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生産設備に関する記事

製造業とAIの組み合わせ方│導入に必要な知識を徹底解説

製造業へのAI導入は、徐々に進んできていて成功例も多くあります。しかし、導入に踏み切れずまだ検討段階で足踏みしている企業が多いのが現状です。

その原因としては、AIを導入することによって「何ができるかよくわからない」、「もし導入したとしてもうまく使いこなせないかもしれない」、「AIを導入したいがどうすればいいかわからない……」といったことがあるのではないでしょうか。

この記事では製造業とAIの「今」と「これから」や、AIを導入するために必要な人材やチーム、ステップを解説していきます。

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1.製造業とAIの「今」

(1)AIを導入するメリット

今、多くの製造業の企業で製造の課題を解決するために、AIを導入するか検討されています。まず、AIを導入することで得られるメリットをご紹介していきます。

労働力不足の解消

少子高齢化の影響で労働力不足が深刻化していますが、AIを導入することで労働力不足を解消できます。たとえば、外観検査業を10人で作業していたところを、エッジAIを利用してリアルタイムでの異常検知・物体検知・分類を可能にし、3人に省人化できた事例があります。

また、省人化や無人化によって、今まで作業していた人材を別の工程に配置できるため、人件費の削減人材の適切な配置も可能となります。

生産性の改善

製品を製造する工場では多くの人員が作業するので、一人ひとりが違った作業をしないように、作業手順書などの厳格なマニュアルがあります。しかし、中にはマニュアルを守らない・うっかり手順を抜かすなどで不具合品が発生する場合があります。

一方、AIを導入すれば、全従業員の作業状況を可視化し、異常があれば検知したり生産性を分析したりなどが可能です。ヒューマンエラーによる不具合品の発生を未然に防げるようになるので、結果的に生産性の改善が期待できます。また、目視検査のディープラーニングにより、検査工程の自動化や時間や労力の抑制、品質の均質化により品質の向上や安定化も図ることができます。

熟練の技の継承が可能

労働力不足により、ベテランの熟練した技の継承や専門分野での後継者不足が深刻化していますが、AIによって熟練した技などの継承が可能になってきています。たとえば、ベテラン検査員の感覚と感性による良品判定などがそれにあたります。ほかにも、断層画像自動認識システムにより、医師が手作業で判別・分類していたものをAIが自動識別できるようになっている事例もあります。

設備の予防保全

AIを導入することで、設備の予防保全ができます。設備のチョコ停や故障などにより、生産量が増加しない、生産計画通りに生産できないといった問題の解消が可能です。

また、AIは、IoTプラットフォームに蓄積したデータを機械学習し、異常が起因する箇所を推定し前もって設備の故障を予知できます。それによって、設備の稼働率が上昇し生産量の増加や生産計画通りの生産が期待できます。保守コストを削減でき、生産性の向上にもつながるでしょう。

(2)AIを導入した事例

AIを導入することで様々なメリットを得られることがわかりました。では、より具体的にAIを導入することで何ができるのか、AIはどんなことをするのか詳しく知るために、事例をみていきましょう。

山本金属製作所

山本金属製作所は工具の振動計測により折損の予知・検知を行い、熟練工の整備工数50%削減、機械停止による生産ロス50%改善することに成功しました。

AIの役割 工具のリアルタイム計測による寿命・破損検知
規模 中小企業
課題 自社のオペレーション最適化
実施した分析と施策 ・素材や工具、油剤・外部条件等、無数の組み合わせがある切削データを10年以上蓄積・分析
・切削工具のホルダーに熱と振動のセンシング機能・通信機能を追加し、加工状況をリアルタイムに計測
・工具の寿命予測や折損前に生じる異常波形の検知により、自動で工作機械の動作を停止
導入前後のオペレーション変化 ・一定回数・時間使用後に必ず交換していた工具を、個々の工具の状態に基づき適切なタイミングで交換することで、熟練工による工具交換回数減少。予期しない停止を防ぐことで、停止による生産ロス削減
・非熟練工でも難削材の加工が容易になり、定着促進・教育コストの削減
・新素材の加工では、熟練工もセンサーを活用しながら最適な切削を迅速に学習
インパクト ・熟練工の整備工数50%削減
予期せぬ機械停止による生産ロス50%削減
工具使用期間20%延長

(引用:戦略的基盤技術高度化・ 連携支援事業(中小企業のAI 活用促進に関する調査事業)p.41)

温度や湿度、機械の動作音などセンサなしで測定可能なデータと、スピードや圧力、摩擦力などのセンサーを設備・工具に設置することで蓄積したデータを基に異常を検知し、AIによる予知保全プロセスの自動化をしました。

相模屋食料株式会社

相模屋食料株式会社は体感温度等の気象データを需要予測に取り込み、小売店も巻き込むことで需要予測精度をほぼ100%に高め、廃棄ロスを30%削減に成功しました。

AIの役割 気象データを取り込んだ需要予測
規模 中小企業
課題 過剰生産・在庫不足、ノウハウの属人化
実施した分析・施策 各種気象データ(例: 気温、ツイッターにおける「暑い」「寒い」等の気象に関するつぶやきデータ、体感気温) を機械学習により解析し、賞味期限が短い豆腐の需要を予測
 ・豆腐製品の中でも、気候との連動性が高い寄せ豆腐を対象に選定
・ 現場発注担当者も巻き込み、2年かけて「豆腐指数」を開発 
導入前後のオペレーション変化 ベテランが経験則に基づき行っていた需要予測に豆腐指数を組み込み、更に小売店を巻き込むことで予測精度をほぼ100%に高め、バリューチェーン全体として廃棄ロスを削減
・ 導入前は販売実績や天気予報等、取得・分析が容易なデータを基に1人のベテランが発注量予測・生産計画立案していた。現在は、毎日配信される「豆腐指数」を基に、担当者が経験も活かしつつ生産量を決定
 ・小売店からの発注タイミングを1日前倒ししてもらい、受注後に生産(相模屋の需要予測誤差は実質ゼロに。小売店も予測精度は向上し、全体としてロスを大幅に削減)
インパクト ・廃棄ロス30%削減
・作り過ぎによる人件費・光熱費1,000万円/年 削減

(引用:戦略的基盤技術高度化・ 連携支援事業(中小企業のAI 活用促進に関する調査事業)p.42)

位置情報・天候情報などの外部データ分析から過剰在庫や廃棄ロスを減少し、自社売り上げ実績データ・外部データ以外に、一部小売POSデータを活用して精度を向上し、発注作業を自動化しました。

株式会社セイラ

株式会社セイラは製品に付着した極小異物を画像認識技術で検出し、検査所要時間の80%短縮と高い不良品検出率を達成に成功しました。

AIの役割 不良の学習と 外観検査
規模 中小企業
課題 全従業員7人中2人の従業員が検査作業に従事し、作業負荷が課題
実施した分析・施策 良品・不良品の画像データを基に画像認識AIを作成し、製品の良否を判定。不良品検出率100%を達成(良品を不良品と判断する誤答率は29%)
導入前後のオペレーション変化 従来、月8,000個の製品に対し熟練検査員2名が目視検査を行って いたが、AI導入により8割程度の作業負荷軽減が可能。また、作業 負担軽減による検査効率向上や品質向上も見込まれる
・ 月8,000個の全製品をAIが検査し、製品の良否を判定
・ 熟練検査員は、不良品と検出された製品のみを目視で確認(検査 数約7割減)
・ 作業負担軽減により検査効率の向上(約1割)や、品質の担保にも つながる可能性 
インパクト ・検査所要時間を80% 削減
・不良品検出精度は100%

(引用:戦略的基盤技術高度化・ 連携支援事業(中小企業のAI 活用促進に関する調査事業)p.46)

数百枚の正解データなど、限られた量・種類のデータに基づき不良を判断し、検査員の省人化や一部若手社員の業務の効率化や、不良データなどを含めて蓄積することで精度を向上し、プロセスを自動化できました。

(3)AI導入で失敗する理由

AIを導入して様々なメリットを得られている企業が多くある一方、AI導入がなかなかうまく進まない企業も多くあります。

では、なぜAI導入が上手く進まないのでしょうか。ここで、AI導入で失敗する理由をご紹介していきます。

PoCの定義が曖昧なためPoC死する

失敗する理由としてはまず、「PoC死」が挙げられます。PoCとはプルーフ・オブ・コンセプトの略で実証実験をする試作品のことですが、PoCの定義が曖昧なためPoCがうまくいかず、それまで掛かったコストが無駄になることをPoC死といいます。

PoC死しやすいプロジェクトは、AIを導入できそうな作業工程に課題が明確になっていないままPoCを作ってみる、プロジェクトリーダーやAIエンジニア、プランナーとでPoCの定義の擦り合わせができていないままとりあえずPoCを作ってみるなどがあります。

完璧な精度を求め過ぎている

AI導入のプロジェクトに100%の完璧な精度を求め過ぎることも、失敗の理由の一つになります。AIは過去のデータを学習して機械学習のモデルを作るので、過去のデータになかったことは実行できません。ですので、失敗が許されないようなプロセスにはAIを導入するのは難しいと言えます。

製造現場にAIを導入して省人化することはできますが、単調作業を繰り返す工程以外は完全な無人化には至っていないので、プロジェクトを完璧に成功させようとすると失敗することになります。

仮説検証ができていないプロジェクトを始める

仮説検証がしっかりできていないままプロジェクトを始めると、プロジェクトの進行や実用化がなかなか進まず苦労することになります。たとえば、製造機器の予知保全をするときにOKデータばかりでNGデータが極わずかしかなかったり、利益の分析をするときに利益が上がった理由を仮説を立てて説明できなかったりすると、AIは分析できません。

2.製造業とAIの「これから」

(1)AI市場の動向

労働力不足の解消や生産性の向上だけではなく、多くのメリットをもたらしてくれることから、AIの需要は年々急加速に高まってきています。

総務省では、従来人間だけができていた頭脳行動を、機械が代わって行ったり支援したりできつつあり、これにより人間社会に大きな変化が生じると予想しています。また、その変化のことを「ICTインテリジェント化」、そのような能力を発揮する技術やシステムの総体を「インテリジェントICT」と定義しています。

今まで人間がしていた仕事は、今後AIの進化によりインテリジェントICTやロボットなどに代替えが急加速に進んでいく一方で、現時点では存在しない新しい仕事が創り出されると考えられているのです。

人工知能のグローバル市場規模推定は、2015年度では年間約60億ドルだったものが、10年後の2025年度では20倍の年間約1200億ドルになると推定されています。

(引用:アスタミューゼ「asta vision 人工知能」(2015年))

急速に進む少子高齢化の社会で、AIがどのように導入されていくのか、総務省情報通信政策研究所が2016年2月に発表した『ICTインテリジェント化影響評価検討会議 第1回会合 討議用資料3 ICTインテリジェント化の影響』を元にご紹介していきます。

公共分野

・公共インフラ
公共インフラ面では、それに係る需要と供給のデータ収集・分析が常時可能となり、異常気象や災害などの急激な環境変化に瞬時に対応できるとされています。また、設備運用・保全・更新の自動化することで、効率化がますます加速すると予測されています。

・防災
防災面では、災害救助ロボット技術の実用化や、集中豪雨やハリケーンなどの局地的な災害の予測が高性能化が進み、迅速な避難誘導で被害が軽減できると見られています。

・スマートシティ
都市面では、街頭カメラによる高齢者や女性の見守りサービスなどの普及が進みます。都市保全全体の自動化によって、快適・安全・効率的な街の実現が期待されています。

・行政
行政面では、AIによるオープンデータの分析結果を活用することにより水準が向上するとされています。たとえば、画像認識による自動投稿監視システム、施策案の複数提示、期待効果スコアリングの実現などが予想されています。

生活分野

・生活支援(パーソナルアシスト)
生活支援の面で予想されているのは、AIを搭載したインテリジェント住宅の登場、常識を備えた汎用型の執事ロボットや介護・育児のロボットの普及です。これにより、今後人の負担がますます減っていくとされています。また機械翻訳が一般的となり、コミュニケーションコスト軽減の寄与するとも見られています。

・豊かさ創造
豊かさ創造とは、目的以上のものを生み出す創造的な活動や、人と人とのつながりや活動などを対象としたものです。この面においては、今後、たとえば
3Dプリンター等を利用したパーソナルファブリケーションが普及し、ユーザ自身で製品やサービスをカスタマイズするのが当たり前になっていくとされています。またセンサやメディアの発達によって、個人の体験がよりリアルに記録・伝達されるようになり、人とのつながりが質的に変わるとも考えられています。

産業分野

・分野共通(コーポレート業務等)
産業分野においては、まず分野共通の変化として、バックオフィス業務の自動化が進み、AIが個人の単純作業を代行したり一部を決裁したりする未来が訪れると考えられています。

・農林水産
農林水産分野では、ドローンや自動農機による作業効率のアップと収穫量の拡大が期待されています。また近い将来においては、食味をより詳しく分析できるロボットが普及するとも見られています。

・製造業
製造業では、産業用ロボットや工作機械のスマート化で、常に変動する需要に対して最適な供給を行えるだけでなく、多品種変量生産が実現するとされています。また今後、いわゆるカンコツを備えたAIロボットや製品の設計・試作が任せられるAIロボットの導入が進み、2030年頃には製品設計の完全自動化ができると予測されています。

・運輸・物流
2030年頃には自動運転がレベル4に達し、地方に住む高齢者の足として活躍するとされています。2030~2040年の間には、タクシーやバスが無人で運行するのが当たり前に。同時期に、車も個人の所有物ではなくシェアされるものになると見られています。

・卸売、小売
卸売業・小売業では、各顧客の分析・行動予測がますます精緻なものになり、感情データに基づくマーケティングが加速するとされています。消費者のニーズに、よりマッチした広告の配信、「おすすめの商品の提示」が行われることでしょう。

・金融、保険
金融や保険の分野では、精緻なリスク評価ができるようになり、保険の内容や種類が増えると見込まれています。またコストが適正化され、保険対象の市場が拡大するともされています。

・医療、介護
医療や介護の分野でAIがもたらすのは、医療技術の向上による健康寿命の延伸です。がんの自動検出や遺伝子情報に基づく健康管理などが普及することで、着実に健康寿命が伸び、2030年頃にはセカンドキャリア・シニア経済が拡大するとされています。また、AIを用いた
研究論文の自動分析により、新たな研究や製薬会社による新薬開発も加速すると見られています。

・教育
教育分野では、個人の習熟度や能力に応じた支援が加速します。これまでの成績に加え、学習中の表情などから理解度を分析し、ひとりひとりに適したカリキュラムの設計が普及するとされています。

・サービス業
ここでのサービス業は、飲食店やエンタメ、旅行・レジャー、警備・防犯、不動産などが含まれます。この業界において、共通してもたらされるのは単純な作業の自動化です。また、近いうちにAIがコールセンターにおける応答を担ったり、旅行やレジャーなどの手続きを代わりに行ったりすると考えられていて、特に大きく変化する業界と言っていいでしょう。

・建設業
建設業では、
危険作業や苦渋作業が長らく課題としてありました。しかし今後はロボット技術の導入やパワードスーツの実用化、高齢者や女性などでも働く現場に変わっていくと見られています。

(2)AIの進化による製造業の変化

あらゆる分野に導入されていくと考えられているAIですが、今後ますます進化していくAIによって、製造業はどのように変化していくのか解説していきます。

人とロボットの協働

現在先行して、大企業での生産のデジタル化が進んでいますが、近い将来中小企業でも、生産現場のスマート化・インテリジェント化・ネットワーク化が求められます。大企業同様に中小企業でも、積極的なIT投資やソフトウェア技術をグローバルに調達することが必要です。その流れで、各工場において、より進化したAIを搭載したロボットの導入が進むでしょう。

こうしたロボットは省スペースで既存の生産設備と組み合わせて使用でき、操作も容易です。そのため、多くの工場が人とロボットが協働して生産する体制になっていくと考えられます。

製造プロセスの無人化

人と協働して生産していたAIロボットがさらに進化すれば、製造工場は完全無人化になり、超多品種を圧倒的な低コストで生産できるようになります。

また、IoTの導入が進むと、製造現場のデジタルツイン(サイバー空間内に現場を複製する技術)と人間の知恵を組み合わせたオペレーションが可能になります。そこでAIロボットが自動化になれば、デジタルツインに対する情報処理の結果を、自動的に実際の製造現場のオペレーションに反映できるようになる可能性もあります。

製造現場はITサービスの対象となり、サイバー空間のビッグデータをAIが分析することにより、様々な分野の産業とつながることになるのです。

(3)変化していく製造業の課題

製造業では、AIの導入や進化のほかに、IoTや5Gの導入により工場のスマートファクトリー化が進んでいくと見られています。しかし、どの製造工場も、必ずしもスムーズに移行できるわけではありません。この変化の中で、製造業が一般的に抱えやすい課題について解説します。

AI人材の不足

今後AI市場は急加速に成長するとみられていますが、少子高齢化の影響もあり、AI人材が大幅に不足しています。経済産業省では、AI人材のほかにIoTやビッグデータを扱う人材を総称してIT人材としていますが、そのIT人材の不足が現状の約17万人から2030年には約79万人に拡大すると予測しています。

そのため、AIを活用した第四次産業革命の担い手となる高度なIT人材の育成が急務となっています。

米国や中国の企業等で覇権争いが激しくなっている中で、日本では後れをとっているため、内閣府は、「数理・データサイエンス・AI」に求められる力を、小中学校から身につけさせる長期的な教育を組み立てる必要があるとしています

(参考:AI戦略(人材育成関連)p.1)

②材料費の高騰と需要の急増への対応

経済産業省によれば、ものづくりの材料のうち化石燃料やレアメタルなどは今後価格が上昇すると考えられています。一方で、アジアやアフリカなどの国々が経済成長を遂げることで、汎用品への需要が急激に高まると予想されています。

そのため、「いかに材料を安く調達するか」「いかに代替材料を活用するか」が生産力を維持する鍵となります。製造業は、設計技術の見直し、新たなサプライチェーン(原材料の調達から、製造した商品が消費者に届くまでの一連の流れ)の構築が迫られているのです。

(参考:「 2040年のものづくりの未来の姿 」 〜 時流に先んじた戦略⽴案に向けて 〜 2040年ものづくり未来洞察調査(概要版)p.12)

3.AI導入に必要な人材やチーム・ステップ

(1)AI導入に必要な人材やチーム

AIを導入するためにはまず、AI導入に必要な人材やチームの選定をすることが重要です。しかし、そうはいっても初めてAIを導入する場合は、どんな人材やチームがAI導入に適しているのかわからないのではないでしょうか。

そこで、AI導入に必要な人材やチームはどのように選定すればいいのか詳しくみていきます。

AI導入に必要な人材

AI導入で求められる能力は、場面によってさまざまです。たとえば、AIの企画や設計の場面では、AIを使用する対象を的確に選定してシステムをデザインすることが重要なため、「企画発想力」「創造力」などが要求されます。また、アルゴリズムを設計・開発する場面では「情報収集能力」「議題解決能力」の高さが重要となります。

一方、AIに関する深い知識だけでなく、「対人関係能力」も実は欠かせません。AIを運用する際には、異なる組織の間に入り、それぞれの意向を調整するために密にコミュニケーションを取らなければならないからです。また、不正利用を抑止する意味で、「倫理観」「正義感」といった資質を持ち合わせていることが望ましいとされています。

(参考:ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究p43)

AI導入チームの結成

AIの導入を成功させるためにはチームの結成も重要になります。チームにはAIを導入する専門部門だけではなく、実運用部門など他の関連部門を必ず加えるようにしましょう。AI専門部門だけでプロジェクトを進行していくと、他の部門の賛同を得られずに失敗する企業があります。

【AI導入チームの構成】

プロジェクトオーナー 事業判断を行う役割
プロジェクトリーダー 開発をリードする役割
AIプランナー プロジェクトを進行する役割
データサイエンティスト 開発や分析をする役割
製造現場の担当者 業務を遂行する役割

Aiを導入するためには、このようなチーム構成が必要ですが、各ポジションの役割を担当する人材が不足していたら、AIの導入をサポートしてくれるAIベンダーに相談してみるとよいでしょう。

(2)AI導入に必要なステップ

AI導入チームを結成してもまず何をすればいいのかわからない……。そうならないためにもAIを導入するために必要なステップを解説していきます。

構想

  1. 構想段階ではまず、自社が抱える経営上や業務上の課題を抽出します。
  2. 抽出した課題がAIを導入することで解決できる課題なのか、AIを導入せずに解決できる課題なのか仕分けします。
  3. AIで解決できる課題に、AIを活用できるデータがあるか、もしない場合はデータを取得することが可能か判断し、テーマを選定します。

PoC

  1. AIを活用するために、PCLのデータやセンサーデータ、手動測定データを数か月分~数年分取得します。
  2. 製造現場の担当者がどのように生産などの業務を遂行しているかヒアリングし、データと実際の業務から最適なAI分析手法を検討します。
  3. データ分析を行い、その結果を受けて、データ取得・分析を繰り返しAIモデルの選定をします。
  4. アルファ版AIモデルを作成し、製造現場で試験的に運用します。
  5. 製造現場での知識や作業手順などを基に、パラメータを再チューニングしてAIモデルの精度を向上させます。

開発

  1. AIモデルを実開発し、実際の製造現場に設置して、実環境での精度検証を行います。
  2. 精度検証の結果を踏まえて、技術的な実現性・課題解決への有効性・コストに見合った運用ができるか評価します。
  3. 評価次第では、データの取得や分析のステップに戻る必要があります。

実運用

  1. 必要に応じて見直したAIを本格的に運用します。
  2. 実運用中に新しく得たデータを再学習して、AIの精度を改善し高度化を図ります。

4.AI導入におすすめのメーカー・ロボットシステムインテグレータ4選

最後にAI導入におすすめのメーカー・ロボットシステムインテグレータを4社紹介します。

株式会社FAプロダクツ

【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。

また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。

【ポンチ絵とお見積りのサンプル】

テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。

また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。

業界最大級の画像処理検証施設を開設!

「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。

【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/

【営業品目】

  • 産業用ロボット
  • 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
  • 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
  • 治具の設計・製作

【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

株式会社スカイディスク

【特徴】
株式会社スカイディスクは、Sky AIと呼ばれる製造業向けのAIサービスを提供しています。独自に開発したデータ整形・解析モジュール(前処理モジュールライブラリ)、AI学習モデルライブラリを活用します。ライブラリから顧客の課題や要件にあったものを選定し、精度の高い判定結果で生産性の向上や工数の削減を実現しています。

【所在地】
福岡県福岡市中央区舞鶴2-3-6 赤坂プライムビル4F
TEL.0120-29-1331
https://skydisc.jp/

株式会社グリッド

【特徴】
株式会社グリッドの事業内容は、人工知能を用いたコンピュータシステム・アプリケーション及びコンピュータシステム・都市インフラソリューションのシステムの開発・販売・コンサルティング業務及び、太陽光発電システムの保守です。また、サプライチェーン最適化ソリューションや人工知能で電力ネットワークを最適化のプロジェクトも行っています。

【所在地】
東京都港区北青山3-11-7 Aoビル6F
https://gridpredict.jp/

株式会社マクニカ

【特徴】
株式会社マクニカは、センサーやプロセッサーなど、最先端テクノロジーへの高い見識・ノウハウをもち、製造工場のデジタル化・スマート化を推進しています。AI活用に不可欠な調査から仮説・検証、実装、運用までの一連の流れを提供します。

【所在地】
神奈川県横浜市港北区新横浜1-6-3 マクニカ第1ビル
TEL.045-470-9870
https://www.macnica.co.jp/

5.AI導入に関するご相談はFAプロダクツ

AIの導入は、人間がしていた仕事の代替えや、政府が推進するスマートファクトリー化のためには必要不可欠です。

しかし、自社にAI人材がいない、AIロボットを導入しても課題を解決できるかわからない、などの不安があると思い切った決断がしにくいものでしょう。

もし、AIロボット導入でお悩みでしたら、年間200台もの実績があるFAプロダクツにお問合せください。実績と経験に基づいたノウハウでAIロボットの導入をサポートいたします。

関東最大級のロボットシステムインテグレーター 生産設備の設計から製造ならお任せください

050-1743-0310 営業時間:平日9:00-18:00

つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317