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近接 センサー4
生産設備に関する記事

近接センサーとは?仕組みや種類、使用例、近接スイッチとの違い

近接センサーは、有効範囲に検出対象が近づくと応答を示すセンサーで、ものの有無や位置を測定するために使用されます。
本記事では、近接センサーの特徴や仕組み、種類、混同しやすい近接スイッチとの違いや使用例などをくわしく解説します。本記事を、近接センサーの知見を広げる参考にしてください。

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1.近接センサーとは?特徴や近接スイッチとの違い

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ここでは、近接センサーの概要や特徴を解説します。

(1)近接センサーとは

近接センサーとは物理的な接触を必要とせずに、有効範囲に検出対象が近づくと応答を示すセンサーの総称です。ものの有無や位置を、接触することなく検出・測定できます。
近接センサーは、検出対象を認識してから物体の有無や位置を伝えるまでの時間(応答速度)を高速化する目的で設計されています。

(2)近接センサーの特徴

近接センサーの最大の特徴は、検出対象に触れずに検出できる非接触式の機器であることです。「検出対象に触れない」ことは、些細なことでも損傷を受ける可能性のある繊細な物体や、化学的に不安定な物体を取り扱うときに重宝します。
また、物理的な接触信号ではなく、電気的な非接触信号で動作するため、高速応答長い機器寿命を実現しています。

(3)近接センサーと近接スイッチの違い

近接センサーと近接スイッチは、相互に取り換えの効く機器として混同されがちですが、以下のようにそれぞれ役割が違います。

近接センサー 検出することが役割
感知できる有効範囲内に検出対象が近づくと非接触で応答を示す
近接スイッチ ●電気回路を切り替えることが役割
近接センサーが検出した信号により作動する装置

近接センサーについては、以下の動画も参考にしてください。

引用:近接センサーって何?種類や用途について説明

引用:【近接センサ】 E2Eシリーズ 回路組んで特徴など紹介してみた!- 高精度 / 長寿命 / 高い信頼性 【オムロン】

2.近接センサーの種類と仕組み|誘導型・静電容量型・磁気型

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近接センサーは有効範囲に検出対象が近づくと、ものの有無や位置を検出しますが、センサーの種類によってそれぞれメカニズムが異なります。ここでは、センサーの分類やそれぞれの原理を解説します。

(1)誘導型近接センサーの仕組み

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誘導型近接センサーは、電磁誘導により検出対象へ発生した渦電流の熱損失から、インピーダンスの変化を検出して動作します。
誘導型近接センサーは電磁誘導を利用することから、検出対象は金属などの導電性物質に限られます。

誘導型近接センサーは以下の仕組みで検知します。

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①コイルに交流を流し磁界が発生 誘導型近接センサーの本体には検出コイルが内蔵されています。
コイルに交流を流すと、コイルの電荷(電界)が動き、周囲に磁気(磁界)が発生します。
②渦電流から電磁誘導を発生させる 磁界が発生した検出コイルの周囲に、検出対象物である金属などの導電性物質(導体)が近づくと渦状の電流(渦電流)が発生します。
渦電流は、コイルの持つ磁界を維持しようとする性質により、近づいてきた物質が持つ磁界と反対向きの磁界を作り出そうとし、電磁誘導が発生します。
③電力損失が発生しインピーダンスが変化 電磁誘導が起きると導体に渦電流が流れますが、導体のもつ電気抵抗により、電力損失(※)が発生します。
電力損失が大きいほど電気エネルギーは相対的に少なくなり、電気が流れにくい物質であることが分かります。この電気の流れにくさの変化量をインピーダンスといいます。
※電力損失:渦電流のエネルギーが電気抵抗によって流れにくくなった分だけ、電気エネルギーから熱エネルギーに変化する現象
④近接センサーがインピーダンスの変化を検知 電力損失が発生して磁界が変化したことにより、電気の流れにくさであるインピーダンスも変化します。
インピーダンスの変化を、近接センサーに内蔵された検出コイルが検知し、物体の位置や有無を判断しています。

(2)静電容量型近接センサーの仕組み

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静電容量型近接センサーは、近接センサーと対象間の静電容量の変化を検出します。
静電誘導とは、下敷きを頭に乗せてこすった後に上にあげると、髪の毛が逆立つ現象と同様で、帯電体と検出対象の間にクーロン力(※)が働いていることが要因で起こります。
金属だけでなく水や油などの液体、プラスチックなどの樹脂、木材、粉体など幅広い材質が検出可能です。

※クーロン力:電子間に働く力のことで、電荷同士の種類が異なれば引力によって引き合い同じなら斥力(せきりょく)によって反発し合います。

静電容量近接センサーは以下の仕組みで検知します。

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①検出用電極と対象物の間に静電誘導が発生 静電容量型近接センサーの本体にはプラスに帯電した状態の検出用電極が内蔵されています。
検出用電極に検出対象を近づけると、検出対象内部のマイナスの電荷が帯電体側へ移動(静電誘導)し、プラスの電荷は帯電体から離れようとします。
②静電容量が増加 静電誘導によって電子が移動し、検出用電極と検出対象の間に多くの電荷が溜まることで、静電容量(※)が増加します。
※静電容量:2つの物質間において、どれくらい電荷を貯められるかを表す変化量
③近接センサーが静電容量の変化を検知 近接センサーに内蔵されている発振・検出回路では、静電容量が変化に伴う周波数の変化から、物体の有無を判別します。

(3)磁気型近接センサーの仕組み

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磁気型近接センサーは、磁石を検出部に接近させて磁力の検出により動作します。
磁石の相互作用を利用した原理で、立体駐車場の棚検出やトラックの荷台検出などに使用されています。

磁気型近接センサーは以下の仕組みで検知します。

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磁気型近接センサーには、磁力によってオン・オフが切り替わるリードスイッチという機構が内蔵されています。リードスイッチには、一般的に2本の細いワイヤーや、リード線(電極線)が離れて設置されています。
このスイッチが内蔵されたセンサーに磁石が近づくと、磁性(※)によりリード線がもう片方のリード線と接触して、電気回路をつくります。
(※磁性:磁石同士が反発したり、引き合ったりする現象)
リードスイッチがオンになると、近接センサーも連動してオンとなり物体を検出します。
このように、磁石の相互作用を用いて物体を検出する近接センサーを「磁気型近接センサー」と呼び、検出対象は磁石であることが、最大の特徴です。

センサーの中には、近接センサーとは異なる原理を用いたセンサーがいくつもあります。
興味のある方は、以下の記事も参考にしてください。

.近接センサーの使用例

近接 センサー2

近接センサーは「ものを認識する」というシンプルな機能であり、汎用性が高いため、航空・自動車・電化製品・食品・農業など、ヘルスケアからインフラ、製造業まで様々な業界で活用されています。
近接センサーの具体的な用途として、食品メーカーにおける飲料製造の事例をいくつかご紹介します。

使用例1:バルブ開閉位置のチェック

配管経路をコントロールしているバルブの開閉チェックを監視する目的で、近接センサーが使用されています。
製造過程において、製品である飲料は主に配管中を通って、次の工程に送液されます。配管に設置されているバルブの開閉により、配管経路を制限し、飲料の移動先をコントロールしています。

使用例2:貯液タンクにおける液体容量のレベル検知

タンク内容量の上限と下限、空検知を監視する目的で、近接センサーが使用されています。
製品である飲料や、設備を洗浄する洗剤などの液体は、主に貯蔵タンクで保存されています。

近接センサーは応答性の速さから、内部の容量をリアルタイムでレベル検知するのに優れています。この近接センサーを用いたレベル検知によって、貯蔵タンクに液体を供給する際に溢れたり、排出する際にポンプで空引きするのを防ぐことができます。

使用例3:飲料容器の位置決め

加熱殺菌処理が行われた飲料は、冷やした後に容器に詰められて出荷されます。この容器に製品を詰める工程を充填(じゅうてん)といいます。充填設備によって飲料を容器に充填する際、飲料がこぼれないように、容器の位置を決定する目的で近接センサーが使用されています。
また、電磁誘導で磁界が変化する原理を利用して、製品に金属異物が混入していないかを近接センサーで判断しています。

食品製造の分野では、近接センサーだけでなく様々な装置が活躍しています。興味のある方は、こちらの関連記事もぜひご覧ください。

.近接センサーのメリットと注意点

近接センサーのメリットと注意点は以下の通りです。

近接センサーのメリット 近接センサーの注意点
●壊れにくい
●応答速度が速い
●劣悪な環境にも強い
●誤反応が少ない
●検出距離が短い
●位置調整が難しい
●振動に弱い
●相互干渉で誤作動が起こる

以下で詳しく解説します。

(1)近接センサーのメリット

①非接触で壊れにくい

近接センサーは非接触機器のため壊れにくく、耐用年数は7年程度と非常に長寿命です。
非接触で検出を行うため、近接センサー本体だけでなく、検出対象にもダメージを与えません。
接触式の機器では、センサーと検出対象が何度も物理的に接触することで、反復運動や接触摩擦による機器の劣化が生じます。

②応答速度が速い

近接センサーの応答速度とは、検出対象が検出範囲内に入ってから、検出して応答(出力)するまでの速度のことで、応答時間とも呼ばれます。
近接センサーは、どの種類でも応答速度を高速化する目的で設計されています。例えば、食品メーカーで用いられている近接センサーは、一般的に50ms(1/500秒)以上の応答速度があります。

③劣悪な環境にも対応

近接センサーは水や油、薬品などが飛散する場所や、高温環境下などの劣悪な環境でも使用できます。検出部を外部要因から守る、シールド付きのタイプもあります。
耐水、耐薬、耐油、耐熱など、様々な耐久性を持っているため、使用環境によって適切な近接センサーを選ぶことがポイントです。

④誤反応が少ない

近接センサーは、金属を検出するタイプが多いため、ホコリや水滴などの影響を受けにくいです。
他のセンサーは検出部に汚れや異物が付着して、誤反応を引き起こす可能性があります。しかし、近接センサーは磁界(電界)の変化を検出するため、汚れていても安定した検出が可能です。
ただし、切り粉が大量に発生する環境では、誤反応が起こりやすく検出には不向きです。

(2)近接センサーのデメリット

①検出距離が短い

近接センサーと検出対象が、かなり接近しないと検出ができません
一般的には、数ミリ~数十ミリとされています。
誘導型、静電容量型、磁気型近接センサーのどれも、反応を検出する電界(磁界)の範囲が狭いため、検出可能な距離が短くなっています。
他のセンサーに比べて検出範囲が狭く、離れた対象の検出には向きません。

②位置調整が難しい

検出距離が短いため、ミリ単位の位置調整が必要です。位置調整を見誤ると、近接センサーと検出対象が接触して、お互いに損傷してしまいます。
近接センサーの適切な設置場所は、対象を検出できる範囲かつ、接触しない範囲となるため、正確な位置調整が求められます。

③振動には弱い

振動や衝撃で近接センサーがずれてしまうと、検出対象が適切な位置にあっても、検出範囲外と認識されてしまい、精度を欠くことがあります。
配管からの振動や衝撃は、液体の急激な圧力変動によって起こる場合が多いため、バルブの開閉パターンを見直すことで改善が期待できます。

④相互干渉で誤動作する

近接センサーの周囲に検出対象以外の金属があると、検出対象が接近していないのに物体があると誤認識してしまいます。
また、同じ近接センサー同士の発振周波数が干渉して、誤動作やチャタリングが発生する可能性があります。チャタリングとは、検出時に動作が不安定になり、物体の有無(出力オン、オフ)の判定が繰り返される現象です。

5.近接センサー関するご相談は株式会社FAプロダクツ

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