自動分注装置のおすすめメーカ3選|選び方と導入後の生産性を高めるコツ
自動分注装置は、試料や試薬のピペッティングを自動化します。とくに生物や化学・医療の分野にて活用されており、年々需要も高まっている装置です。自社や研究所にも導入を考え、自動分注装置を検討している方々も多いでしょう。
そこで本コラムでは、自動分注装置の選び方や、導入後の生産性を高めるコツについてまとめました。具体的に検討が行えるよう、メーカと主力製品も比較しています。
自動分注装置の検討を行っているなら、ぜひ最後までお読みください。記事を読めば、具体的な検討が行えます。
もし、自動分注装置導入のコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
目次
1.自動分注装置の選び方で必要なポイントとは?自動化の範囲を決める
自動分注装置を使うことで、現在行っている分注作業が自動化されます。しかし、分注作業はチップ交換やチップ間隔の変更、ほかにも細かい手作業があります。全く同一の作業を常にピペッティングするなら、マルチチャンネルに対応した電動ピペットマシンの導入で十分でしょう。
一方、チップの間隔が変わったり、シングルチャンネルにも対応したりといった点を踏まえると、多機能なマシンが必要になる場面もあります。そのため下記の点から、より高機能な分注装置を導入するか否かを考えてみてください。
- 作業内容が基本的に変わらない
- 作業内容を変更する可能性がある
作業内容が基本的に変わらないのであれば、単機能な分注装置で十分です。予算を抑えるなら、簡易分注装置で良いでしょう。進行する内容を変えたり、より幅を持たせたりしたいのなら、多機能タイプを導入しなくてはなりません。
どこまで自動化するのか、予算も踏まえた上で用途を確認してみてください。
2.自動分注装置に強いメーカ3選と主力製品の比較
自動分注装置を取り扱っているメーカ3社と、各社の主力製品をご紹介します。
(1)武蔵エンジニアリング株式会社
【特徴】
武蔵エンジニアリング株式会社は、液体材料の精密制御に強い「国内No.1のディスペンサー総合メーカ」です。技術レベルはピコ・ナノレベルの液体を制御し、超微小液体も高度にコントロールします。
①自動充填キャッパーシステム
キャップ付きのピペッティングも、開閉から充填まで自動化できるシステムです。容器内に液体を充填した後、蒸散を防ぐ目的なら当システムの導入が最適でしょう。トルク制御により、キャップの閉めすぎも防止しています。
②自動充填秤量システム
【引用:武蔵エンジニアリング株式会社 自動充填秤量システム】
容器への重点だけではなく、液量の管理も1システムで把握できる高機能分注装置です。充填された液剤の重量はリアルタイムの取得が可能なので、閾値にてOKorNGのログ管理が即時に可能。タッチパネルとなっており、直感的に操作が行えます。
【所在地】
本社所在地:東京都三鷹市下連雀8-7-4
TEL:0422-76-7177
FAX:0422-76-7122
URL:https://www.musashi-engineering.co.jp/
(2)株式会社エルメックス
【特徴】
株式会社エルメックスは、バイオ関連機器の研究開発型メーカとして40年ほどの歴史があります。現在ではアウトソーシング体制から転向し、自社製造体制へ移行。上海工場の竣工をキッカケに、世界へ飛躍していくメーカとして期待が寄せられています。
①自動秤量分注装置
試料原液作成用の分注装置です。電子天秤も搭載されており、検体の重量測定と希釈液の注入量を自動演算してくれます。滅菌希釈液を検体袋内に自動分注してくれるため、作業の効率化が可能です。
②簡易分注装置
【引用:株式会社エルメックス 簡易分注装置】
試験管分注だけではなく、シャーレ分注も可能となった簡易型の分注装置です。簡易型なので機能性は高くないものの、予算を抑えた導入が行えます。おおよそ1リットルの液体培地を100本分の試験管に2分で分注できるスペックです。
【所在地】
本社:東京都新宿区市谷砂土原町2-2
TEL:03-5229-7911
FAX:03-5261-4130
URL:https://www.elmex.co.jp/
(3)ハミルトン・カンパニー・ジャパン株式会社
【特徴】
ハミルトン・カンパニー・ジャパン株式会社は、米国のハミルトン・カンパニー社が100%出資する日本法人です。とくにラボでのオートメーションに必要な、リキッドハンドリング装置に深い知見を持っています。
①パーソナルワークステーションMicrolab Nimbus
【引用:ハミルトン・カンパニー・ジャパン株式会社 Liquid Handling】
同社の単機能&コンパクトを追求したモデルです。予算を抑えつつ、ハミルトン社の分注機能を惜しみなく体感できます。予算や設置スペースが限られている場合、同機は非常にパフォーマンスが良い選択でしょう。
②汎用ワークステーションMicrolab STAR
【引用:ハミルトン・カンパニー・ジャパン株式会社 Liquid Handling】
同シリーズ内でもスタンダードモデルの位置付けとして展開しており、基本機能と拡張性をバランスよく実現しています。モジュール式の設計なので、装置構成も容易に変更が可能です。
③次世代型ワークステーションVANTAGE
【引用:ハミルトン・カンパニー・ジャパン株式会社 Liquid Handling】
メインプラットフォーム製品内で、もっとも高機能なモデルです。次世代に向けた垂直型設計を採用し、連続処理と大容量化を実現しました。最速かつ最短の動作により、従来機よりも高効率な作業性が特徴的です。
【所在地】
本社:東京都港区虎ノ門4-3-1城山トラストタワー31階
TEL:03-6435-6850
FAX:03-(6435)-6851
URL:http://hamiltoncompany.co.jp/
3.自動分注装置を導入することで得られるメリットと注意点
自動分注装置を導入することで得られる最大のメリットは、手間のかかるピペッティングが自動化できることです。しかし導入したあとも定期的なメンテナンス、拡張時の部品交換といった作業を行わなくてはなりません。
ここでは導入メリットと導入後の注意点についてまとめました。
(1)自動分注装置を導入するメリット
自動分注装置は、非常に手間のかかるピペッティングを自動化できます。
ピペッティングと一言で表しても、実は非常に奥深い作業です。例えばチップを浸す深さが適切じゃないと、精度に影響が出てしまうでしょう。角度やプレリンス(細い径のチップ利用で使われるテクニック)もありますし、リズムやスピードも非常に重要です。
さらにそういった1つ1つの作業を複数回行うため、集中力や神経を非常に使ってしまいます。その上、手作業では作業スピードと精度には限界があるのも事実です。
自動分注装置は作業者の負担を減らすだけではなく、熟練度に関わらず精度を安定させ、スピードも向上させる便利なもの。予算やスペースが限られる場合も多いものの、導入すればメリットが非常に多い製品です。
(2)自動分注装置を導入したあとの注意点
自動分注装置は、導入後も定期的なメンテナンスや拡張時の部品交換が必要です。とくに重要なのはメンテナンスで、この作業を怠ると精度に影響が出てしまいます。定期的なメンテナンスを行えば、万が一の故障リスクも大きく下げられるでしょう。
しかしほとんどの場合、定期的なメンテナンスを業務に組み込んでいる事例はあまり多くありません。故障してからや、動きが悪くなってからメンテナンスを行う場合が多いのです。実際に機器をチェックすると、事前の簡易的なメンテナンスで防げる事例も散見されます。
そのため導入後は簡易的でも良いので、チェックリストを作って定期的なメンテナンスを実行しましょう。故障して使えなくなってしまっては、せっかくの効率化も無駄になってしまいます。
4.自動分注装置を導入してより生産性を上げるための使い方のコツ
自動分注装置を導入すれば、基本的に人的作業のほとんどが自動化できます。機能を絞ったモデルでも、多くの点で重要な作業を高精度に実行できるでしょう。
ただし生産性を上げる観点で言えば、自動分注装置は単体で使うよりも各種装置と組み合わせたほうが効率的です。例えば分析評価と分注装置を組み合わせた高速スクリーニングは、現在も研究開発が盛んに行われています。定量的に反応測定が行える、マイクロプレートリーダーと連動するシステムも良いでしょう。
単体で使う場合は、そもそも自動化するほどの分注作業が見込めません。最初の導入時で重要な、「どこまで自動化するか?」を重要視すると良いです。
5.自動分注装置導入に関するご相談はFAプロダクツへ
自動分注装置は人の手で行われるピペッティングを自動化し、精度とスピードを大幅に改善します。とはいえどこまで自動化すればいいのか、どのくらいの規模感でどの装置を選べばいいかわかりにくい場合も多いです。
お悩みの場合はわからないまま検討するのではなく、経験豊富なFAコンサルタントに依頼してみるのも良いでしょう。FAプロダクツでは、自動分注装置の導入からサポートまで幅広く手掛けています。お悩みの場合でも相談から承っているので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
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