多品種少量生産とは?成功事例、効率化を促進する自動化手法も解説
変革する製造業では、少品種多量生産から多品種少量生産への以降が進み注目されています。日本人の生産性の低さが指摘されつつある昨今、変化に対応するには上流工程からの最適な改善は急務と言えます。
「市場のニーズに柔軟に応えたい」
「安全・品質・生産効率向上とコスト削減も実現させたい」
SIerによる自動化は、多品種少量生産のこうした課題を解決する鍵となります。
もし、コンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽に株式会社FAプロダクツまでお問い合わせください。関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
目次
1.多品種少量生産とは何か
多品種少量生産とは、多様な製品を少量ずつ生産する方式を指します。一見、非効率に思えるかもしれませんが、多品種少量生産には明確なメリットがあります。
(1)メリット
以下の3つのメリットを活かすことで、企業は競争力を高め、消費者の満足度を向上させることが期待されます。
①市場のニーズに応じた生産が可能
多品種少量生産は、市場の要求に柔軟に対応できるため、カスタマイズニーズの増加に適しています。
②在庫管理が容易
量産方式と比較して、製品の在庫を抑えることができ、在庫管理が容易になります。煩雑な在庫管理を回避することで、品質事故の予防に効果的です。
③製品の多様性が向上
多品種少量生産によって、新しい製品や技術の導入や試験的な製品の生産が容易になります。これにより、市場の変動や新しいトレンドに迅速に対応することも可能です。
(2)デメリット
①生産効率が下がる可能性
製品のバリエーションが増えることで、生産ラインの設定変更が頻繁に必要となり、生産効率が下がることが考えられます。
②需要予測の難しさ
品種が多いため、どの品種の需要が高まるのか、予測が難しくなります。
これらのデメリットは、経験豊富で優秀なSierによって最小化することが可能です。
2.多品種少量生産の自動化事例
多品種少量生産は生産効率が下がるというデメリットを内包していますが、効果的な自動化を行うことは十分可能です。以下、成功した事例を2つ紹介します。
(1)ジャスト・イン・タイム生産方式(トヨタ自動車株式会社)
①ジャスト・イン・タイム生産方式とは
トヨタ自動車株式会社はジャスト・イン・タイム(JIT)という独自の生産方式を開発し、世界中の製造業に多大な影響を与えています。
伝統的な大量生産方式では、大量の部品や商品を一度に製造し、在庫として保持するため、資金を大量の在庫に縛り付ける問題がありました。また、市場の動向や消費者の要求に迅速に対応するのが難しく、過剰在庫や品質問題が発生するリスクが高まりました。
それらの問題やリスクを解決するために、必要な部品を必要な時に、必要な量だけ製造・供給することで、無駄を極力排除し、生産効率を極大化することを目指してJIT生産方式が開発されました。
②JIT(ジャスト・イン・タイム)の導入と効果
JIT生産方式が導入されると、部品の製造や組み立ては実際の注文に基づき、必要な時に行われるようになりました。
生産過程における無駄が大幅に削減され、生産効率と製品の品質が向上し、在庫コストの削減にも効果がありました。。
市場の動きや消費者のニーズにも迅速に対応できるようになり、顧客満足度の向上にも寄与しています。
また、JIT生産方式の導入によって単に部品の供給タイミングを最適化できるようになっただけでなく、生産現場の作業者の役割や責任も大きく変わりました。作業者は、より多くの判断や裁量を持つようになり、その結果、生産現場のモチベーションや職場の雰囲気も向上しています。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=oB_ywllmjpE
(2)手組み混流セル生産ライン半自動化(オムロン株式会社)
オムロン草津工場は、制御関連製品の多品種少量生産に特化しています。そのため、生産形態は頻繁な需要変動に対応しながら、高効率かつタイムリーな生産を求められます。
①オムロンの多品種少量生産の課題と解決策
制御製品の生産は顧客ニーズや利用環境によって製品の仕様が多様化しており、完全な自動化には高い設備投資が必要です。また、バリエーション豊かな顧客ニーズに応え続けるための効果的な生産ラインの構築が求められていました。
そこでオムロンは、インダストリアル・エンジニアリングの技術を駆使して、作業分析を行い、人と機械の最適な協調を実現する“半自動化”を導入しました。具体的には、10工程の中で6工程を自動化。部品供給や機能検査の工程が特に自動化の投資効果が高いことが確認されました。
②効果
この新しい生産方式の導入により、全工程の約50%を1/10のコストで自動化することができました。結果として、製品1台の組立時間が5分から2.5分に短縮され、生産性は200%以上向上しました。
オムロンのアプローチは、機械を主役とするのではなく、人を中心とした生産活動を実現することにあります。機械は人のサポート役として、生産性や品質を向上させる手段として導入されています。
参考動画
オムロン モバイルロボット活用事例(綾部/草津工場)
引用:https://www.youtube.com/watch?v=KMVVSVzoUgU
3.多品種少量生産に活用できる自動化手法
多品種少量生産は、顧客の個別のニーズや要望に柔軟に応えることを目的として多くの種類の製品を少ない量だけ生産しますが、従来の大量生産とは異なり、生産ラインの頻繁な変更や調整が求められます。
これに適した自動化手法の導入は製造業にとっての大きな課題となっています。
(1)装置のモジュール化
製造現場における生産技術者の負担が増加している背景には、短納期化、業者の多様性、相見積もりによる遅延、共通項の統一化の不足、毎年の設備変更や過剰品質を求める風潮など、多くの要因が絡みます。これらの課題に対応するための効果的なソリューションとして「モジュール化」は欠かせません。
①モジュール化とは?
モジュール化は、顧客からの要望に基づき新しい製品を設計する際、既存のユニット・部品・技術情報から適切なものを選定し、それを基に開発する手法です。
モジュール化の最終的な目的は、スマートファクトリーの実現にあり、設計の標準化を通じてシステムの多様性を確保します。
また、部品同士の調整が不要なモジュール化は、コスト削減も実現します。
②メリット
システムの多様性
共通の設計を標準化することで、各部品やユニットの様々な組み合わせが可能となります。これにより、より柔軟なシステム構築が可能となります。
コスト削減
モジュールは交換可能な構成単位となっており、部品同士の調整が不要です。このため、製造や維持のコストが大きく削減されます。
効率的な設計
予め準備されたモジュールを用いることで、製品の設計や開発が迅速に進められます。
③デメリット
初期投資が必要
モジュールの標準化やデータベースの構築には、初期投資が必要です。
柔軟性の制限
あまりにも細かいモジュール化は製品の柔軟性を制限する可能性があるため、バランスが重要です。この2つのデメリットは、最適化を知り尽くしたSIerなら最小化できます。
先に記述した3つのメリット「システムの多様性、コスト削減、効率的な設計」がデメリット以上の成果をもたらすでしょう。
(2)組み立て作業支援棚
引用:https://youtu.be/I-QKWnpb4WM
①組み立て作業支援棚とは
組み立て作業支援棚は、デジタル技術を活用して作業者の組み立て作業をサポートするシステムです。パソコンで作成した作業指示書をもとに、プロジェクターとセンサーを活用して、作業手順を視覚的に指示することができます。このシステムは、教育の手間を削減し、作業のミスを減少させるための有力な手段となっています。
②メリット
直感的な操作
新しい作業者でも教育の少ない中で、正確な組み立て作業が可能になります。テキストで起きやすい受け取り側の誤解などを防げます。
カスタマイズ性
作業の注意点や組み立て動画の表示など、用途に合わせて様々なカスタマイズが実現できます。
ポカミスの防止
間違った作業をした場合、作業者に直ちにフィードバックが与えられ、品質の向上が期待できます。
製造業における組み立て作業の効率化やデジタル化(DX)は、現代の製造業において欠かせないキーワードとなっています。その背景として、多品種少量生産の増加や作業者の教育、品質向上の要求など、多岐にわたる課題が挙がります。これらの課題に取り組むためのソリューションとして「組み立て作業支援棚」は大きな効果をもたらすでしょう。
4.多品種少量生産の自動化相談は株式会社FAプロダクツへ
多品種少量生産の利点やデメリット、そしてその効率化を実現するための自動化や、成果を上げた事例をご紹介いたしました。株式会社FAプロダクツでは、モジュール化やFMSの導入により、多くのお客様に最適なソリューションを提供しております。
導入する際は不安もあり迷うこともあるでしょう。
多品種少量生産化を検討する際の疑問や質問等がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
株式会社FAプロダクツは、スマートファクトリーとスマートエネルギーを核とする未来志向の企業として、多品種少量生産の自動化に関する専門的な相談をお受けしています。
また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。
【ポンチ絵とお見積りのサンプル】
テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。
業界最大級の画像処理検証施設を開設!
「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
会社概要
名称:株式会社FAプロダクツ
英文表記:FA Products Inc.
所在地:東京都港区新橋5丁目35番10号 新橋アネックス2階
設立:2011年8月
代表者:代表取締役社長 貴田 義和
資本金:9,250万円
従業員数:232名(2023年5月31日現在)
事業内容
1.スマートファクトリー実現における総合支援
デジタルファクトリー構想設計やデジタルシミュレーション構築などを行っています。
2.スマートエネルギー実現における総合支援
再生可能エネルギー発電所の物件販売やエネルギーの販売などを展開しています。
企業のビジョン
「つなげる」ことにより、これまでになかった価値を未来へ。FAプロダクツが提供するのは、様々な最新技術やステークホルダーとの繋がりによって生み出す新しい価値です。特に製造現場からオフィスまでのDXをワンストップで支援するコンソーシアム「Team Cross FA」は、私たちのソリューションのコアとなっています。再生可能エネルギーの活用と機械設備・部品レベルまで細分化されたエネルギーの最適化を通じて、豊かで地球に優しい未来を築いていきます。皆様の製造現場の課題や多品種少量生産の自動化に関するご相談、お待ちしております。
(1)モジュール化の資料ダウンロード
FAプロダクツのホームページから、少量多品種生産に効果的なFMSについてFA装置メーカーが解説した資料「とにかく成果がでるFMSのすすめ」をダウンロードできます。
FMSとは、フレキシブル生産システム(Flexible Manufacturing System)の略です。
この言葉は現代の製造業において欠かせないキーワードとなってきましたが、いまだに認知が不十分であり、多くの方に対してその真の価値や機能、そして導入のメリットやデメリットが知られておりません。
ここでは弊社が提供しておりますモジュール化の資料概要をご紹介いたします。
1. FMSの仕組みとは?
FMSとは、1つの生産ラインで複数の製品を柔軟に製造できる生産システムのことです。その大きな特徴として、全工程の自動化や生産ラインの柔軟性、生産状況の可視化などが挙げられます。
2. FMS導入のメリット
・危険な作業の排除による安全性の向上
・作業時間の短縮と生産性の向上
・人に依存しない品質の安定化
3. FMS導入のデメリットとその解消方法
導入に伴う初期投資のコストや、専門的な知識が必要な点などが挙げられますが、これらのデメリットも適切な方法で解消できます。
本資料では、これらの内容を詳細に記述しております。FMSの導入事例では、実際の事例をもとに効果金額も明確に記載してあります。FMS導入をご検討の方にとっては必見の内容です。
FMSの導入を検討中の企業様、生産性向上やコスト削減を目指す企業様は、是非ともこの機会に詳細な資料を手に取って、その価値をご確認ください。
ダウンロードはこちらからどうぞ
また、FMSについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考になさってください。