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フールプルーフ 例
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フールプルーフとは?導入事例、メリットと意外な注意点か解説

近年では製造業界やIT業界の急速な進化により、システムの複雑化が進行しています。
製造現場で機器を取り扱う際、使い方をよく理解しておらず、操作を間違えてしまうことがあります。また、機器を扱う上でちょっとしたミスが思わぬ事故につながる恐れがあります。

このような事故が起こらないように工夫をする設計手法がフールプルーフです。フールプルーフは、従業員が機器の操作ミスをしてしまった際に危険を回避できるようにする考え方です。

フールプルーフは製造業や建築業だけでなく、日常生活の中でも幅広く採用されています。従業員がミスで思わぬ事故を起こさないためにもフールプルーフについて理解し、導入を勧めることが大切です。

本記事ではフールプルーフについてのメリットや注意点、現場で活躍される導入事例などについて詳しくご紹介します。
フールプルーフを知って、安全な職場を目指しましょう。

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1.フールプルーフとは?

フールプルーフとは

ここでは、フールプルーフとは何か、その目的や、似た概念であるフェイルセーフとの違いなどを説明します。

(1)フールプルーフとは

フールプルーフとは、人が誤操作をしたとしても事故につながらない、または誤操作自体が起きないようにすることで、安全を守ることができる設計のことです。
“ミスをしようとしてもできない” “事故を起こそうとしても起きない” 状態にすることとも言えます。

近年の社会はIT機器やIotデバイスの普及が急速に進行しています。家庭内でもデバイスによっては機能が複雑化しており、誤操作によって事故など安全上の問題が発生する可能性があります。
また、
物流現場や商品を製造する際には機械を扱う場面が多く、例えば機械を扱う際には手の挟み込みや最悪の場合は切断などのリスクが考えられ、誤作動を防止対策を加えなければ思わぬケガや事故につながる可能性があります。

そのため、システムを設計する上では操作ミスによる事故を想定し、もしも操作ミスが起きてもその影響が最小限にとどめられるようにすることが大切です。

フールプルーフとは

フールプルーフは特定の操作を制限する機能や警告で注意を促すことで思わぬ誤操作を防ぐこと、誤操作に気づくことができます。
そしてフールプルーフを導入することで、安全性の向上はもちろん業務効率の向上も期待できます。

【参考動画】

引用:[IT用語かんたん解説] フールプルーフって何?

(2)フールプルーフとフェールセーフの違い

フールプルーフと似た概念に「フェールセーフ」があります。
フールプルーフとフェールセーフは両方ともシステムの安全性を高めるために設計された機能です。

フールプルーフはミスをしようとしてもできないように、つまりミスをしても事故などにつながらないよう設計を工夫をするのに対して、フェイルセーフはシステムに何らかの異常や故障が発生しても、安全または最小限のリスクの状態を保つように設計された機能やシステムです。

フェイルセーフの例としては、地震の際にエレベーターが最寄りの階で自動停止するという仕組みが備えられています。この機能によって、地震が起きた時に落下やドアへの挟まりなどの重大な事故につながることを防ぎます。

フールプルーフはユーザーによるミスに対応し、フェールセーフはシステムや製品の故障や異常状態に対応します。

【参考動画:厚生労働省】

2.フールプルーフの例

フールプルーフ 例

フールプルーフは工場などの現場や普段の生活等、多くの場面で使われています。ここではフールプルーフの例をご紹介します。

(1)製造・物流現場での使用事例

製造や物流などの業種では、機械オペレーターや設備に携わる機会が多く、従業員の操作ミスによる事故の発生リスクが高くなります。そのため、万が一操作ミス等が起きたとしても安全が守られるようフールプルーフを導入することがとても大切です。

製造業や物流業などにおけるフールプルーフの導入事例を以下に挙げます。

・加工物を投入するための開口部がある機器に、内部に手が届かないよう固定ガードを設置
・誤操作での稼働による事故が起こりやすい機器では、両手を使わないと稼動しないように設計する
・2つ同時に操作しないとスイッチが作動しないようにすることで、誤作動を防止
・開錠しないと機械を使えない、しかも複数の鍵が必要とすることで、簡単に使用できなくすることで誤作動を防止する
・機械のスイッチ停止後の惰性運動などを検知し、完全停止するまでは人が近づけないようガードが解除されない
・機械の一部に体が触れると、自動的に停止する
・ありえない数値を入力した場合には、エラーメッセージの表示や警告音が鳴る
・別の部品を接続できないよう、種類ごとに接続部の形状を異なる形にする

(2)日常生活の使用事例

日常生活で使用する電気製品は、特に小さな子どもや高齢者などを家庭内での事故から守るためにフールプルーフの設計がとても重要です。

以下のような実例があります。

・洗濯機:作動中に蓋が開かない、また蓋を閉めないと作動しないことで、手などの巻き込みを防止する
・トイレ:座らないと作動しない温水洗浄便座
・ホットプレート:プレートを置かなければスイッチを入れても加熱されないよう設計
・ミル:蓋が完全にしまっていなければスイッチが入らない
・電子レンジ:扉がしまった状態でないと作動しない設計
・ガスコンロ:煮こぼれで火が消えたら自動でガスを遮断する設計。また温度センサーによって、過熱された場合には自動調節や自動消火する。
・電気ストーブ:転倒時には消えるよう設計。地震の際にも安全が守られる。
・データ削除時には、確認画面が複数回提示される
・別の席のシートベルトを差し込む:差し込めないよう、隣り合ったベルトは形状を変える

上記のように、製造や身近な生活の中で思わぬケガや事故につながるリスクが高く、安全対策を高める一つとしてフールプルーフが広く取り入れられています。

3.フールプルーフを導入するメリットと注意点

フールプルーフのメリットと注意点

フールプルーフは機械の誤った操作による従業員の事故やケガを防ぐ役割があります。
フールプルーフを導入することで以下のようなメリットをもたらします。
・安全性の向上
・余計なコストの削減・生産効率の低下防止
・信頼性の向上
ここではフールプルーフの 3つのメリットについて詳しく解説します。

(1)フールプルーフを導入するメリット

①安全性の向上

フールプルーフを導入することで、従業員の安全性を向上させることができます。

作業をする上で「思い違い」「判断ミス」「見落とし」などは必ず起こるものであり、それらを前提として設計することで人間がシステムの操作を誤っても一定の安全性が守られることが大きなポイントです。

②余計なコストの削減・生産効率の低下防止

誤操作は機械やシステムの停止や故障につながることがあります。
製造ラインが停止すれば生産効率は低下し、故障すればさらに修復のためのコストも発生します。

③信頼性の向上

フールプルーフの導入で安全性が担保されれば、組織内での安心・信頼につながります。
事故やケガの多い職場では従業員は安心して働くことはできません。組織に対する信頼感が高まれば、業務効率の向上も期待できます。
また、事故を未然に防ぐ工夫や努力を惜しまない企業であれば、顧客からの信頼にも繋がるでしょう。

(2)フールプルーフの注意点

フールプルーフは組織の信頼性と安全性を向上するメリットがある一方、注意も必要です。
フールプルーフを導入する上での注意点は以下の通りです。
・設計と実装するためのコストと時間がかかる
・システムの複雑化につながる
・安全設計の過信による事故
システムの導入には、開発費用が大幅にかかるためしっかりデメリットも考慮することが大切です。

①設計と実装するためのコストと時間がかかる

フールプルーフの導入には、システムの計画から実装までの時間とコストが必要です。あらかじめ、スケジュールと予算、そして人を確保した上で、計画を進めましょう。

設備の変更内容によっては、安全を守るためとは言え作業手順が増えるなど作業者の理解を得にくいケースもあります。スムーズな運用に至るには、実装して完成ではなく研修等が必要な場合もあることを知っておきましょう。
また、想定されるあらゆる危険を防ごうとすると、システムが複雑になることもあります。システムが複雑化すると、設計に時間がかかったり、実装が難しくなる可能性があります。

必要な機能の優先順位を明確にしそれらをシンプルなシステムで実現できるよう工夫することで、コストや時間を抑えながらも大きな成果を挙げられるでしょう。

②過信や慣れによる事故の可能性

せっかくフールプルーフを導入しても、ユーザーがシステムの安全性の高さを過信してしまうことで思わぬ事故につながる可能性もあります。

「誤操作をしても安全システムが作動するから大丈夫」と思ったり、警報音への慣れによって「いつものことだから大丈夫だろう」と無視してしまったりすることで安全意識が低下し、かえってミスや事故のリスクが高くなるかもしれません。

フールプルーフはユーザーの誤操作防止のためにシステムの安全性が向上するのが特徴ですが、100%事故を防げるとは限りません。フールプルーフ導入後も、ユーザー自身の注意力や安全意識を高く持つことが大切です。

③フールプルーフの設定を解除してしまう可能性

フールプルーフを導入すると、設定された危険を察知した際には機械が作動しない、停止してしまうなどの対応がなされます。安全を守るためである反面、作業効率の低下につながることも事実です。
作業者が「このくらいのことでいちいち停止する必要はない」と判断すれば、せっかくの安全のための設定を解除してしまうことも考えられます。

設計者や管理者だけがフールプルーフの重要性を理解するのではなく、フールプルーフは安全のための対策であることを、現場で働く従業員に周知することが大切です。

4.フールプルーフに関するご相談は株式会社FAプロダクツ

現場の安全性を高めたいとお考えでも、実際には何から手を付けたらよいのかわからない、専門家の話も聞いてみたいというケースも少なくありません。FAプロダクツでは、豊富な実績をもとにリスクマネジメントのお手伝いができますので、ぜひご検討ください。

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