印刷の検査装置導入はメリット満載!仕組みからわかる自動化
印刷検査は、印刷の品質を保つための核となる工程です。
しかし、印刷そのものに比べ、印刷検査はしっかりと行わなくとも製品が作れるため、あまり人手をかけていないケースが散見されます。とりわけ人手不足に悩む企業だと、それに当てはまることが少なくありません。
とはいえ、できれば品質に関するトラブルは、製造業としては避けたいもの……。
そこで、こちらで、自動印刷検査に関する情報をまとめました。自動印刷検査ができる装置をスムーズに導入したいときに役立つ内容となっていますので、検討している方はぜひ参考にしてください。
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目次
1.印刷検査とは
印刷検査とは、印刷物の検査を行う工程です。印刷された印刷物がしっかりと印刷できているか、かすれや色のばらつきはないかということのチェックを行っています。以下で詳しく説明していきます。
(1)印刷検査の目的
印刷検査を行う目的は印刷の品質を保つことです。
印刷工程は、紙などの繊細な素材に同じく繊細な液物であるインクを刷る工程なので、品質のばらつきが多い業界と言えます。作業ミスはもちろん、その日の湿度や気温などによるパラメータによっても品質が変わりやすいからです。代表的な不良で、以下のような不良があります。
- 印刷物の色のばらつき
- 文字や絵の欠損
- 裏表の違い
- しわなどが入っている
(2)印刷検査の種類
印刷検査には以下のような種類があります。
①刷り出し検査
刷り出し印刷とは、本番印刷の前に、色や濃淡の調整のために試しに印刷する工程のことを言います。1枚目で印刷品質がバッチリなことはほとんどなく、数十枚から数百枚の単位で印刷を行い、調整を行っていきます。印刷して検査、調整の流れで繰り返し作業を行っているので、刷り出し印刷の検査は、擦り出し印刷工程と一体となっていると言っていいでしょう。
②抜き取り検査
抜き取り検査は、本印刷された用紙が印刷されいる途中で、1枚だけ抜き取って検査する検査です。抜き取りは定期的に行い、間隔は製造現場によって異なりますが数十枚から数千枚とされています。
印刷は、一つ不良が出ると、前後で同じ不良が大量に発生する性質を持っています。そのため、抜き取り検査を行わないと不良状態の印刷物がそれこそ何千枚と印刷されることとなり、利益に大幅な損失を与えることになってしまいますので、抜き取り検査は非常に重要です。
2.自動印刷検査装置導入の仕組みとメリット
前項で触れた通り、印刷検査はとても重要な工程です。印刷は古い技術なので、従来この検査は全て人手による目視検査で行われていました。
しかし、人手による目視検査には、以下のような問題があります。
- 目視検査の精度に作業者間でばらつきがあり、一定品質が維持できない
- 作業者の養成に時間がかかり、急な増産に対応できない
- 工程に時間がかかり、人件費が高額になりやすい
- 検査結果を残せないのでミスをトレースできず、作業品質が上がらない
このような問題を解決する手段として、自動印刷検査装置(以下、印刷検査装置)が大きな力を発揮します。この章では、印刷検査装置がどのようなものなのかを掴んでいただくために、仕組みやメリット、種類についてご紹介します。
(1)自動印刷検査装置の仕組み
印刷検査装置は他の多くの検査装置と同じく、カメラによる撮像で検査を行います。基本的には置き台においた印刷物に光を当ててカメラで撮像し、予め撮影しておいたデータと比べて良否判定を行います。
ただ、他の製品の検査装置と少し異なるのは、ラインスキャン方式である点です。これは、コピー機の動きを想像していただけると分かりやすいのですが、印刷物の端から線で掻くようにスキャンを行う方法を指します。図で表すと以下のようになります。
また、下記動画では、実際に検査する様子を見ることができます。
(2)自動印刷検査装置のメリット
印刷検査装置は、上記のような仕組みから、さまざまなメリットがあります。
- 検査レシピを作成することで検査品質を簡単に維持できる
- 装置を増設すれば、検査能力をすぐに増やせる
- 人件費が必要ない
- 検査結果をサーバに保存することで、フィードバックできる
このように、印刷検査装置は、従来の目視検査にありがちだった問題の解決に寄与します。
また、印刷検査装置では近年、ディープラーニングや、AI分析などの技術の導入が進んでいます。
これまでは、熟練の作業者による検査のほうが装置よりやや上回っているという見方が有力でした。印刷検査装置は事前に制作されたプログラムに従ってしか検査を行うことができず、滅多に出現しない不良などに対応できなかったからです。
しかし、これからは装置自身が学習してプログラムを改善するシステムが構築されることで、この差は縮まっていくと考えられています。印刷検査装置を導入するメリットは、ますます強まっていくと言えるでしょう。
(3)印刷検査装置の種類
続いて、印刷検査装置の種類を紹介します。
①オフライン刷り出し・抜き取り検査装置
オフラインで刷り出し検査・抜き取り検査を行うための検査装置です。スタンドアローン型で、人手にて印刷物をセット・スキャンすることで、検査を行います。
後述するインライン型検査装置に比べると、人手での工程が追加されている分、自動化のメリットを少ないように見えるかもしれません。ただ、その分コストが安く、すぐに導入できるメリットがあります。
②オンライン枚葉検査装置
枚葉印刷とは、一枚一枚決まったサイズに裁断された印刷前のワークに印刷していく印刷方式で、ロールのまま印刷する輪転印刷と対になります。
オンライン枚葉検査装置はこの印刷された一枚一枚を全て検査していきます。オンラインの名の通り、印刷機に直接検査装置が取り付けられており、印刷すると同時に検査も終わっているのが特徴です。全数検査するため、一定の品質を全ての印刷物に不要することがメリットです。
デメリットとして大掛かりな装置であることが多いため、価格帯は高めになります。導入の際には全数検査のメリットを定量的に計算して、慎重に検討するべきでしょう。
3.自動印刷検査装置の代表的なメーカと主力製品
ここまで、印刷検査装置の概要を説明してきました。人手不足に悩んでいるのであれば、検討して損はないことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
では、次に印刷検査装置を開発している代表的なメーカと、その主力製品についてご紹介します。
(1)ウェブテック株式会社
1990年創業のウェブテック株式会社。同社が開発する印刷検査装置は、独自の検査アルゴリズムによって、目視では見逃してしまうようなピンホールなど微細な不良や色ムラを発見してくれるのが特徴です。特に同社のオンライン枚葉検査装置であるSENSAIシリーズは導入実績が多く、生産性が上がるとの報告が数多く寄せられています。印刷検査装置の導入時は、まず検討したいメーカと言っていいでしょう。
(2)ジグス株式会社
ジグス株式会社は2010年創業のまだ新しい会社ですが、大手印刷会社をはじめ、さまざまな現場への導入実績があります。印刷検査装置のバリュエーションが豊富で、他社にはない製品も数多くあるのも魅力です。また、たとえばオフライン枚葉検査装置であるQualifierは、咥え側で用紙を揃えられる「フロント・トゥルーアップ」機能を備えているなど、各製品に検査以外の細かい機能が用意されているのも特徴としてあげられるでしょう。
(3)ダックエンジニアリング株式会社
ダックエンジニアリング株式会社は、1974年設立で従業員数104人の比較的規模の大きな会社です。
特徴は、紙の印刷物だけではなく、食品のラベルなどの印刷物の印刷検査装置も製作しているところ。たとえば、同社のTrinity TLC401/401Bは、ブランクス検査装置として、食品や医薬品などラベルとして形成される前のブランク状態の印刷物を検査できます。紙以外の印刷物の検査を検討しているなら、検討したいメーカです。
4.印刷検査に関するご相談はFAプロダクツへ
印刷は、非常に繊細な工程を要求されるため、不良率も高く、他業界よりも検査工程が重要な業界です。人手の目視検査にはどうしても限界を感じたら、自動検査への移行を検討してはいかがでしょうか。
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