オーバーホールとは?実施するメリットやデメリット、手順を解説
オーバーホールとは、装置や機械などを分解し、部品の定期交換や以上箇所の修理、清掃などを行った上で、再度元の状態に組み立てるメンテナンス作業のことです。
製造設備や各種機器などには耐用年数があり、経年劣化などによっていずれは故障します。しかし、定期的にオーバーホールを行ってメンテナンスをすることで、寿命を延ばすこともできます。
この記事では、オーバーホールの定義や実施することのメリットやデメリット、オーバーホールを実施する際の手順について解説します。また、最後に装置や機器のオーバーホールサポートを行っているメーカも3社ご紹介します。
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目次
1.オーバーホールとは何か
オーバーホールとは、装置や機械などを正常に使用し続けるために行う「予防保全」の一つです。機械の健康診断とも呼ばれ、点検によって使用に伴う経年劣化した部品や故障箇所を見つけ出し、分解清掃や修理、部品の交換などを行って本来の性能の回復を目指すメンテナンス作業のことを指します。
(1)オーバーホールが行われるシーン
オーバーホールはトラブル発生を未然に防ぐために行う予防保全の一つなので、装置や機械の耐用年数に応じて、定期保全などのタイミングで計画的に行うのが一般的です。
オーバーホールを行う際には、機械や装置を部品レベルまで分解し、内部や部品の清掃はもちろん、ネジやボルトなどの交換まで行って新品同様に組み上げます。
(2)「修理」との違い
修理とは、不具合が発生している箇所や明確に故障している箇所に対して、部品の交換や修復作業を行うことです。装置や機械のトラブル予防ではなく、発生した問題に対応することから「事後保全」に分類されます。
そのため、分解や清掃は最小限に行い、事前に予定された時間内での早めの機能復旧を目指して作業を行います。
2.オーバーホールのメリット・デメリット
自社の設備や装置のオーバーホールを行う際には、そのメリットやデメリットを考慮した上で、事前に計画を立てることが欠かせません。
オーバーホールのメリット・デメリットを以下にまとめましたのでご参考ください。
(1)オーバーホールのメリット
①設備交換などのコストを抑えられる
定期的なオーバーホールによって装置や機械の稼働期間を延長できれば、設備の交換などといった設備投資コストを大幅に抑えることができます。
オーバーホールならば、製品の品質に影響する箇所のパーツや油などを別の品種に変更しない限り、基本的に4M変更(Man〈人〉・Machine〈機械〉・Method〈方法〉・Material〈材料〉の変更)に該当しないため、品質保証の再検証といったコストもかからないでしょう。
②使い慣れた機械・装置を継続的に使用できる
製造現場で長年にわたって使用されてきた機械や装置を、継続的に使えるというメリットもあります。
機械によっては廃番になっているものもあり、新規設備に交換することで工程の見直しやレイアウト変更、4M変更対応などを行わなければならなくなります。また、作業者が使い慣れない装置を使用することで、歩留まりの低下などを引き起こすかもしれません。
オーバーホールによって既存の機械・装置を使用できれば、製造工程の見直しの手間を省くことができ、供給トラブルなどの発生を防げます。
(2)オーバーホールのデメリット
①作業に手間がかかる
オーバーホールは、機械を部品レベルまで分解して不具合がないか確認を行い、清掃やパーツ交換をして元の状態に組み直すため、作業に手間と時間がかかります。
②コストがかかる
オーバーホールは作業工数が多いため、相応の人的コストがかかります。また、パーツの交換が必要になった場合、特殊なパーツならば高額になることがあり、廃番になっていれば入手に手間がかかることも少なくありません。
③作業に熟練の技術が求めれる
複雑な構造の装置や機械をオーバーホールする際には、分解はもちろん、異常箇所の発見やメンテナンス対応、精度の高い組み上げなどが求められるため、作業には職人技とも呼べる熟練の技術が必要になることも珍しくありません。
自社にオーバーホールをできる作業者がいなければ、外部サービスに委託するという選択も必要です。
3.オーバーホールの手順
オーバーホールは、機械や装置の寿命を考慮した上で定期的に行うことが大切です。ここでは、一般的な機械のオーバーホールの手順をご説明します。
- 分解:まずは、機械をパーツレベルまで分解します
- 点検:分解したパーツを点検し、摩耗や損傷がある箇所をチェックします
- 洗浄:普段洗浄ができない機械の内部や、パーツに付着している錆や汚れなどを洗い落とします。汚染状況によっては洗浄を先に行ってから点検を行います
- 修理・交換:定期交換の時期に該当するパーツやネジなどを交換します。損耗しているパーツについては必要に応じて修理・交換対応し、駆動部への注油なども行います
- 組立:分解したパーツを組み立てて、元の状態に復元します
- 点検・調整:組立が終了したら異常箇所がないかチェックした上で精度出しなどの最終調整を行い、試運転をして動作確認をします
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4.オーバーホールをしたいときに相談したいおすすめのメーカ
最後に、機械や装置のオーバーホールを行っているおすすめメーカを3社ご紹介します。
(1)株式会社FAプロダクツ
【特徴】
・年間200台ものロボット導入実績がある関東最大級のロボットSIer
・工場FA化のためにロボットだけでなく画像処理技術などの知見も豊富
・産業用機械に使用する装置基板の修理・オーバーホールにも対応
【所在地】
〒300-0847 茨城県土浦市卸町2-13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
(2)ハイメカ株式会社
【特徴】
・2022年で設立50年の半導体製造設備やコンデンサ製造設備の設計・製造を行うメーカ
・顧客にニーズにあわせて電子部品製造をはじめとした工程の自動化にも取り組む
・タンタルコンデンサ製造装置の要素技術なども踏まえて装置のオーバーホールも対応
【所在地】
〒992-0003 山形県米沢市窪田町窪田2534番地6
TEL.0238-37-2905
FAX.0238-37-2904
https://www.hi-mecha.co.jp/
(3)JOHNAN株式会社
【特徴】
・1962年に、電子部品・ 機器、フィルム加工などの受託製造メーカとして創業
・半導体業界での自動化・省力化の経験を活かして、医療・製薬分野にも事業を展開
・プリント基板修理サービスの一環としてオーバーホール対応を行っている
【所在地】
〒611-0033 京都府宇治市大久保町成手1番地28
TEL.0774-43-1369
FAX.0774-43-1679
https://www.johnan.com/
5.オーバーホールに関するご相談はFAプロダクツへ
オーバーホールは予防保全の一つとして行われる機械や装置の健康診断であり、分解清掃や修理、部品の交換などのメンテナンス作業によって、マシン寿命を適正な期間以上に延ばせる可能性があります。
オーバーホールによって新規設備への交換といったコストを削減でき、4M変更などの手間を減らせるというメリットがありますが、作業には熟練の技術が必要です。そのため、オーバーホールを適切に行うには、専門のメーカに相談することも検討しましょう。
FAプロダクツでは、これまでの実績をもとに装置のオーバーホールはもちろん工場の自動化や生産効率の向上など、それぞれの工場にとって最適なアドバイスを行っております。お悩みの方は、お気軽にご連絡ください。
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