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食品工場で活躍する産業用ロボットとは?種類や最新技術を紹介

自動車や電機製品の大規模工場では欠かせない存在となっている産業用ロボット。
昨今は私たちが日々口にするお菓子や総菜といった食品の工場にも、活躍の場が広がっています。

従来、食品は軟らかくロボットが扱いにくい製品が多いため製造の自動化が進んでいませんでしたが、ロボット本体や治工具などの進化により、適用例が増えてきました。
地方を中心に人手不足に悩む食品事業者が数多く存在する中、課題解決に向けた“救世主”としてロボットに期待がかかっています。

1.仕分け用ロボット(パラレルリンクロボット)

図4 パラレルリンクロボットの動作イメージ

食品工場におけるロボットの用途として、代表的なのが製品の仕分け作業です。ピッキングとも呼ばれます。
ベルトコンベヤーでランダムに流れてくる製品を、ロボットが腕(アーム)の先端で次から次へと吸着し、整列していきます。
製品はたいてい、次工程で専用の自動機によって箱詰めや包装がなされます。
つまり、箱詰め機や包装機に製品をセットする上での“下準備”をロボットが担うわけです。

これまで、こうした作業はアルバイトやパートなどの従業員が主に担っていました。
しかし人手不足が深刻化し、生産性向上も迫られる中、自動化に踏み切る工場が増えています。
最近では、製品を整列するだけでなく、トレーや箱へのセットなど次工程の一部まで担うロボットシステムも実用化されてきました。
物体を認識するビジョンセンターの性能向上や低価格化などによって、高度な作業が実現しています。

このような仕分け作業では、上方に吊るされる形式で高速動作を得意とするパラレルリンクロボットが広く使われています。
3つのモーターを用い、並列に配置した3軸を動かし位置制御する仕組みが主流で、デルタ型ロボットとも呼ばれます。
代表的な食品の自動仕分けラインでは、同ロボットが上から製品を吸着し、目にも止まらぬ速さで適切な位置に配置していきます。

2.荷積み用ロボット(パレタイジングロボット)

食品工場において、仕分けと並び多く使われる用途が、製品出荷前の荷積み作業です。
キログラム単位の段ボール箱や袋などを動かす作業であるため、現場作業者への負担は重く、ロボットにとっては“活躍しがいのある場”といえます。

荷積み作業では、主に可搬質量50キログラム以上の垂直多関節ロボットが使われます。
仕分けと比べ精密さや高速さが必要ない半面、重量物を軽々と持ち上げて動かすパワーが求められます。
動作の自由度は一般的な垂直多関節ロボットほど必要でないため、軸数は通常より少ない4-5軸程度が採用されることが多いようです。荷積み用ロボットは一般にパレタイジングロボットと呼ばれます。

ところで食品工場では、衛生面への対応が欠かせません。特に昨今は異物混入対策などへの社会的要請が厳しくなり、食品メーカーは神経を使わざるを得なくなっています。
ロボットメーカー各社はそのようなニーズに応えるべく、食品工場向けの製品をラインアップしています。
例えば、潤滑用のグリースを食品由来にしたり、防滴仕様にして洗浄可能にしたりするなど、さまざまな工夫を凝らしています。

したがって、ロボット導入に関する衛生面でのハードルは低くなっています。逆に昨今は異物混入対策としてロボットを導入する例もあるほどです。
ロボットは人的ミスのリスクがなく、また万が一問題が起きても原因究明がしやすいからです。

3.人と協働するロボット

ロボットSIerとは?

食品工場向けでは、新種のロボットとして「人と協働できるロボット」も注目されています。
上に紹介した従来型のロボットはいずれも、安全確保のため作業者と隔離された空間で動作することを前提としており、「人と協働」はできません。
産業用ロボットは人に似た動作ができる半面、人よりはるかに大きな力を持ち、適切なリスク管理をしないと思わぬ事故を誘発し得るからです。

他方で人と協働できるロボット、いわゆる「協働ロボット」は、作業者の隣でも稼働できるよう安全面の配慮がなされています。
例えば代表的なロボットメーカーのファナックは、2015年から協働ロボット「CRシリーズ」をラインアップしています。
同シリーズのロボットは、人などと接触すると自動で停止する機能を備えています。このため、人の立ち並ぶ仕分けラインに設置するなど、従来より自由な活用が可能になります。

ある食品メーカーの経営者は、「欠員が出た時にすぐヘルプに入れるロボットがほしい」といいます。
納品計画はタイトに設定されている一方、生産を支える従業員は生身の人間であるがゆえ、欠勤リスクもゼロではないためです。
こうしたニーズに対し、協働ロボットはフィットする存在といえます。従来型のロボットのように、作業場を隔離するため安全柵などを設ける必要がないからです。
ファナックをはじめ、昨今多くのロボットメーカーが協働ロボットを製品化していますが、その中の多くがキャスターやAGV(無人搬送車)などで容易に移設できる仕様になっています。

4.広がるロボットの用途

仕分けや荷積みに加え、近年は食品工場におけるロボットの新たな活用法が提案され始めています。
ファナックと同じくロボット大手の川崎重工業は、協働ロボット「デュアロ」を用い、ピザ生地にソースを塗る作業の自動化を実現しています。
このシステムでは、コンベヤー上を流れてくる生地に対し、デュアロが右腕でソースを吹き付け、左腕でまんべんなく塗布していきます。

これまでロボットがあまり得意としてこなかった軟らかい食材を扱う作業という意味で、挑戦的な試みといえます。
また、扱う対象が包装前の食材であることも、新しい点です。上に述べた衛生面の配慮により実現しているシステムとも位置付けられます。

こうした実際の調理に近い仕事は、ロボット導入が先行している仕分けや荷積みに比べ、今でも大部分が人力で行われているのが実情です。
理由は、これまでロボットにとって難易度が高かったためですが、このシステムが示すように供給側の工夫により徐々に自動化が可能になっています。
そして、足下で人手に頼っているからこそロボット導入の余地があり、今後加速度的に普及する可能性を秘めています。

このシステムで重要な役割を演じているのが、ロボットのアームの先端に取り付けられた治工具です。
通常、用途に応じてこうした治工具が設計・製作され、ロボットの活躍に一役買うことになります。
前述した仕分けや荷積み作業の場合、製品を吸着する器具がそれにあたります。あるロボットユーザーは、「ロボット本体より治工具の性能の方が我々にとって重要」と言い切ります。

5.ロボット導入で活躍するSIer

このような治工具を作ったり、ロボット本体と組み合わせてシステムにしたりするのが、ロボットシステムインテグレータ(SIer)です。
上記のユーザーのコメントからも分かる通り、産業用ロボットは治工具と組み合わさりシステムになって初めて価値を発揮するため、SIerは非常に重要な役割を担います。
工場の自動化を支える縁の下の力持ちといったところでしょうか。

食品分野は需要拡大が見込めるため、SIer各社は同分野に合わせたシステムの提案を強化しています。
アジア最大級の「食」の総合トレードショー「FOOMA JAPAN」。2019年7月に東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた最新回には、数多くのロボットSIerが参加し、自社の技術をアピールしました。

中でも注目を浴びたのが、SIerのロボコムとオフィスエフエイ・コムがAI研究で知られる東京大学・松尾研究室と共同開発したキャベツの定量盛り付けシステムです。
千切りキャベツはロボットにとって扱いにくく従来盛り付けの自動化は困難でしたが、このシステムではAI技術の一種「強化学習」を用い、アーム先端でロボットの“手”となるロボットハンドの制御を最適化しています。

AIがキャベツの適切なつかみ方や量を“学習”するため、作業が進むたびに精度が改善するのが特徴です。
最初はキャベツをつかむことすらできないのに、学習する度に作業の質が向上していく様は、人が仕事を覚える過程を想起させます。

このように、ロボットSIerは食品工場の人手不足解消に寄与するのみならず、ロボットの新たな可能性を切り拓く存在といえます。最後に代表的なSIerを以下に記しておきます。

◆日本サポートシステム株式会社

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依頼主の生産方式と生産計画などの情報をもとにシミュレーションを実施。さらに、10,000以上の自動機・生産設備の製造実績と経験から、生産現場に最適なプランを導き出します。

【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

省力化やロボットを活用した事例を業界ごとに掲載しています。
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