
産業用カメラの主要メーカ3選!選び方や導入メリットも解説
産業用カメラは、FAなどの分野で画像処理による検査に対応したカメラを指します。そして撮影の基準位置に設置することで安定した画像出力を行える装置です。利用目的に合わせたレンズマウント、イメージセンサなどの組み合わせで、最適な検査環境を構築することができるのが特徴です。
しかし、産業用カメラはさまざまなメーカから販売されており、何を選んだらいいのか悩ましいものです。そこでこの記事では、産業用カメラを選ぶ時のポイントと主要メーカの取り扱い製品を紹介し、産業用カメラで生産性を上げるポイントについて解説していきます。
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目次
1.産業用カメラの選び方
産業用カメラを選ぶ際は、次に挙げる項目に注目して選びましょう。
(1)撮影対象の形状
まずチェックしておきたいのは撮影対象の形状です。この形状によって、導入する産業用カメラの選択肢に影響が出てきます。
産業用カメラの種類は大きく分けると、エリアカメラとラインセンサカメラがあります。
エリアカメラは人の視野と同じように面で対象物を捉えることが得意なカメラです。特徴としては、対象物を静止させて撮影することができるので基準位置から大きくズレる要素を少なくできます。しかしカメラを複数台用意して撮影しなければならない場合は、視野割り当てといった繁雑な調整作業が必要になります。
ラインセンサカメラはエリアカメラでは難しい円筒形状や長物を捉えるのが得意なカメラです。特徴としては、対象物を動かしながらライン単位で撮影するのでカメラ1台で検査をまかなうこともできます。しかし対象物を動かさなければいけないため、回転機構といった装置が必要となり検査装置が高額になります。
このように、撮影対象の形状でどのような産業用カメラが最適かが変わりますので確認しておく必要があります。
(2)求められる画像の条件
次にチェックしておきたいのは求められる画像の条件です。この画像の条件も、導入する産業用カメラの選択肢に影響が出てきます。
産業用カメラで得られた画像は、適切な検査結果を導出できるものが求められます。この求められる画像の条件は主に次の3つになります。
- 色情報
- 解像度
- 取り込み速度
色情報は、画像処理の必要条件に色が含まれているかがポイントになります。もし必要なければモノクロタイプのものが選択肢にあがります。
解像度は、検出対象の大きさがポイントになります。エッジ検出のために精緻な画像が必要であれば、高い解像度のものが選択肢にあがります。
取り込み速度は、撮影対象の送り速度がポイントになります。移動している撮影対象の全体を画像に収めるには、高い取り込み速度のものが選択肢にあがります。
このような条件から、適切な組み合わせが決まってきますので確認しておく必要があります。
(3)インターフェース
最後にチェックしておきたいのは撮影した画像・動画を取り込むためのインターフェースです。このインターフェースによって、導入する産業用カメラの選択肢や選択したカメラを組み込んだ装置構成に影響が出てきます。産業用カメラのインターフェースは、代表格としてCameraLink、USB、Gigabit Ethernetの規格があります。
必要な画像情報量によって最大転送速度がポイントになりますが、もう一つ注目しておきたいのは最大ケーブル長です。代表格としてあげたCameraLinkは最大10m、USBは最大3m(USB3.0)、Gigabit Ethernetは100mになります。
例えば安価でPCへ接続しやすいUSBは、端子を延長することで容易にケーブル長を伸ばすことができます。しかしその反面、ノイズが混ざりやすく安定した出力を得ることが難しくなります。
このように、インターフェースによって費用対効果のメリット/デメリットがありますので確認しておく必要があります。
2.産業用カメラの主要メーカと製品
ここでは、産業用カメラを取り扱っている主要メーカと製品をご紹介します。
(1)東芝テリー株式会社
東芝テリー株式会社は、映像の専門会社として産業用カメラ、監視カメラなどの開発・製造・販売・サービスを手がけている企業です。主な商品としてCMOSイメージセンサを搭載したDDU・BG・BCシリーズがあり、利用目的に合わせた撮像を可能にしているのが特徴です。
ここでは代表的なモデルを3種類ご紹介します。
①Dual USB3カメラ
▼DDUシリーズ
(引用:東芝テリー株式会社 | DDUシリーズ | DDU1607Mシリーズ)
DDUシリーズは、USB3.0(USB3.1 Gen1規格)を採用することでPCへの接続を容易にした一体型カメラです。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、転送帯域10Gbpsを実現させた独自のインターフェースが特徴です。解像度は4000(H) x 4000(V)の1600万画素、出力フレームレートは47fpsの能力を有しています。
②GigEカメラ
▼BGシリーズ
(引用:東芝テリー株式会社 | BGシリーズ | BG505LMシリーズ)
BGシリーズは、Gigabit Ethernet(IEEE802.3ab規格)を採用することで長距離のデータ転送を可能にした小型の一体型カメラです。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、29(W) x 29(H) x 40(D) mm 、重量60gの小型なのが特徴です。解像度は2448(H) x 2048(V)の501万画素、出力フレームレートは22fpsの能力を有しています。
③Camera Linkカメラ
▼BCシリーズ
(引用:東芝テリー株式会社 | BCシリーズ | BC505LMシリーズ)
BCシリーズは、Camera Linkを採用した小型の一体型カメラです。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、29(W) x 29(H) x 26.5(D) mm 、重量44gの小型なのが特徴です。解像度は2448(H) x 2048(V)の501万画素、出力フレームレートは36fpsの能力を有しています。
【所在地】
▼本社・工場
東京都日野市旭が丘4-7-1
営業部 第一営業担当(担当取扱製品:産業用カメラ、管内検査用カメラ)
Tel:042-589-8775(代表)
Fax : 042-589-8774
営業部 第一営業担当(海外営業)
Tel:042-589-8771(代表)
Fax : 042-589-8774
営業部 第二営業担当(担当取扱製品:監視カメラ、特殊環境用カメラ、無線操縦装置)
Tel:042-589-7541(代表)
Fax : 042-589-8774
https://www.toshiba-teli.co.jp/index_j.htm
(2)オムロンセンテック株式会社
オムロンセンテック株式会社は、産業用カメラの開発・製造・販売を手がけている企業です。主な商品としてインターフェースごとに用意されたSTCシリーズがあり、利用目的に合わせた撮像を可能にしているのが特徴です。
ここでは代表的なモデルを3種類ご紹介します。
①USBタイプ
(引用:オムロンセンテック株式会社 | USB3.0モデル)
USB3.0モデルは、USB3.0出力の小型で取り付けやすい一体型カメラです。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、28(W) x 28(H) x 40(D) mm の小型なのが特徴です。解像度は720(H) x 540(V)の40万画素、出力フレームレートは527fpsから、5472(H) x 3648(V)の2000万画素、出力フレームレートは18.5fpsまでのラインナップを取り扱っています。
②Gigabit Ethernetタイプ
(引用:オムロンセンテック株式会社 | GigE Vision CMOS 小型モデル)
GigE Vision CMOS 小型モデルは、PoE対応GigE Vision入出力を持ち、小型で取り付けやすい一体型カメラです。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、29(W) x 29(H) x 53(D) mm の小型なのが特徴です。解像度は728(H) x 544(V)の40万画素、出力フレームレートは282fpsから、5472(H) x 3648(V)の2000万画素、出力フレームレートは5.5fpsまでのラインナップを取り扱っています。
③CameraLinkタイプ
(引用:オムロンセンテック株式会社 | Camera Link CMOSモデル)
Camera Link CMOSモデルは、Camera Linkインターフェースを採用した小型で取り付けやすい一体型カメラです。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、29(W) x 29(H) x 53(D) mm の小型なのが特徴です。解像度は642(H) x 484(V)の40万画素、出力フレームレートは432fpsから、5120(H) x 5120(V)の2500万画素、出力フレームレートは30fpsまでのラインナップを取り扱っています。
【所在地】
▼本社
神奈川県海老名市中央2-9-50 海老名プライムタワー19階
Tel:046-236-6660
Fax : 046-236-6661
https://sentech.co.jp/index.html
(3)コアテック株式会社
コアテック株式会社は、自社商品事業の一つとして接写型ラインカメラの開発・製造・販売を手がけている企業です。取り扱い商品としてラインスキャンカメラの「接写型ラインカメラ」があり、読み取り幅が192mm〜2311mmまで様々なワーク幅に対応したラインナップを提供しているのが特徴です。
①接写型ラインカメラ
(引用:コアテック株式会社 | 接写型ラインカメラ | 寸法検査システム | Built-in Pro LineMEASURE pack)
接写型ラインカメラは、CMOSセンサとGRINレンズを搭載した独自構造の一体型カメラです。1台で192mm〜2311mmの材料幅を撮像できるため、一般的なラインスキャンカメラと比較して調整作業が削減されるのが特徴です。解像度は600dpiで読み取り速度は0.52m/sec、300dpiで読み取り速度は2m/secのラインナップを取り扱っています。
【所在地】
▼本社
岡山県総社市赤浜500番地
お問合せフォーム
https://www.coretec.co.jp/inquiry/
https://www.coretec.co.jp/premium/
3.産業用カメラの導入メリット・デメリット
産業用カメラを利用する際は、導入によるメリット・デメリットもあわせておさえておきましょう。
(1)メリット
①製品の信頼性を上げることができる
産業用カメラは、撮影の基準位置に設置することで安定した画像出力を行える装置です。そのため、人による見落としをなくし、精緻な画像を取ることで人の目でも難しい検出が可能になります。対象物に最適な産業用カメラを選ぶことで、製品の品質を保証できるようになり、信頼性を上げることができます。
②生産性を向上させられる
産業用カメラの周辺機器は、撮像範囲や倍率を決めるレンズ、そのレンズを取り付けるレンズマウントがあり、様々なメーカから販売されています。他にも特殊な撮影を可能とするバンドパスフィルタを組み合わせたりと、利用目的を実現するための選択肢が非常に豊富です。これら周辺機器の中から求められる条件に合った適切な撮影環境を構築できるため、より生産性を上げることができます。
(2)デメリット
①初期費用がかかる
産業用カメラは、制御用PCやケーブル、レンズなどといった周辺機器が別途必要です。これら一式を揃えるとなるとどうしても初期費用が多くかかります。
②動作検証の期間が必要になる
利用目的に合った産業用カメラ一式を揃えたとしても、いきなり現場に導入することはできません。導入するためには、安定稼働を妨げる要因が発生しないかを確認する、動作検証が必要になります。
例えば、高い精度で欠陥などの検出をできたとしても、可動率が低いのであれば原因を対策しない限り導入は見送られることになります。こうした事態を避けるためにも、動作検証の期間が必要になります。
4.産業用カメラを用いて生産性を上げるポイント
産業用カメラは画像処理による製品の検査が主な使われ方ですが、視点を変えれば画像から情報を読み取って品質情報へデータ整形しているといえます。応用すると識別情報となるQRコードをカメラで読み取らせて、製品と装置情報を紐づけることも可能になります。こうすることで作業プロセスといった管理方法を見直しすることができ、生産性を上げることも可能になります。
5.産業用カメラ導入に関するご相談はFAプロダクツへ
産業用カメラは、FAなどの分野で画像処理による検査に対応したカメラを指し、撮影の基準位置に設置することで安定した画像出力を行える装置です。しかし撮影対象に適した組み合わせのものを選択しなければ、安定した画像出力を得ることができません。
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