パレタイジングロボットの仕組み・メーカー・参考価格を解説
工場の出荷現場などで活躍する疲れ知らずの力持ち―。
そんなパレタイジング(荷積み)ロボットを活用する事業者が増えています。
荷積み(もしくは荷降ろし)作業は人への負担が大きい重労働。産業界全体で人手不足や高齢化が加速する中、とりわけ担い手の確保が難しい仕事であり、だからこそロボットに期待が集まっています。
しかしその一方で、
「そもそもどんなロボットなの?」
「どこのメーカーが売ってるの?」
「価格はどれくらいなの?」
と疑問に思う方も多いことでしょう。
本記事ではそんな疑問に応えるべく、このパレタイジングロボットについて徹底解説します。
もし、パレタイジングロボットを導入して、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
目次
1.パレタイジングロボットとは?構造や価格などの基礎知識
パレタイジングロボットの役割や構造、価格面などについて、まずは解説をしていきましょう。
(1)パレタイジングロボットの役割
パレタイジングロボットとは、荷積み(パレタイズ)や荷下ろし(デパレタイズ)の作業を人間のかわりに行うロボットのことを言います。
下記の動画を見てみましょう。
これは日本を代表するロボットメーカーのファナックが提案する、パレタイジングロボットによるソリューション例です。
穀物類など向けの重そうな袋を、ロボットが軽々と持ち上げ、コンベアから出荷用のパレットの上に並べたり、逆にパレットの上からコンベアに移していく様子がわかります。「パレタイジングロボット」の名称はこうした作業の名前から来ています。
運ぶ対象は食品用の袋とは限りません。製品を入れたダンボール、ボトルケースなどから、レンガなどの重たい建築資材まで、さまざまなものが扱われます。
近年はアームの先端で対象物を持つ治工具(チャッキングハンド)などの技術進化により、極端に柔らかく形状が不安定なものでない限り、あらゆる物体に対応できるようになっています。
(2)パレタイジングロボットの構造
このパレタイジングロボットは多くのロボットメーカーが製品化していますが、それらの構造の多くは「垂直多関節ロボット」に分類されています。
これは、複数の関節(ジョイント)を持ち、滑らかな動作が可能なアーム(=腕)型のロボットのことを言います。ヒトの腕が肩、肘、手首などの関節を備えることで、柔軟に動きを実現しています。
関節軸には、上記の図の通り、回転するものと直動(伸縮する動き)のものがあり、軸の数が多いほど、動きの自由度も高くなります。
一般的な垂直多関節ロボットは6軸タイプが主流ですが、パレタイジングロボットは4軸を持つタイプが大半です。比較的大きなものを運ぶため、6軸並みの柔軟な動きは不要ですが、その代わりに重量物の搬送に耐え得る剛性が必要なため、4軸が採用されやすいようです。
(3)パレタイジングロボット導入のポイント
パレタイジングロボットで重要になるのは「可搬質量」です。
これは、どの程度の質量のものを搬送できるかを示す数値。たとえば「可搬質量110キログラム」であれば、110キログラムまでの物体を搬送可能ということになります。
可搬質量が大きければ大きいほど重量物を含む多種多様な物体を運べますが、そのぶん大型になるためスペースが必要となり、また価格も高くなる傾向にあります。
新たにパレタイジングロボットを導入する場合、
- 用途
- 設置スペース
- 予算
を明確化した上で、幅広いラインアップの中から最適なロボットを選定する必要があると言えるでしょう。
また多くの場合、ロボットは購入・設置するだけでは稼働しません。ロボットを組み込むシステム設計や製造、ロボット動作のプログラミングにもコストが必要になります。
導入の際にはこれらも合わせて見積もるようにしましょう。
(4)パレタイジングロボットの価格
さて、そんなパレタイジングロボットですが、一体いくらくらいで購入できるのでしょうか。
産業用ロボットの場合、多くのメーカーが価格を「オープン」とし、定価を公開していません。完全なBtoB商材であり、諸条件が個別の商談で決まるため、このような傾向にあると思われます。
とはいえ例外もあります。たとえば川崎重工業のCPシリーズについては、国内におけるメーカー希望小売価格が下記の通り公開されています。
- 可搬質量180キログラム版=550万円
- 同300キログラム版=600万円
- 同500キログラム版=700万円
パレタイジングロボットは性能面の差別化要素がさほど多くないこともあり、国内メーカーであれば、多少の差はあれども概ね同じような価格帯にあると考えてよいでしょう。
先に触れたように、可搬質量が上がり大型になればなるほど価格は高くなり、また複数導入の場合はボリュームディスカウントによって希望小売価格より安く導入されがちなことなどを考慮しつつ、用途や予算を検討すべきと言えます。
2.パレタイジングロボットの代表メーカー3選
では、実際にどんなパレタイジングロボットが市場で使われているか、代表的なロボットメーカーの製品を見てみましょう。
(1)ファナックのパレタイジングロボット
本記事の冒頭でもご紹介したファナックのパレタイジングシステムでは、「M-410iC/110」というロボットが使われています。
参照:ファナック公式サイトより
軸数は4つで、質量110キログラムまでの物体を搬送可能。
この「M-410iC」シリーズでは、最大で質量700キログラムまでに対応可能な型番が計5種ラインアップされています(可搬質量700キログラムのものは、型番名が「M-410iC/700」となります)。
(2)安川電機のパレタイジングロボット
ファナックと並ぶ産業用ロボット大手の安川電機も、可搬質量が異なる複数タイプのパレタイジングロボット「MOTOMAN-MPLシリーズ」を手掛けています。
こちらは可搬質量が最小80キログラム、最大800キログラムの計6種。アームの先端に近い箇所に中空が設けられ、ケーブルやチューブの取り回しをしやすいという特徴を持っています。
(3)川崎重工業のパレタイジングロボット
また、同じく産業用ロボット大手の川崎重工業は新たなパレタイジングロボット「CPシリーズ」を2015年に発売。旗艦機種の一つとして、国内外で利用を促しています。
特徴は毎時2050サイクル(対象物の質量が130キログラムの場合)の高速動作。同社の広報関連部門によると「業界最速の搬送能力」とのことで、可搬質量180キログラム、同300キログラム、同500キログラムの3種がラインアップされています。
3.パレタイジングロボット導入に強いロボットSIer3選
さて、ここまでパレタイジングロボットの使われ方や実際の機種などについて解説してきました。
しかし、「それでも、どのロボットをどう導入すればいいか分からない」という読者の方は多いと思います。予算、用途、設置スペースなどを明確化することも、簡単な仕事ではありません。
また、ロボットは購入しただけでは稼働できません。現場に合わせた配置、ロボットをどう動かすかの設定(この作業をロボットティーチングと呼びます)、安全性の確保やトラブル等のモニタリング体制など、様々なことを考える必要があります。
そのような場合の強い味方が、FA(工場自動化)システムを専門としたロボットSIerです。
ロボットSIerは、ロボット、周辺機器、ソフトウェアなどを組み合わせシステム化するための知見を豊富に備えた、自動化の“プロ集団”。
どの工程にロボットを導入するか、どれくらいの予算をかけるかなどを決める上で、プロならではの視点からコンサルティングをしてもらえます。
良いSIerと出会えるかが、ロボット導入の成否を決めると言っても過言ではありません。
ここではパレタイジングロボット導入に強いロボットSIer3社を紹介します。
(1)株式会社FAプロダクツ
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。
【ポンチ絵とお見積りのサンプル】
テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
(2)泉谷機械工業株式会社
【本社所在地】
堺市堺区旭ヶ丘北町1丁5番18号
TEL: 072-241-5257 (代表)
FAX: 072-245-0111 (代表)
【特徴】
清算・搬送・検索の3工程へのロボット導入実績を持つロボットSIerです。特に既存設備にロボットを「後付け」することで自動化・効率化を実現する提案に力を入れています。システムのほか、各種検査・計測装置、液晶・半導体製造装置の設計・製造などにも対応しています。
(3)株式会社コスモ技研
【本社所在地】
愛知県小牧市入鹿出新田285
TEL: 0568-71-6571 (代表)
FAX: 0568-71-6570 (代表)
【特徴】
航空、重工業、化学、食品、医療、医薬などの分野で実績を持っています。パレタイズ関連では、センサー技術を駆使し、高さが一定でない特殊な袋物などに対応しています。
4.ロボット導入のご相談はFAプロダクツへ
いかがでしたでしょうか。本記事では荷積み(もしくは荷降ろし)作業を大幅に効率化できるパレタイジングロボットの特徴、機種、価格などを紹介してきました。
従業員の負担を軽減する上でも、有効なツールとなるはずです。
導入に向けて、まずはロボットSIerに相談してみましょう。
工場自動化にお悩みの際は、関東最大級のロボットSIer、FAプロダクツまでお気軽にお問合せください。
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