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円筒座標ロボット
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円筒座標ロボットとは?極座標・直角座標ロボットとの違い

円筒座標ロボットの登場は古く、日本の産業に画期的な登場をはたしてから50年の歴史があります。しかし、現在でも活用されています。
産業ロボットの種類は既に記事で紹介しましたが、6種類あります。現在の主流は垂直多関節ロボットです。
さらに動作を迅速かつ繊細にしたパラレルリンク型ロボットの開発が進んでいます。

初期の産業ロボットは、座標を基準として稼働できる範囲と構造を考察して開発されていました。
こうした産業ロボットには、極座標ロボット、円筒座標ロボット、直角座標ロボットがあります。
現在の主流は垂直多関節ロボットとはいえ、古いタイプだから使えないというわけではありません。現在でも用途はあり、必要とされています。

ここでは、円筒座標ロボットの構造と歴史を振り返りつつ、用途を解説します。

また、円筒座標ロボットをラインに追加して、
・省力化、省人化してコストダウンしたい
・生産性アップして売上を上げたい

・人的ミスを減らして品質価値を高めたい
・どのメーカーのロボットを使えば効率的かわからない
場合は、関東最大級のロボットSIer、FAプロダクツまでお問い合わせください。
円筒座標ロボットの導入が得意な技術者が、最適なご提案をさせていただきます。

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1.円筒座標ロボットとは?極座標・直角座標ロボットとの違い

産業用ロボットの種類は、『産業用マニピュレーティングロボット用語(JIS B 0134)』で定められており、座標軸ロボットには、「極座標ロボット」「円筒座標ロボット」「直角座標ロボット」の3種類があります。

ここでは、それぞれのロボットの特長をまとめます。

※以下に記載の「腕」とは、マニュピレータの先端にあるエンドエフェクタの位置を決めるために、リンクとジョイントで構成する部分を指します。

円筒座標軸ロボットの種類

(1)円筒座標ロボット(英語:Cylindrical robot)

円筒座標ロボットは、最低1つの回転運動をするジョイントを持ち、そのほかに直進運動のジョイント1つを備えたロボットです。旋回軸と伸縮するアームの構造は極座標ロボットと同様ですが、アームを上下に移動できる点で異なります。

(2)極座標ロボット(英語:polar robot/spherical robot)

産業ロボットの元祖であり、回転ジョイント2つと直進ジョイント1つで腕が構成されています。
マニュピレータを設置する土台ともいえる部分に旋回軸があり、左右に回転します。その上に伸びた腕には、上下に回転する軸があります。この2軸のほかに、伸縮可能なアームを備えています。

1969年、「川崎ユニメート2000型」が国産の産業ロボット第1号として登場しました。この産業ロボットは構造的には極座標ロボットで、日本の産業ロボットは極座標ロボットをルーツとして進化していきました。以下の動画で、かつてのロボットの動きを見ることができます。

 

(3)直角座標ロボット(英語:Rectangular robot/Cartesian robot)

直角座標ロボットの腕は、3つの直進運動をするジョイント(2つのリンクが接触して相対運動する直進ジョイント)で構成されています。1980年代には、小型の電子部品の移動、組み立て、検査などに使われていました。

2.円筒座標ロボットのメリット、用途

円筒座標ロボットのメリットは直角座標ロボットと比較すると、接地面に対して作業領域が広いことです。一方でデメリットもあります。回り込みの必要な作業には向いていないことです。

ただし、多くの産業ロボットにいえることですが、産業ロボットを選ぶときには最適なロボットの選択が重要です。また、実際の作業現場では、それぞれのロボットの長所と短所を考慮した上で、組み合わせて活用しているところもあります。

円筒座標ロボットは、現在も半導体業界を中心として液晶パネルの搬送などで活用されています。最近の円筒座標ロボットには次のようなものがあります。

円筒座標ロボットのメリットと用途

(1)半導体搬送ロボット

半導体製造のクリーンルームで使われるロボットです。

①STCR4160SN(株式会社ジェーイーエル)

スーパークリーンルーム内に設置するツインアームの4軸円筒座標ロボットです。急激な負荷の変動や急加速に対応するクローズドループ制御を採用し、アブソリュートエンコーダで現在の位置を把握して、原点に復帰してから動作にかかる時間を短縮します。

②ACTRANS UT-AFX/W3000NM(株式会社ダイヘン)

300mmウエハの標準モデルで、電力線通信技術を搭載。高剛性なアームによって、高速で安定した搬送を実現しています。

3.円筒座標ロボットの開発の経緯や円筒座標ロボットの歴史

座標軸ロボットの構造的な特長をまとめましたが、次に歴史を振り返ってみましょう。円筒座標ロボットは、1960年代から使われていました。当時の代表的な円筒座標ロボットを挙げていきます。

(1)1960年代の先駆的な円筒座標ロボットと開発企業5社

1960年代後半から1970年代前半にかけては、国産の産業ロボットが出始めた頃でした。国内で産業ロボットの開発と生産現場に導入する機運が高まり、200社もの企業が市場に参入したほどです。

当時のロボットの駆動タイプは4つに分類されていました。

  1. 油圧サーボのロボット
  2. 油圧作動でありながら可変シーケンスを使って低価格化をねらったロボット
  3. 空気圧動作のロボット
  4. 従来の自動機械を汎用化したロボット

この時期に登場した円筒座標ロボットを挙げます。

①コンスラーム(株式会社IHI)

1967年。油圧制御による円筒座標ロボットです。この後、株式会社IHI(旧・石川島播麿重工業株式会社)はFACTORIANなどの産業用ロボット開発と生産現場における導入促進を展開していきます。

②オートハンド(アイダエンジニアリング株式会社)

1968年。アイダエンジニアリング株式会社(旧・会田鉄鋼所)の円筒座標ロボットで、空気圧で作動しました。可変シーケンス制御で、定格可搬重量3kgと6kgの2種類がありました。自由度4です。金属プレス機械の危険な作業に導入され、1968年にベストセラーになりました。相互位置関係を固定した2本腕のロボットもありました。

③K-500(株式会社スター精機)

1968年。プラスチック成形品の取り出しを目的としたロボットです。横置きの円筒座標ロボットで、空気圧により作動します。固定シーケンスで制御、自由度2の仕様でした。

④ユニマン(株式会社富士越)

油圧サーボによる円筒座標ロボットです。UM1000(1969年)、UM2000(1972年)までが円筒座標ロボットで、1972年の同時期に発売されたUM3000は極座標ロボット、UM4000は直角座標ロボットでした。

⑤マトバックIRA-50(東京計器株式会社)

1970年。円筒座標ロボットで、前後軸はΛ形状の変形円筒座標ロボットでした。スウェーデンのリタブ社と技術提携をして開発。パレットの上にダンボールの箱などを積み上げる「パレタイジング」を目的として開発された最初のロボットです。

参考:
『産業用ロボット技術発展の系統化調査』楠田喜宏氏(PDF)
『国産ロボット技術発達の系統化に関する調査』社団法人日本ロボット工業会(PDF)

(2)1970年代中盤以降の円筒座標ロボットと開発企業2社

油圧制御はメンテナンスが複雑なことから、この時期からロボットの駆動はモーターによる電気制御に変わっていきます。

①MOTOMAN-W(安川電機製作所)

1974年。国際ロボット展に出品されましたが、販売実績はありませんでした。サーボ・CP制御で、油圧ではなく電動を採用し、自由度5です。国際ロボット展に展示されたデモ機には、コンピュータによる画像処理をロボット制御などに活用する「マシンビジョン」が搭載されていました。

②FANUC ROBOT-MODEL 1(ファナック株式会社)

1975年。旧・富士通ファナック株式会社の円筒座標ロボットです。上下と前後の動作軸にボールねじを使用した独自の構造で、腕3軸はひとつのサーボアンプを電気的に制御し、残りの軸は空圧制御としました。電動サーボとPTP(Point-To-Point:連続位置決め)制御、自由度5です。

(3)1980年代以降の産業ロボット

1980~1981年を大きな転機として、産業ロボットは変わりました。油圧から電動になり、より人間の複雑な作業を代替するために垂直多関節ロボットが活用されるようになったのです。自動車業界をはじめとして、多くの工場に導入されることによって人間の作業を代替し、製造の自動化を促進しました。さらに食品加工や建設、福祉などサービス業にもロボットが導入されています。

4.円筒座標ロボット導入のご相談はFAプロダクツ

垂直多関節ロボットが産業ロボットの主流といっても、円筒座標ロボットを必要としている業界があり、搬送力やスピードは進化しつつあります。これからも半導体製造や液晶関連のものづくりを支える、縁の下の力持ちのロボットといえそうです。

組み立て、搬送、箱詰めといった人が行っている作業をロボットにシフトさせたいとお考えであれば、ロボット導入の専門家であるロボットSIerの提案の力を借りてみましょう。

FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。

また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。

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テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。

【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/

【営業品目】

  • 産業用ロボット
  • 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
  • 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
  • 治具の設計・製作

【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

ロボット導入をお考えの際は、株式会社FAプロダクツまでお気軽にご相談ください。

関東最大級のロボットシステムインテグレーター ロボットシステムの設計から製造ならお任せください

050-1743-0310 営業時間:平日9:00-18:00

つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317