自動化設備とは?メリットや費用、評価基準をわかりやすく解説!
近年、工場の自動化設備の導入が進んでいます。
設備を自動化することで、
- 慢性的な人手不足の解消
- 生産性の見直し
- 人件費の高騰の対策
以上の問題の解決が期待されています。
少子高齢化の時代になり、働き方も多様化してきているため、人手不足は深刻な問題です。
また、そのような人手不足により生産性の費用対効果も見直しが必要になります。
さらに、国内外問わず、人手が不足すると、今度は一人当たりの人件費が高騰するという問題も浮上します。
自動化設備はこれらの問題を解決するため、非常に注目を集めており、多くの企業が導入を進めています。
また、よくある疑問として、「自動化設備は汎用品を使えないの?」というご質問があります。
回答としては、その工場によって実現したいことやワークの仕様が異なり、基本的にはオーダーメイドになるため、汎用品を使用することは現実的ではないことがほとんどです。(汎用品を組み合わせて作ることはあります)
この記事では、その工場の自動化設備について、メリット・デメリット、導入する際の評価基準についてご紹介いたします。
もし、自動化設備を導入して、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
⇒工場の自動化の最新事例5選を紹介+自動化に強いSIer4つ
目次
1.自動化設備とは
工場の自動化設備とは、どのようなことなのでしょうか。
自動化設備とは一言でいうと、人がやっていた作業をロボットが代替する設備のことです。
工場のライン作業などで導入されています。
具体的なイメージは下記の動画をご覧ください。
さらに詳しく解説いたします。
(1)自動化にする理由
先にも述べたように、現在日本では慢性的な人手不足が危惧されています。
少子高齢化の影響により、子供が減り、お年寄りが増えていくという状況は年々深刻になっていきます。
そうすると、工場でもどんどん人が居なくなってきて、仕事をする人も減り、生産性も下がります。
そうなってしまっては、生産ができなくなり大変です。
そのために設備を自動化して、人手不足を解消するためにも自動化設備の導入が進められています。
(2)海外移転しなくてもよくなる
当初、工場の自動化設備の導入が進む前、企業は工場の海外移転により国内の人手不足を解消しようと考えていました。
しかし、はじめはよかったものの、徐々に海外の人件費が高騰してきたことにより、費用対効果が悪くなりました。
また、従業員の教育費に余計にコストがかかってしまったり、品質を保つために時間がかかってしまったりという問題も浮上しました。
そこで、工場の自動化設備を導入することで、人手不足を解決し、国内でも生産体制を整えるようになったのです。
(3)自動化設備は基本的にはオーダーメイド
コストを安くする目的で「自社にあった量産の自動化設備はないの?」という疑問があります。
結論からいうと、特定の自動化は可能でも「自社にあった自動化」はオーダーメイドになります。
理由は、生産ラインやワーク、実現したいことはメーカーによって様々なので、量産品のみで最適な自動化が基本的には実現できないからです。
そのため、ロボットSIerなどに依頼して自動化設備を製作してもらうことになります。
⇒【まとめ】産業用ロボットとは?種類やメリット、ランキングを紹介
2.自動化設備のメリット・デメリット
ではさらに具体的に自動化設備の導入を行うと、どのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
(1)自動化設備のメリットは次が挙げられます。
- 人件費の削減
- 生産性の向上
- 品質の安定
- 原因の特定
上記をそれぞれ解説します。
①人件費の削減
先述したとおり、自動化設備の最大のメリットは人件費を削減できることです。
もし、作業員が退職をしてしまったり、休職してしまったりした場合も、自動化にすることで生産を止めなくても済みます。
さらに、新たな人員確保の費用を抑えることや、新しい作業員を教育するための費用も抑えられます。
②生産性の向上
人が作業するとどうしても疲労が伴います。
そのため1日で作業できる時間も限られます。
交代制を取ることもできますが、その場合も昼夜逆転するので、夜勤の作業員は強烈な睡魔と闘いながら作業することになります。
そうなると、生産性の高い作業は期待できず、24時間工場を稼働する際の課題でもありました。
しかし、自動化設備により、人がいなくても24時間の作業が可能です。さらに人よりも早く作業できるので、生産性も上がります。
また、ロボットには休憩が必要ありませんので、常に稼働し続けられることもメリットです。
③品質の安定
品質の面でも、自動化設備の導入を行うと安定します。
その理由は、人の作業だとどうしても作業員の体調に左右されたり、作業の習熟度により、差がでます。
その点、自動化にすると、品質のばらつきを解消でき、いつでも一定のレベルを担保できます。
④原因の特定
自動化設備を導入することで、万が一、トラブルや不良品が発生した場合も原因の特定がしやすくなります。
その理由は蓄積されたデータを見ればすぐにわかるからです。その結果、改善点も明確になり、すぐに生産の復旧が行えます。
これが人によるミスの場合は、原因追及に時間がかかります。例えば、「疲労が溜まってなかったのか」「生産工程に問題はなかったのか」など。
このような時間は往々にして、時間の無駄を発生させやすい状態になります。
自動化によりこれらの問題も解決できます。
3.自動化設備のデメリット
では逆に、自動化設備によりデメリットは生じるのでしょうか。こちらでは想定されるデメリットを紹介します。
(1)導入コストが高額になる
自動化設備を導入してからは人件費などの削減につながりますが、最初に導入する際に大きなコストがかかります。
また、設備を導入する場所の確保や、他の設備との関連など、計画も必要になります。
まずは見積もりを取り、どの程度のコストが必要になるか把握が必要です。
(2)オペレーティングする人材が必要
実際に自動化にしても完全に無人化ができるわけではありません。
その理由は、最低限そのロボットをオペレーションできる人材が必要だからです。
もし、人材がいなければ新たに雇い入れたり、教育する必要があります。
(3)機械を保守をする人手が必要
ロボットは休みなく働いてくれますが、定期的にメンテナンスは必要です。
メンテナンスはもちろん人が行います。
そのため、保守費用や、調整にかかる費用、人件費は別で必要になります。
完全な自動化、というところはまだまだ難しいのが現状です。
4.自動化設備にかかる費用と効果
自動化設備を導入する際に、費用がどれくらい必要なのか、どれくらいの効果があるのか、検討する際に事前に調べておきたい要素です。
それぞれ紹介します。
(1)自動化設備の費用
自動化設備にかかる費用は、ロボットの導入と周辺装置、プログラムという一連のロボットシステムを導入する必要があります。
それぞれの費用の目安は以下の通り。
ロボット本体 | 400万円 |
ロボット関連装置 | 200万円 |
ロボット周辺装置 | 300万円 |
システムインテグレーション | 600万円 |
以上、総額1,500万円程度がおおよその目安になります。
※費用は規模や諸条件、作業の複雑さにより異なります。
(2)自動化設備の効果
自動化設備を導入すると得られる効果は次の5つの要素が挙げられます。
①生産性の向上
自動化の一番の狙いは、作業の効率化による生産性の向上と言えます。
ロボットはメンテナンス時間を除けば、休みなく稼働できます。
その結果、人が作業を行うよりも費用対効果の高い生産体系を敷くことが可能です。
②品質の向上
近年の高い技術力の進歩により、ロボットの精度は日に日に向上しています。
人による作業の場合は、どうしても人為的なミスの発生を考慮する必要がありますが、自動化設備の場合は、その可能性を極力下げることが可能です。
③長期的なコストダウン
先にも述べたとおり、自動化設備の導入には初期費用が必要です。
ロボット1台の導入につき、決して安くない費用ですが、長期的にみるとコストダウンにつながります。
なぜなら、人一人にかける人件費を長期的に計算すると、圧倒的に自動化設備を導入した方が費用を抑えれるからです。
④省人化
自動化設備の導入により、工場に人は必要なくなります。
最低限オペレーティングする人員は必要ですが、無人でも生産できるので、省人化につながります。
⑤労働環境の改善
自動化設備により、スムーズな生産が可能となり、長時間労働や交代勤務による慢性的な人の疲労などによる労働環境を改善できます。
5.自動化設備の設計と評価方法
設備の自動化を行う前に、検討しておきたい設計と評価方法をご紹介します。これはその設備がどれだけ費用対効果の面で優れているかを設計するために必要な評価する方法です。
(1)費用・便益分析用
費用対効果の面から評価する方法です。費用(コスト)と便益(ベネフィット)の観点から算出していきます。
この評価方法はある設備を基準として、自動化を行った場合と行わなかった場合を比べて、評価を行います。
費用については人件費や購入費用、保全費用を元に評価を行い、便益は次の項目から算出します。
- 作業時間の短縮
- 段取り替え時間の短縮
- 不良品の減少
- 製品事故の減少
- 製品品質の向上
(2)点数評価法
自動化を予定する設備に共通の評価項目を設定し、5段階評価で評価を行う方法です。
評価基準は、
- システムの性能への影響度
- 実施の難易度
- 要求の達成度
などを基準として、それぞれ5段階中3段階目の全項目が満たされると、総合点が100点になるように評価していきます。
(3)消去法
消去法は、複数の設備や方法を比較する際に有効な評価方法です。それぞれの条件を満たすかを判断し、満たさない方を消去していきます。
ただし、注意点があり、十分な検討を行ってから条件を消去してい必要があります。
例えば、設備の購入費用や保全費用などは、良い設備を導入するために避けては通れません。
このような、こだわりの条件や譲れない条件については十分に検討するようにしましょう。
6.設備自動化のご相談はFAプロダクツへ
少子高齢化に伴う人手不足の解消のために自動化設備が導入されています。
結果的に、人件費の削減や生産性の向上、品質の安定など様々なメリットが自動化設備には存在します。
今後、さらに導入が進み、工場では人が作業を行うから、人は機械のオペレーションを行うに本格的に移行するでしょう。
また、自動化設備の導入を考える際にはコストの面や場所の確保なども十分に検討が必要です。
いずれにしても、工場の自動化設備は、必須の時代に突入しました。
これを機に、人件費の削減と生産性の向上のために、自動化設備を進めてみてはいかがでしょうか。
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