異物除去装置の主要メーカ3選!選び方や生産性向上のポイントも解説
異物を除去する方法でもっとも多いのが人による目視検査ですが、個人の判断の差やミスにより品質にバラつきが出てしまう難点がありました。そこで、異物除去装置を導入し、異物除去を自動化するケースが増えてきています。
この記事では異物除去装置の導入を考えている人向けに、機械の選び方や主要メーカの製品をご紹介します。導入することでどんなメリットがあり、またどんなデメリットがあるのかも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
もし、異物除去装置のコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
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目次
1. 異物除去装置の選び方
異物除去装置は異物を除去する手法で3種類あり、それぞれの装置の特徴と用途例を把握しておくと選びやすくなります。
種類 | 特徴 | 用途例 |
画像を利用した除去 | ・色による選別
・形状による選別 |
乾燥キャベツの中からプラスチックごみを除去する |
粒度や比重を利用した除去 | ・ふるい分けで粒度を選別
・風を利用し比重で選別 |
乾燥わかめの中から小さいイカやタコを除去する |
磁気を利用した除去 | ・磁力を利用し磁性金属を選別 | 産業廃棄物の中から金属のみを除去する |
以下より詳しく解説します。
(1)色や形状が異なるものを除去したいとき
色や形状が異なるものを除去したいときは、画像を利用した除去装置を選ぶとよいでしょう。この装置では、以下4つの機器を使って異物を認識します。
- カメラ
- レンズ
- 照明
- 画像処理装置
検査対象物を照明で照らし、レンズを通してカメラで撮影します。得られた画像から画像処理装置で色や形状を認識して異物を検出します。検出した異物はエアガンなどで自動的に除去される仕組みになっています。
画像を利用した除去では、例えば食品加工の場合で乾燥キャベツの中からプラスチックごみを除去したり、色が悪くなった乾燥キャベツを除去したりできます。
(2)粒度や比重の異なるものを除去したいとき
粒度や比重の異なるものを除去したいときは、「振動分級」や「比重選別」ができる装置を選ぶとよいでしょう。「振動分級」とはふるい分けによって粒度の異なるものを選別する手法であり、「比重選別」とは風を利用して重さの異なるものを選別する手法です。
粒度や比重を利用した除去では、例えば海産物の場合で乾燥わかめの中から粒度の違いを利用して小さいイカやタコを除去したり、比重の違いを利用して石や木片を除去したりできます。
(3)磁性金属体を除去したいとき
磁性金属体を除去したいときは、装置内に仕込んだマグネットの磁力を利用して異物を除去してくれる装置を選ぶとよいでしょう。マグネットをカバーで覆ってメンテナンス性を向上させた製品や、高磁力でミクロン単位の磁性金属を除去する装置もあります。
磁気を利用した除去では、例えば産業廃棄物の中から金属のみを除去したり、品質管理の観点で食品の中から金属を除去したりできます。
2. 異物除去装置の主要メーカと製品
ここからは異物除去装置を独自で開発や販売をしているメーカと製品を紹介します。どのようなメーカや製品があるのかの参考にご覧ください。
(1)日立造船株式会社
【特徴】
ごみ焼却場などの大規模エネルギー事業からFA機器などさまざまな分野で活躍する企業です。アジア圏を中心にアメリカにも拠点があり世界でも活躍しています。国内に研究開発拠点も多数あり、最先端分野の開発などにも力を入れている企業です。
【所在地】
大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89号
TEL:06-6569-0001
【製品】
日立造船社では「画像を利用した除去」「粒度や比重を利用した除去」の2種類を紹介します。
①画像式判別装置(画像を利用した除去)
画像式判別装置には以下3つの特徴があります。
- エリアセンサ式カメラを搭載
- 扱いやすい良品ティーチング
- 設定で厳密な選別も可能
エリアセンサ式のカメラを搭載しており、検査体の色だけでなく形状も正確に把握して検査できます。また1秒間に60回撮像するので撮影漏れはありません。またティーチングモードでは、良品を流すだけで色相や明るさなどを自動で記憶してくれます。
画面上で良品とNG品を並べて比較し、その結果をユーザによって微調整ができます。設定を調整することで厳密な選別も可能です。
②振動風力選別装置(粒度や比重を利用した除去)
振動風力選別装置には以下2つの特徴があります。
- 製品サイズから選べるラインナップ
- 1台でサイズと比重を選別できる
粉末より小さい製品には電磁振動、それよりも大きい製品にはクランク振動の2種類から装置を選べます。またこの装置1台でサイズと比重を選別でき、サイズもコンパクトなのが特徴の装置です。
(2)日本専機株式会社
【特徴】
さまざまな分野の異物除去に特化した選別機メーカです。自社で企画から設計、製造と納入据え付け、メンテナンスまで一貫して対応してくれ、導入後も安心して使用できます。また購入前に選別機のテストができることやレンタルもできる魅力のある企業です。
【所在地】
大阪府豊中市服部西町5-15-2
TEL:06-6865-0020
【製品】
日本専機社では「粒度や比重を利用した除去」と「磁気を利用した除去」の2種類を紹介します。
①比重選別機(粒度や比重を利用した除去)
比重選別機には以下2つの特徴があります。
- 高精度に選別できる
- 据え付け時にアンカー不要
「風力」「振動力」「傾斜」の3つを絶妙なバランスで調整されていることで精度の高い選別を実現しています。また振動が小さいため、据え付け時にアンカーを打つ必要がありません。床に穴を開ける必要がないため、据え付けが容易になります。
②高磁力選別機(磁気を利用した除去)
高磁力選別機には以下3つの特徴があります。
- 駆動系を除き主材料はSUS304
- 10,000Gの高磁力マグネット
- 豊富なオプション
食品業界に適応するために主材料はSUS304を使用しており、10,000Gの高磁力マグネットを搭載しています。ベルトを工具レスで外せるものや供給用のフィーダなどオプションも豊富なのが魅力です。
(3)ツカサ工業株式会社
【特徴】
食品・薬品業界に特化したさまざまな装置を自社で開発しているメーカです。オーダーメイドの装置製作にも強く、開発力と技術力に優れています。汚れない、汚さない、汚れても掃除が簡単をコンセプトに装置を開発・販売している企業です。
【所在地】
愛知県半田市中午町178番地
TEL:0569-22-3111
【製品】
ツカサ工業社は「磁気を利用した除去」のみ取り扱いがあり、その中から2機種を紹介します。
①パウマグネット・インライン型(磁気を利用した除去)
パウマグネット・インライン型(NIM)には以下3つの特徴があります。
- 空気輸送ラインに設置可能
- 内部の点検は工具レス
- 清掃や洗浄が容易
空気輸送ライン内に設置が可能で、内部の点検は工具レスが魅力な装置です。また、マグネットの清掃や本体の清掃はカバーを脱着できて洗浄が簡単にできます。
②パウマグネット・ロータリー型(磁気を利用した除去)
パウマグネット・ロータリー型(SRM2)には以下3つの特徴があります。
- 回転式マグネットを搭載
- 内部の洗浄が容易
- 異物除去が容易
回転式マグネットを搭載しているため、配管内が粉詰まりしにくい機能を持った装置です。またローター部は取り外しができ、洗浄が容易にできます。マグネットには簡易カバーが取り付けられているため、カバーを外すだけで異物を撤去することが可能です。
3. 異物除去装置のメリット・デメリット
ここでは異物検出装置を導入することで、どのようなメリット・デメリットがあるのかを以下の表にまとめましたのでご覧ください。
メリット | デメリット |
品質向上 | 導入費用 |
目視検査する人の育成が不要 | 装置オペレーターの育成 |
検査時間の短縮 | 保守及びメンテナンス費用 |
それぞれを詳しく解説します。
(1)メリット
①品質向上
人が行う目視除去では、体調や練度で除去する精度にバラつきが生まれます。自動化すると長時間稼働しても一定の品質を保つことができます。
②目視検査する人の育成が不要
目視除去するには、練度が必要です。一口に異物といっても様々な種類があり、それらを全て除去するには作業員の技術力が必要不可欠です。しかし人員不足により技術継承が進んでいない企業も多くあります。そこで異物除去装置を活用すれば作業員の技術継承は不要です。とくに画像を利用した除去装置では、目視除去に近い精度で異物を除去できます。
③検査時間の短縮
異物除去装置は1度に大量の製品を検品し、異物を除去してくれます。人がひとつひとつ目視で除去するより、早く・正確に異物除去が可能です。
(2)デメリット
①導入費用
異物除去装置の導入費用は決して安くありません。特に画像を利用した除去装置は、高性能カメラや画像処理システムを使用するため高額になりがちです。省人化できる費用と比べコストに見合った装置選定が必要です。
②装置オペレーターの育成
異物除去装置は会社のブランドを守る重大な役割を担っています。そのためオペレーターは理解したうえで操作しなくてはなりません。場合によっては導入する前だけでなく、導入後も継続的に教育したほうが良いときもあります。その際のコストを視野に入れるのが異物除去装置のデメリットのひとつです。
③保守及びメンテナンス費用
機械導入では機械そのもののトラブルが起きないようにするには保守が必要ですが、異物除去装置の場合は特殊な部品が多いため保守部品も高額になりがちです。思った以上に維持費がかかって困らないように交換部品はいくらなのか、交換時期の目安はどのくらいなのか、などを導入前に事前にメーカに聞くことをおすすめします。
4.異物除去装置を用いて生産性を上げるポイント
異物除去装置を用いて、生産性を上げるポイントを紹介します。
(1)異物除去装置を組み合わせて使用する
3種ある異物除去装置を組み合わせて使用するとより精度の高い選別が可能です。例えば生産ライン上で「粒度や比重を利用した除去」→「磁気を利用した除去」→「画像を利用した除去」の順に組み合わせて使用すれば精度の高い異物除去が実現可能です。異物混入のリスクが下がれば回収費用や破棄費用の削減につながり、生産性の向上が見込めます。
(2)適切な処理能力を持った機種を選定する
異物除去装置は処理能力によって様々あります。選別したい製品やサイズ、処理能力を把握し生産に最適な装置選定が必要です。処理能力が高すぎる装置を導入し、売上と導入コストが合わない場合があります。実際に必要な品質と売上に見合った設備を見極め、選択すれば生産性を向上できます。
5. 異物除去装置導入に関するご相談はFAプロダクツへ
異物除去装置の導入は方式の違いやメーカと種類も豊富です。なので用途に見合う装置を見つけるには時間と手間が必要です。どの異物除去装置を導入すれば良いか、導入したけど上手く活用できていないなどでお困りの人はFAプロダクツへお気軽にお問い合わせ下さい。
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NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)