サーボモータとは?メリットや生産性向上ポイント、主要3製品を解説
人々の生活に直接関わるものでは無いですが、サーボモータは生産業全体を支えている重要なパーツのひとつです。
製品を造るための設備にはサーボモータが多く使われています。
例えば人の代わりに働くロボットもサーボモータで動いています。
しかし、それらの技術がどのようになっているのかあまり知らない人も多いと思いでしょう。
そこで本記事ではサーボモータとは何か、どんなメーカがあるのかなどについて解説します。
サーボモータについて理解し、どのようにサーボモータを活用すればよいかについてもまとめました。
また、導入のメリット・デメリットや生産性をあげるポイントも解説しています。ぜひご覧ください。
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目次
1.サーボモータとは?
サーボモータとはロータリーエンコーダを搭載したモータのことを言います。
ほとんどのサーボモータが交流で動作する「ACサーボモータ」で、以下の構成で成り立っています。
- ロータ(永久磁石)
- ステータ(鉄心+巻線)
- シャフト(軸)
- ロータリーエンコーダ
図1はサーボモータの構造を表した図です。
出典:パナソニック インダストリー株式会社/サーボモータはどのようなモータ?
ACモータは電流を流すとステータの中が電磁石になります。
交流の特性である電流の向きや大きさが交互に変わることで、ステータがN極とS極に交互に切り替わります。
ロータにもN極・S極の永久磁石が交互に埋め込まれており、ステータとロータの両方の磁石を引き付けたり反発したりして軸が回転する仕組みです。
(1)ロータリーエンコーダとは何か
サーボモータに搭載されているロータリーエンコーダは、モータの回転を検出しています。
図2はロータリーエンコーダの仕組みを表した図です。
出典:パナソニック インダストリー株式会社/サーボモータはどのようなモータ?
モータのシャフトと連結した回転板には、放射状にスリット(穴)が開いています。
発光素子から出た光はスリットを通して受光素子に受光します。
回転板が回転するとスリットの有無で受光素子へ届く光が明滅します。
この明滅する数をカウントし、電気的にパルス信号へ変換して回転時の位置や速度を検出しています。
【関連記事】サーボモータ以外のモータについては以下の記事で解説しています。
・ブラシモータ
・インダクションモータ
2.サーボモータのメリット・デメリット
サーボモータを使用するメリットやデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
位置・速度の正確な制御 | ドライバが別途必要 |
高トルク・高回転 | 導入コストが高い |
高い円滑性 | トルク変動の追従遅れ |
以下より詳しく解説します。
(1)メリット
①位置・速度の正確な制御
エンコーダを搭載しているため、高精度な位置出しや速度制御が可能です。
また、動いたり止まったりを繰り返す動きを得意としています。
さらに、エンコーダから送られるパルス信号で速度を検知しているため、正確な速度制御が可能です。
工作機械や搬送関係で活用できます。
②高トルク・高回転
サーボモータは負荷の急な変化があっても目標の回転力を維持でき、低速から高速まで一気に目標速度まで加速できる特徴があります。
フィルムの巻き取り装置などでサーボモータが活用できます。
③高い円滑性
多くの高トルクモータの場合、加速時と原則時はゆっくり動くことが苦手です。
しかしサーボモータでは、滑らかな加減速が可能です。
製品への衝撃を和らげたい場面で活用できます。
(2)デメリット
①ドライバが別途必要
サーボモータを高精度制御するために別途ドライバが必要です。
基本的にサーボモータ1個につきドライバ1個必要で、他モータと違ってモータ以外の設置スペースを考慮する必要があります。
②導入コストが高い
サーボモータはドライバが別途必要なことで、導入コストが高くなります。
価格とのバランスを見ながら必要な箇所のみサーボモータを使用するなど、トータルコストで考えると良いでしょう。
③トルク変動の追従遅れ
サーボモータはトルク変動があっても追従してくれますが、一瞬遅れてしまう場合があります。
装置の剛性が不足している場合に発生しやすく、導入検討する際は装置剛性についても考慮すると良いでしょう。
3.サーボモータの活用事例
ここからはサーボモータを活用した事例をいくつかご紹介します。導入検討の参考としてご覧ください。
(1)冷却ファンの組み立て
18軸のサーボモータを同期運転させて冷却ファンを組み立てする事例です。
動画では製品を反転させて下降するとき、スピードを少し遅くして傷が付かないよう優しく製品を置く工夫がされています。
また、圧入などのトルクが必要な箇所でも、サーボモータは安定した動作が可能です。
(2)自動塗布装置
協働ロボットはサーボモータで駆動しており、人とロボットが共存して生産する活用法です。
動画では従来人が作業していたプライマー塗布を、協働ロボットが担うことで製造コストを下げた実例です。
サーボモータの正確な位置制御と速度制御により、人とロボットの共存が可能となりました。
【関連記事】ロボット導入等によるさまざまな自動化の実例について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
(3)外観検査装置
カメラを使用した外観検査装置にサーボモータを活用した事例です。
動画では、製品を動かすのに1軸・カメラを移動させるのに2軸のサーボモータを使用しています。
滑らかな動作でカメラの撮像がブレることなく綺麗な撮像が可能です。
【関連記事】検査装置についてさらに知りたい方はこちらもご覧ください。
4.サーボモータで生産性を上げるポイント
サーボモータはPLCと同じメーカを選ぶと生産性が向上します。
とくに同期運転が必要な場合、違うメーカのPLCでは上手く同期できないケースもあります。
サーボモータとPLCのメーカを統一すると、同期運転が可能となり、同期運転ができるとプログラム設計を簡素化できるため工数削減を実現できます。
【関連記事】PLCについて知りたい方は以下の記事を参考になさってください。
5.サーボモータの主要メーカと製品
ここからは、サーボモータを独自で開発や販売しているメーカと製品を紹介します。
(1)三菱電機株式会社
引用:三菱電機株式会社
【特徴】
自動車や家電製品など身近なところでも活躍しているメーカです。
さまざまな分野で活躍している会社で、FA機器でも高い技術力を持っていることが特徴です。
三菱電機ではPLCの国内シェアの高さからサーボモータも人気で、幅広い業界で活躍しています。
【所在地】
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル
TEL:03-3218-2111
【製品】
三菱電機社のサーボモータでもっとも人気の高い「MELSERVO-J4」を紹介します。
①MELSERVO-J4
出典:三菱電機株式会社/MELSERVO-J4シリーズ サーボアンプ
MELSERVO-J4のサーボモータには以下3つの特徴があります。
- 超高分解能エンコーダ搭載
- 多彩なラインナップ
- 同社制御機器との相性抜群
高分解能絶対位置エンコーダを搭載しており、分解能は4,194,304 pulses/rev (22ビット)を標準装備しています。
またリニアサーボモータ、ダイレクトドライブモータなどさまざまな形状のモータがあり、容量のラインナップも豊富なのが魅力の製品です。
日本国内でも高いシェアを誇る自社PCLとの相性も抜群です。
(2)株式会社キーエンス
引用:株式会社キーエンス
【特徴】
産業用のFA機器を製造・販売しているメーカです。
経験の浅い従業員でも簡単に設定できる扱いやすい製品が多いなどの特徴があります。
また日本国外でも即納対応できるなどサポート面でも安心できる企業です。
【所在地】
大阪市東淀川区東中島1-3-14
TEL:06-6379-1111
【製品】
キーエンス社のサーボモータ「SVシリーズ」を紹介します。
①SVシリーズ
出典:株式会社キーエンス/ACサーボシステムSV2 シリーズ
SV2シリーズには以下3つの特徴があります。
- 最大112軸の同期運転が可能
- 専用言語不要
- 充実の同期機能
ユニット間同期機能で最大112軸を同期運転させることができます。
またプログラム作成に専用言語を使用しなくても、動作フローにパラメータを配置するだけで動作させることができるのが魅力です。
また同期制御はソフト上にメカ機構が表示されるため、直感的に設定しやすい工夫がされています。
(3)オムロン株式会社
引用:オムロン株式会社
【特徴】
工場などの自動化を中心とした制御機器などの製造・販売メーカーで、医療機器の分野でも活躍している会社です。
FA機器分野でも高い納入実績があり、オートメーション化製品に特化しているメーカです。
【所在地】
京都市下京区塩小路通堀川東入 オムロン京都センタービル
TEL:075-344-7000
【製品】
オムロン社の最新サーボモータ「1Sシリーズ」を紹介します。
①1Sシリーズ
出典:オムロン株式会社/ACサーボシステム 1Sシリーズ 安全機能対応
1Sシリーズには以下2つの特徴があります。
- 多様な機械安全に適応
- ケーブル1本接続
IEC 61800-5-2に準拠の安全機能全8種に対応しており、オペレータ・機械・製品の安全を守るサーボモータシステムです。
センサなどと連携を取ることでオペレータが危険区域に侵入したら安全な速度で動作する。など安全に特化しているのが魅力の製品です。
また動力・エンコーダ・ブレーキを1本のケーブルにまとめているため、接続に悩むことはありません。
6.サーボモータ導入に関するご相談は株式会社FAプロダクツへ
サーボモータは参入メーカが多くあるため、どのメーカを選べばよいか比較して検討するのも大変です。
せっかく導入してもうまく使いこなせていない……ということも、しばしば見られます。
初めて導入する場合は、自社に適した装置を開発できるメーカに相談するのもひとつです。日本サポートシステムでは、豊富な実績をもとに最適なサーボモータ導入のお手伝いができますので、ぜひご検討ください。
①株式会社FAプロダクツ
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「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
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【営業品目】
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