磁選機に強いメーカ3選!製品の選び方や生産性を上げるポイント
磁選機は、磁力を使って対象物の選別を行うものです。例えば製造工程で見えないような金属片が混入してしまった場合、重大な品質不良を引き起こす可能性もあるでしょう。磁力を活用すれば精度の高い選別が行えるため、あらゆる産業分野にて利用されています。
しかし磁選機は方式や回収できる金属に範囲があり、導入に関しては知識が必要です。本コラムでは、磁選機の選び方を用途やメーカから選定し、具体的に比較できるよう主要メーカと製品の比較もまとめました。導入時のメリットやデメリット、生産性を上げるポイントについても解説しています。
初めて磁選機を導入しようと考えている方でも、記事を読めば正しく導入検討が行えるので、ぜひ最後までお読みください。
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目次
1.磁選機の選び方とは?用途を考えた上でメーカを選ぶ方法
磁選機は磁力で反応する鉄の回収、もしくは原材料に混入した金属の選別を行う機器です。磁石の吸着なので原理としては簡単ですが、実は方式に応じて複数種類があります。そのためまずは用途を決めて、メーカから選別していく方法がもっとも効率的です。
(1)磁選機の用途と方式
磁選機はその方式により、下記の5種類に分かれます。
・ベルトコンベア式
ベルトコンベアに処理物を乗せて運び、出口付近の磁力プレート・マグネットプーリーで対象物を選別する方式
・吊り下げ式
磁力プレートを出口付近に吊り下げておくため、非磁性体は落下させて選別する方式
・ドラム式
マグネットドラムをホッパーシュートの出口に使い、選別していく方式。大きな回転体で、直接選別を行っていくのが大きな違い
・湿式
液中の磁性体を選別する方式。研削油や廃油中の金属粉を選別するのに適している
・高磁力式
高い磁場を発生させ、通常の磁気では反応がない弱磁性体を選別。磁力は2.6T(26,000G)という高磁力を発揮
いずれもどの磁性体を選別するのか、どういった場所にどの方式が適しているかをよく検討しなくてはなりません。場合によっては一次工程でベルトコンベア式、二次工程で吊り下げ式を使用…といった併用パターンも多いです。
(2)方式に合わせてメーカから選ぶ
用途が定まり、どういった方式が適しているのかを検討したら、ある程度メーカが定まります。本コラムで紹介するメーカは、下記の3社です。
磁選機は用途が限定的なので、得意なメーカも限られています。上記のメーカは、今回ご紹介した用途に合う磁選機を取り扱い中です。具体的なメーカの特徴と製品比較も行いますので、ぜひ参考にしてください。
2.磁選機に強いメーカ3選!特徴と主力な製品の比較
磁選機を取り扱っているメーカ3社と、主力製品の紹介をいたします。
(1)日本マグネティックス株式会社
【特徴】
日本マグネティックス株式会社は、1943年創業の老舗メーカです。永久磁石及び電磁石を応用した機器を提供しており、扱いのある主力機器も幅広い方式を取り揃えています。
①ドラム磁選機 ENS型・RENS型(ケーシング付き)
引用:日本マグネティックス株式会社 ドラム磁選機 ENS型・RENS型(ケーシング付き)
ドラム磁選機として標準的かつ扱いやすいスペックで、資源リサイクルから木材、工業製品や食品と幅広く活用できます。ケーシング一体になっており、このままラインに導入しても問題ない仕様です。
②高勾配磁選機 CS-X型
引用:日本マグネティックス株式会社 高勾配磁選機 CS-X型
高磁力を発揮する磁選機で、弱磁性体の除去+液中、スラリー中の磁性体を除去できます。さらに自動洗浄装置を併用すれば、工程を大きく減らすことも可能。従来機と比べて冷却効率がUPしているため、温度上昇による磁力低下も心配ありません。
③永磁石式吊下磁選機 PUF-S型
引用:日本マグネティックス株式会社 永磁石式吊下磁選機 PUF-S型
ベルトコンベア上に設置し、断続的に磁性体を排出できる吊り下げ式です。電磁式ではないため、磁化電力を必要としない省エネ構造。屋外でも使用に耐える設計となっており、導入場所を選びません。
【所在地】
本社所在地:福岡県太宰府市北谷ソイラ716-2
TEL:092-922-7161
FAX:092-922-7162
URL:https://www.nmi-jpn.com/
(2)日本磁力選鉱株式会社
【特徴】
日本磁力選鉱株式会社は半世紀以上も信頼を積み重ねてきた企業で、「スラグリサイクル事業」「環境非鉄リサイクル事業」「リサイクル機器プラント事業」の3つを中心に技術を提供し続けています。技術力だけではなく実績も持っているメーカです。
①ドラム型磁選機
ドラム上に運ばれた原料を選別する磁選機で、磁性体と非磁性体に分けて排出してくれます。とくに嬉しいポイントは、導入時に合わせてカスタムが可能な点。安定供給のために振動フィーダを制作したり、FRPドラムを導入して高速回転に対応したりできます。
②吊下式鉄片分離機
日本磁力選鉱株式会社の吊り下げ式は、永磁型と電磁型を選べます。コンベア上に配置することで、吸着した磁性体を別のルートへ流すことが可能。電磁型は長期通電により熱を持ちますが、高温に耐える絶縁階級の電線と、温度上昇を抑制する高圧絶縁油を併用しています。
③対極型磁選機
対極型磁選機は、2つの電磁式マグネットロータを水平に対向させたものです。対極させることで弱磁性物と、極微弱磁性物を適切に振り分け可能。非常に強力な高磁力を発生させるほか、分離板の角度を調整することで選別力を任意に変更できます。
【所在地】
本社所在地:北九州市小倉北区馬借三丁目6番42号
TEL:093-521-4455
FAX:093-521-4494
URL:http://www.nmd.co.jp/index.php
(3)株式会社下西製作所
【特徴】
株式会社下西製作所は、磁石加工・磁石応用製品を自社生産しているメーカです。設計から組み立てまで自社生産しており、高品質な製品提供が可能となっています。また創業50年以上の実績があるだけではなく、提案力もあるので導入時は安心です。
①粉体用マグネットセパレーター
選別が難しい粉体に対応した、マグネットセパレーターです。格子状に並んだマグネットを挿入し、選別を行います。ほかにも清掃を容易にした二重管式や、ホッパーに直接据え付けるホッパー投入型も作成可能。現場の状況に応じた導入ができます。
②液体用マグネットセパレーター
マグネットバーを液体用に応用した製品で、液中の磁性体も選別が可能です。粉体用と同じく、二重管式の制作も可能となっています。同じくフィルターエレメント付きの制作もできますので、状況に応じて柔軟な導入が行えるでしょう。
【所在地】
本社所在地:東大阪市若江東町6丁目8-25
本社TEL:06-6724-9501
本社FAX:06-6724-9141
URL:https://shimonishi.net/
3.磁選機を導入するメリットとデメリットについて
磁選機は磁性体の選別を容易にするため、目視では選別が難しい微細物も効率よく除去できます。そのため品質不良を格段に減らし、生産性を高めてくれるものです。この項目では、磁選機の導入メリット・デメリットについてまとめました。
(1)磁選機導入のメリット
磁選機は磁力に反応するものであれば、容易に処理物から吸着・除去ができるため、品質の向上に寄与します。磁石自体に対する電気的なメンテナンスは必要なく、永久磁石を利用したものであれば電力も最小限で済むので、ランニングコストがかからない点と操作やメンテナンスに関する研修が必要ない点もメリットです。
(2)磁選機導入のデメリット
非常に導入メリットの大きい磁選機ですが、もちろんデメリットもあります。
自社の工場に適さない磁選機を選んでしまうと思うような結果が出ません。例えば微細かつ弱磁性物の吸着を考えている際、一般的なドラム式では磁力が足りず、目的としていた品質不良は改善されないでしょう。
このようなときに、いち早く「自社に適していない」ことに気がつけるかどうかが重要となります。操作やメンテナンスに関して特別な知識は不要ですが、一方で作業者に対して、これができていれば自社に適した磁選機であるという基準を覚えてもらう必要はあります。
4.磁選機を用いて生産性を上げるポイント
磁選機は作業者が作業を行って積極的に介入する装置と違い、導入するだけで運用が行える機器です。適切に導入すれば生産効率が上がり、目視で行う除去工程も不要になるでしょう。
一方で、そのためには、前述したように最適な機器を適切な場所に導入しなければいけません。また、磁選機が適切であったかどうかの迅速な判断ができるようになっておく必要もあります。
そこで、磁選機を導入したら、定期的に導入時に想定していた結果(たとえばどれほど作業が楽になり、どういったコストが削減できたのか)を数字として計測することをおすすめします。それを通して、もし結果が出ていないということであれば、対策をすることで生産性の向上につながるでしょう。
なお、対策の方法は買い替えだけではありません。まったく違うタイプが必要だったとなれば話は別ですが、磁選機のような作業者の介入がほとんどない機器ほど、唯一作業者が介入する部分が要因になっていることもあります。その意味で、数字による計測だけでなく、作業者に磁選機の具合をヒアリングすることも大切です。
5.磁選機導入に関するご相談はFAプロダクツへ
磁選機はライン上に配置してしまえば、あとは作業者が選別を行う必要もありません。メンテナンスの手間も最小限で、低運用コストが魅力的です。
一方で、選び方によってメリットが得られるかどうか左右される機器でもあり、おいそれと買い替えられるようなものもありません。そのため、もし導入を検討しているなら、経験豊富なコンサルタントに依頼するのがおすすめです。
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