エネルギーモニタでのエネルギー管理と選定ポイント、主要機器3選解説
エネルギーモニタは、電力だけではなく負荷や各種エネルギーの確認が行える製品です。製品を作る上で細かい数値を常時監視できると、改善や異常事態への察知などのメリットにつながります。
とはいえ意外と種類が多く、どんなエネルギーモニタが適しているか分からない場合も多いでしょう。本コラムでは、エネルギーモニタの主要メーカと製品比較、選び方や生産性を上げるポイントについてまとめました。まだ検討段階の方でも、記事を見れば詳細を把握できまするので、ぜひ最後までお読みください。
もし、エネルギーモニタ導入時にコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
目次
1.エネルギーモニタの選び方とは?できることやメーカを参考にする
(1) エネルギーモニタとは
省エネ法では、事業者に対して、エネルギー管理統括者とエネルギー管理企画推進者を選任して、判断基準を定め措置を実施(管理標準や省エネの措置の実施)することと、指針に定めた燃料転換や稼働時間の変更などを実施します。
製造工場の事業者としては、事業者内のエネルギーがどのような推移になっていて、どのように改善すれば省エネできるかを検討する必要があります。
その道具の1つが、エネルギーモニタによるエネルギー状況監視を行うことです。
図1では、どのようにエネルギーモニタでエネルギー監視するかを紹介します。
生産工場では、いくつかのブロックに分け、特に監視するものを決め、エネルギーモニタに接続し、監理を行います。
図1では、A生産ラインとB生産ラインの電力変動を管理することに決め、その設備でも組立機械と加工機械のエネルギー消費量が多いため、管理項目に挙げています。
さらに、生産ラインの他に、エネルギーの変動の大きい加熱炉のガス消費を管理項目に挙げています。
これらの管理項目は、エネルギーモニタに接続し、社内LANを通してサーバーに過去からの長時間のデータを蓄積し、解析や予測を立てて、モニターに表示し、管理者だけでなく、誰でもが工場のエネルギー使用状況を把握し、稼働時間を調整するなどの対策を実施できるようにします。
以下では、エネルギーモニタに関しての動画を紹介します。
2016.07.02東北仙石ラインHB-E210系快速エネルギーモニタ画面
多回路エネルギーモニタ 設置方法 | Panasonic
エネルギーモニタとは、電力や主要負荷といった、あらゆるエネルギーを監視できるモニタです。ただ、監視できる項目や回路数、計測ツールや自動グラフ化の提供とできることが数多くあります。ここではエネルギーモニタの選び方について、できることやメーカから選ぶ方法をまとめました。
(2)エネルギーモニタのできることから選ぶ場合
エネルギーモニタは、下記のようなことができます。
- 各種エネルギーの計測
- ツールによってグラフ化
- 複数拠点のデータを一元管理
- ディスプレイに出力してデータ共有
単純にエネルギーの計測を行いたい場合と、そのデータを元にしてどういったことを求めるかが重要です。一般的には計測したデータを使い、KPI(目標に対する進捗度合いを数値化したもの)を設定することが多いでしょう。ほかにも拠点を一元管理したり、ディスプレイに出力したりして従業員への周知を行う場合も多いです。
付属する簡易ツールであれば、簡単なグラフ化はできます。しかしより詳細に解析を加えるなら、自社で計算を行うかツールを導入するかが議論されるでしょう。メーカが提供する高精度ツールを使えば、シームレスに分析が行えるので効率的です。
(3)エネルギーモニタをメーカから選ぶ場合
エネルギーモニタは、あまり販売しているメーカが多くありません。そのためエネルギーモニタで何をしたいかあぶり出しを行うと、選定できるメーカが限られてしまいます。とはいえエネルギーモニタは、他分野でもよく聞く大手メーカが中心です。
上記メーカは、エネルギーモニタに対する知見が深いおすすめメーカです。どのメーカを選んでも、ある程度できることはカバーできます。ただし、多少違いや特徴があるので、次の項目で紹介する内容も踏まえて検討してみてください。
2.エネルギーモニタのメリット・デメリットについて
エネルギーモニタは、導入すれば分析できるデータを収集できます。多くの企業でも導入が進んでおり、あらゆる場面で活用できるでしょう。
とはいえメリットばかりでもなく、デメリットもあります。この項目では、エネルギーモニタ導入のメリット・デメリットについてまとめました。
(1)エネルギーモニタのメリット
エネルギーモニタのメリットは、実際の使用エネルギーを把握できることです。
どういうタイミングでどういったエネルギーが使われているのか、一元で把握できます。そのため単純にエネルギーを効率的に使う指標とするだけではなく、グラフ化して目で管理し、データを分析して効率化を目指します。
もしエネルギーモニタがなければ、具体的にどれだけのエネルギーが、どの時点で消費されているか、または発生しているかが把握できません。エネルギーにコストがかかっていたとしても、どこをどう改善すればいいのか判断が遅れてしまうこともあるため、エネルギーの動向を監視し、常に高効率な運営できるように分析して、調整してエネルギー効率を最適とできます。
(2)エネルギーモニタのデメリットとその改善
エネルギーモニタのデメリットは、監視しているだけでは意味が無い点、本当に必要な箇所に導入しなければ飾りとなってしまう点です。導入して上がってきた数値を元に、改善活動を行えるのが導入メリットと言えます。反対に導入しても行動を起こさなければ、何の改善にもつながりません。
またデータ分析もノウハウがないと、うまく改善につながらない場合もあります。もしエネルギーモニタを収集してデータ分析をするなら、メーカが提供する有料ソフトウェアの導入も行うと良いでしょう。
メーカが提供する有料ソフトウェアは、分析も同時に行ってくれます。必要なデータを分かりやすく可視化してくれるものも多いので、具体的な行動が起こしやすいです。
提供する機器とのシームレスな連携も行えるため、集めたデータを印刷・打ち込み・分析といった無駄な工程を挟みません。
3.エネルギーモニタを用いて生産性を上げるポイント
エネルギーモニタを導入して生産性を上げるポイントは、下記3つの点です。
- 各種数値の分析方法を知る
- サイネージにて従業員への周知を行う
- 分析の手間を極力最小限にする
自社で分析を行う場合、数値からどういった行動をすればいいか検討していく必要があります。正しく分析をするためにも、知識を事前に備えておく必要があるでしょう。
導入時にサポートが受けられますので、不明な点があれば質問を行ってください。そして必ず標準化し、誰が見ても分析が行えるよう進めるのがおすすめです。
また予算が避けられるなら、サイネージにて従業員へ周知するのも良いでしょう。実際にどんな使用状況なのか現場目線で把握できれば、自ずと行動も変わってきます。
長い目で見て生産性を上げるポイントとなります。
意外と分析の手間も、軽視されがちな部分です。有料ソフトウェアの導入を見送ってしまい、わざわざデータを抽出して打ち込むといった手間が増えることも。こういった手間は提供ツールの導入で、分析データの抽出が自動化されます。予算が限られている場合を除き、極力導入するのがおすすめです。
4.エネルギーモニタ主要メーカ3選と製品比較
エネルギーモニタに強いメーカ3社と、主力商品の特徴をまとめました。
(1)パナソニック株式会社
【特徴】
パナソニック株式会社は、日本でも非常に多くのソリューションを提供している大手メーカです。架電や空室空調、電気設備やデバイス開発のほか、食品流通まで幅広く事業を拡大しています。エネルギーの監視やツールの充実度も高く、エネルギーモニタを導入するならぜひ検討しておきたいメーカです。
①多回路エネルギーモニタ
引用:パナソニック株式会社 複数回路に適した本格タイプ 多回路エネルギーモニタ
パナソニックの多回路エネルギーモニタは、複数の回路に適したエネルギーモニタです。電力のほかにもパルス信号を計測できるため、ガスや水道といったトータル計測が可能となっています。無料簡易ツールも付属するので、グラフ化で数字の計測も簡易的に行えるでしょう。
②エネミエールS
引用:パナソニック株式会社 測ったその場で「見える化」エネミエールS
複数回路に対応しなくても良い、初期導入を行いたいと思う方に最適です。計測できる項目は電圧や電流といった電力関連のほか、パルス積算量の計測も行えます。SDメモリーカードにもデータ保存が可能なので、持ち出して別デバイスでの分析も可能です。
【所在地】
所在地:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル
TEL:0120-187-431
FAX:0120-872-460
URL:https://www.panasonic.com/jp/about.html
(2)河村電器産業株式会社
【特徴】
河村電器産業株式会社は、100年以上も電気デバイス関連でソリューションを開発し続けているメーカです。インフラ・プロデュース事業を始め、生活に関わるライフ・ソリューション、業務効率の向上につながるビジネス・イノベーション事業を展開中。提供しているエネルギーモニタは、多様なエネルギーをトータル管理するのに向いています。
①多回路エネルギー監視モニター eマルチ
引用:河村電器産業株式会社 多回路エネルギー監視モニターeマルチ
電力関連だけではなく、水道やガスといったパルス計測も可能なモニタです。またLAN接続によって、自動データ収集をネットワーク内で行えます。無料のデータ閲覧ソフトも付属するため、ネットワーク内のPCからデータが閲覧可能です。
②LAN対応タイプ eモニター
マルチタイプと違い、こちらは初期導入に最適な1、2回路計測が可能なタイプとなっています。パソコンへの接続も可能となっており、自動収集によるデータ閲覧も問題ありません。監視ソフトウェアも閲覧用が無償配布となっています。
【所在地】
本社所在地:愛知県名古屋市東区東桜2丁目9-1 高岳セントラルビルディング9階
本社営業部TEL:052-930-6366
本社営業部FAX:052-930-6367
URL:https://www.kawamura.co.jp/
(3)オムロン株式会社
【特徴】
オムロン株式会社は、制御機器やヘルスケア、社会システムや電子部品と幅広いソリューションの開発を行っているメーカです。とくに医療機器の分野では名前を聞くことも多く、安心感と信頼度の高い製品を多く生み出しています。制御機器の分野でも高精度の常時計測が可能で、他メーカにない可搬タイプも選択可能です。
①ZN-CTX / CTS / CTM
安価かつ場所を問わずにチェックが行える簡易電力ロガーです。生産現場の電力チェックにおいて、より手軽なチェックが行えます(とくに生産現場は電力量を把握できていない箇所が多く、省エネ活動向けロガーとして当機種は人気が高いです)。
②KM-N1
超小型サイズの監視エネルギーモニタで、省スペース性と高精度の両立が行えているモニタです。さらに最大で4回路計測が可能となっており、他メーカにない回路数が特徴的。電灯分電盤といった狭いスペースにも設置可能なので、追加設置時も場所を選びません。
【所在地】
本社所在地:京都市下京区塩小路通堀川東入
本社TEL:075-344-7000
本社FAX:075-344-7001
URL:https://www.omron.com/jp/ja/
5.エネルギーモニタ導入に関するご相談はFAプロダクツへ
本コラムでは、エネルギーモニタ導入に関する選び方や主要メーカの製品、メリット・デメリットや生産性を上げるポイントについて解説しました。
エネルギーモニタはメーカによっても特徴が異なるので、自社でどういった目的を念頭に置いているのかすり合わせる必要があるでしょう。ただ導入しても意味がないので、分析方法については知見のあるメーカへ問い合わせて見るのがおすすめです。もし導入に際してお困りであれば、経験豊富なコンサルタントに依頼してみてください。
FAプロダクツでは、エネルギーモニタ導入に関して、お客様の導入環境に合わせた最適なサポートを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。
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