(3)SIerに自社に適した検査システムについて相談する

ラインセンサカメラを単体で使用しても検査はできないため、自社の品質管理目的に合わせた検査システムの設計が必要です。検査に応じて使用すべきラインセンサカメラの視野サイズや画素分解能、光源との相性などを把握しておかなければいけません。検査システムの導入経験がなければ、最適なカメラの選定はもちろん、そもそも導入すべき検査機のイメージが浮かびにくく、生産性の向上に結びつかないこともあります。

そのため、検査システムの導入実績があるSIerに、ラインセンサカメラの選定を含めてインラインやオフラインによる品質管理工程の最適化について相談することも重要です。

4.ラインセンサカメラのおすすめメーカと取扱い製品

次に、ラインセンサカメラのおすすめメーカと、各社の取扱い製品の特徴をご紹介します。

(1)株式会社キーエンス

 

【特徴】
・新たに生み出す製品の約7割が「世界初」「業界初」で、世界44か国で事業を展開
・センサや制御、精密機器、画像処理機器など数多くの装置の製造販売を手掛ける
・機器の導入実績が豊富で顧客のニーズを先回りした提案によってシェアを伸ばす

【取り扱いラインセンサカメラ】

①画像処理システムXG-X シリーズ

画像引用:株式会社キーエンス・画像処理システムXG-X シリーズ

ラインセンサカメラの使用もできる筐体一体型の画像処理システムで、4ステップで簡単に設定できるため、装置の立ち上げ工数が大幅に削減できます。有効画素数は6,700万画素で、大容量画像を16倍速、368msで高速転送可能です。目的の検査に合わせてカメラを選定できます。

【所在地】
〒533-8555 大阪市東淀川区東中島1-3-14
TEL.06-6379-1111
FAX.06-6379-2222
https://www.keyence.co.jp/

(2)竹中システム機器株式会社

 

【特徴】
・1975年設立の産業用デジタルカメラのパイオニアとして名高いメーカ
・ラインスキャンカメラやデジタルビデオカメラ、検査機器の専業メーカとして導入実績も豊富
・汎用機種はもちろん高速・高解像度製品まで豊富なラインナップを揃えている

【取り扱いラインセンサカメラ】

①デジタルカラーラインスキャンカメラTLC-7500CLD

画像引用:竹中システム機器株式会社・TLC-7500CLD

CCDリニアイメージセンサをを搭載した産業用デジタルラインスキャンカメラで、フォトダイオードを1ライン7,500個直線上に配置しており、液晶パネルやシート状物体の表面検査など、さまざまな用途で使用されています。

②デジタルラインスキャンカメラTL-16KNCL

画像引用:竹中システム機器株式会社・TL-16KNCL

同社従来製品TL-16KACLの後継機種で、画素数16,384の高解像度・高速走査CMOSラインスキャンカメラです。垂直ピニング機能によって約2倍の感度向上が可能で、サイズや仕様は従来機から引き継いでいるため、簡単に載せ替えができます。

【所在地】
〒607-8135 京都市山科区大塚野溝町86-66
TEL. 075-593-9300
FAX. 075-593-9790
https://www.takex-system.co.jp/

(3)浜松ホトニクス株式会社

 

【特徴】
・1953年創業の光電子倍増管で世界シェア1位のメーカ
・「光」に特化した研究開発を行っており、医療機器や情報機器などさまざまな業界に展開
・「人類未知未踏の領域を追求する精神」を持って光技術によるさらなる産業創生を目指す

【取り扱いラインセンサカメラ】

①X線ラインセンサカメラC14960-14C

画像引用:浜松ホトニクス株式会社・C14960-14C

ベルトコンベアなどで搬送される製品や部品の透過X線像を撮影するラインセンサカメラで、混入異物などの非破壊検査ができます。厚みは50mmで、ライン速度は4m/分~100m/分と幅広く対応しています。

②デュアルエナジーX線ラインセンサカメラC11800-08U

画像引用:浜松ホトニクス株式会社・C11800-08U

次世代X線検出器と次世代演算技術を融合させたラインセンサカメラで、ゴム片などの低密度異物や金属の錆びなどの薄い異物の検出ができます。検出幅は409.6mm、対応ライン速度は4m/分~100m/分です。

【所在地】
〒430-8587 静岡県浜松市中区砂山町325-6 日本生命浜松駅前ビル
TEL. 053-452-2141
FAX. 053-456-7889
https://www.hamamatsu.com/

5.ラインセンサカメラ導入に関するご相談はFAプロダクツ

ラインセンサカメラは、エリアカメラと違って検査対象物のサイズや構造の自由度が高く、高速・高精度での検査ができるというメリットがあります。

ラインセンサカメラに求められる視野サイズや画素分解能など仕様は使用目的や品質保証規格などによって異なるため、カメラだけでなく検査システム全体としての設計が必要で、導入実績がないと選定に苦慮することになるでしょう。そのため、ラインセンサカメラの選定には、検査機器の導入実績のあるメーカやSIerなどの活用が不可欠です。

FAプロダクツでは、これまでの実績をもとに、ラインセンサカメラを用いた検査器の導入やインライン化による生産効率の向上など、それぞれの工場にとって最適なアドバイスを行っております。お悩みの方は、お気軽にご連絡ください。

FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。

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茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/

【営業品目】

  • 産業用ロボット
  • 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
  • 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
  • 治具の設計・製作

【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

 

関東最大級のロボットシステムインテグレーター 生産設備の設計から製造ならお任せください

050-1743-0310 営業時間:平日9:00-18:00

つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317