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リニアモータとは
生産設備に関する記事

リニアモータとは?原理や構造、利点と注意点、工作機械への活用例

リニアモータは、非接触駆動で推力を得るため、高速移動や高精度な加工、低振動、低騒音に効果があるモータです。
そのため、高速鉄道(リニアモーターカー)やアミューズメントパークのアトラクション、高速エレベーター、モノレールなど大型のものから、工作機械や半導体製造装置、産業用搬送システム、精密機器の駆動部のような小型のものまで幅広く使用されています。

また、世界的な市場規模についてQYResearch社が発表したリサーチ結果によると、現在の日本円換算で2022年には約410億円だった市場規模が、2029年には約663億円にまで拡大されることが予測されているため、今後の市場規模拡大に期待が持てます。

この記事では、リニアモータの原理や構造、工作機械への活用例などをご紹介します。

もし、リニアモータのコンサルティングを受けて、
・省力化、省人化してコストダウンしたい
・生産性アップして売上を上げたい
・人的ミスを減らして品質価値を高めたい
・どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽に株式会社FAプロダクツまでお問い合わせください。関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。

1. リニアモータとは?原理と構造

リニアモータとは

リニアモータとは、回転式モータを直線状に引きのばした状態の電気モータのことです。
一般的なモータは回転軸を持ち、そして回転運動をしますが、リニアモータは回転軸を持っていないので電車のようなレール状の上を直線運動します。

以下で、リニアモータの原理と構造について説明します。

(1)原理

リニアモータの原理は主に、推進力、浮上、誘導の3つあります。

①推進

直線状に磁石のN極とS極を交互に配置し、電流を流すことで磁界が発生してN極とS極の吸引力と反発力により推進力を得ます。
リニアモータの原理①

②浮上

磁石のN極とN極、S極とS極の反発力の作用により浮上します。
リニアモータの原理②

③誘導

測定の位置決めにも磁石のN極とS極の作用を利用します。物体が設定位置に対してどちらかにズレると、遠い方は磁石の吸引力で引き付け、近い方は反発力で押し返すので物体は常に中央に戻ります。
リニアモータの原理③

(2)構造

リニアモータの基本的な構造は、磁石を固定する台の上に磁石のN極とS極を交互に配列します。そして、磁石の上に設置したコイル(可動子)に電流を流して磁界を発生させ、コイルを組み込んだ物体を動かす仕組みです。
また、工作機械に使用する場合は、リニアサーボモータを搭載したテーブルタイプやシャフトタイプがあり、リニアモータガイドと呼ばれる部品と組み合わせて使用することが一般的です。

サーボモータとは、位置や速度等を制御する目的で使用するモータで、ドライバーと呼ばれる動作制御を指示する機械にプログラムをインストールし、サーボモータへ電気信号を送って動作を制御します。

サーボモータについては以下の記事が参考になります。

【参考動画】

引用:Sodick Japan 3軸リニアの新型MC「UX450L」 超軽量ヘッド・高剛性な門型構造・超精密ガイドで、リニア駆動の優位性を最大限発揮!

引用:[INTERMOLD 2013] リニアモーター駆動研削盤「UPZ210LiⅡ-2 DOUBLE EAGLE」 – 株式会社岡本工作機械製作所

2.リニアモータのメリット・デメリット

リニアモーターのメリットとデメリット

リニアモータを工作機械に使用した際のメリットやデメリットについて以下に紹介します。

(1) 構造的利点

構造的な利点として主に次の6つが挙げられます。
・結合精度が高く減速機構がないため、高精度の往復運動が可能
・ボールねじやナットのような消耗部品がないため、劣化が少ない
長さに制限が無く、必要量だけ延長できる
・回転型モータ部分の設置スペースが必要なく、コンパクトな設計ができる
同軸上に複数のモータを配置し、同時または別々に動かせ
・機械装置の使用部品が少ないため、メンテナンスが短時間で容易である

また、リニアモータは、磁石の反発作用により非接触の状態を維持できるため、従来の直線運動を行うボールねじとナットのような接触部分の摩耗はほとんどありません。そのため、接触部品と比較すると次の利点があります。
長期間使用してもモータの回転力が減退せず、機械に正しい力を伝達し続けられる
回転軸のブレや歪みが無い
金属疲労や劣化が少ない
消耗部品がほとんど無い
これらをリニアモータは満たしているので、長期間の使用でも高い精度を維持できます。
また、長さにも制限が無いため、工作機械のボールねじでは実現不可能だった長尺軸の制作も可能になりました。

(2) 速度的利点

リニアモータは外的影響を受けやすいという欠点がかつてはありましたが、各メーカーがリニアガイドや電気的ノイズ・機械共振などを抑える機械設計の改良に取り組み、現在では影響を受けにくい構造になっています。

また、従来の回転式モータとボールねじの組み合わせでは接所部に摩擦抵抗があり、高速回転にも限界がありましたが、リニアモータは非接触なので摩擦抵抗が無く、高速回転や高速移動が可能です。

そのため、次の速度的な利点があります。
・高速回転や位置決めなどの高速移動が可能
・精度が高く、高速作業が可能で作業性が向上
これらの利点を利用して、正確性と作業効率を求められる産業用ロボットや検査装置などに採用されています。

(3) 環境に対する利点

従来の油圧装置などでは鉱物性油脂類を使用しますが、次の2点が懸念されます。
・廃油処理による環境汚染
・油脂類使用による人体への悪影響

そこでリニアモータ搭載の機械装置に変更すれば、次の利点があります。
油脂類の使用が最小限に抑えられる
廃油量が削減できる
・電気と磁力を使用するため、油脂類の使用量が少なく人体への影響も抑えられる
・廃油処理の環境汚染が抑えられる

廃油処理の方法はリサイクル法によって決められており、廃油のほとんどがリサイクルによって石鹸やロウソク・再生重油などに生まれ変わりますが、塩素系金属加工油は再利用できないため、焼却処分・埋め立て処分を行います。
(参考サイト:全国オイルリサイクル共同組合 廃油リサイクルの仕組み

焼却や埋め立て処分ではCO2排出や土壌汚染の可能性もあり、環境汚染の原因になりますが、リニアモータを使用すれば、作動油や潤滑油などの鉱物性油の使用も最小限に抑えられるので廃油量も減り、環境対策にも配慮できます。

また、小型化の技術も飛躍的に進歩しているため、従来の大型機械装置をリニアモータ搭載の機械装置に入れ替えることで省スペース化も可能です。

(4)リニアモータの欠点と注意点

リニアモータの欠点および注意点は大きく分けて以下の5点です。
リニアモータを動かすためには大きな力が必要
・使用環境の対策が必要
稼働時の発熱による加工部品の変形
・細かな制御が必要
既存の機械装置に使用できない可能性がある

以下で解説します。

①リニアモータを動かすためには大きな力が必要

リニアモータには減速機構が無いため、小型化では回転モータとボールねじの組み合わせのような大きな力を得られません。そのため、高出力を得るためには大型の機械装置になりますが、高出力を維持しながら小型化するかが機械設計の課題です。

②使用環境の対策が必要

工作機械で使用する場合には、金属や樹脂などの削りカスや切削油の飛散により、リニアモータ部がダメージを受けます。
対策として、耐油性の高いリニアモータを採用したり、削りカスや油脂類からダメージを受けないように保護カバーを設置したりするなど、使用環境を整える必要があります。

③稼働時の発熱による加工部品の変形

研削盤の場合、従来の回転モータとボールねじの組み合わせ以上に高出力で回転するため、稼働時の発熱によって加工部品が変形する可能性があります。変形させないためには、発熱の少ないリニアモータを採用するか、冷却装置の設置を検討しなければなりません。

④細かな制御が必要

リニアモータは、外部影響などの外乱に弱いため制御が難しく、高精度な加工を行うには細かな制御が必要です。対策としてサーボモータを高ゲイン化したり、構造の共振周波数を高めたり、外乱に対して別の制御などを行えば効果があります。

⑤既存の機械装置に使用できない可能性がある

工作機械は用途に応じて仕様が異なるため、既存の機械装置に使用できない可能性があります。既存の機械装置の一部をリニアモータ搭載の機械に変更した場合、今までと同じ出力を得ようとしても、規格が適合せず機械装置ごとオーダーメイドで製作することがあります。
また、すでにリニアモータ搭載の機械装置を使用している場合でも、メーカが異なると規格品の互換性はあまり期待できないので同じメーカに頼らざるを得ません。

3.リニアモータの種類

リニアモータの種類

リニアモータには様々な種類がありますが、その内の5つをご紹介します。

(1)リニア同期モーター

リニア同期モータとは(Linear Synchronous Motor:リニア・シンクロナス・モータ)、略してLSMと言います。

直線上に配置したコイルと、その上を移動する磁力を持った導体(磁性を持った材料)で構成されており、コイルに電流を流すことで磁界が生成され、この磁界の影響により、導体が磁界の変化に追随して直線的に動く原理です。

リニア同期モータは、電磁誘導の原理と、回転部分が無く動きが静かで制御も比較的容易なため、効率性も良くエネルギーの損失も少ないのが特徴です。
また、直線的な運動が可能なため、高速鉄道やモノレール、エレベーター、産業用機械など様々な分野で利用されています。

(2)リニア誘導モーター

リニア誘導モータとは(Linear Induction Motor:リニア・インダクション・モータ)、略してLIMと言います。

リニア誘導モータはLSMと同様に直線的な運動を行えますが、LSMとは原理が異なります。

直線上に配置したコイルと、その上に電流が流れている導体(アルミニウムや銅などの導電性材料)で構成されています。
リニア誘導モータは、導体自体に電流が流れているので磁界が発生し、コイルに流した電流によって発生した磁界が変動します。導体から発生した磁界とコイルに流した電流の相互作用により、直線的運動の推進力を得る仕組みです。

直線的な運動を行うので交通機関や産業用機械・コンベアなどにも利用されています。

(3)リニア直流モーター

リニア直流モータとは(Linear Direct Current Motor:リニア・ダイレクト・カレント・モータ)、略してLDCMと言います。

リニア直流モータは、直流電流を利用して直線的な運動を生み出すモーターです。一般的にはステーターとローターの主要部分で構成されており、ステーターにはコイルがあり、ローターには永久磁石が配置されています。
ステーターのコイルに直流電流を流すとコイルの周囲に磁界が発生し、この磁界と永久磁石の相互作用によって、ローターを直線的に動かす仕組みで、この直線的な動きを利用して、モータを取り付けている機械や物体を動かします。

そのため、高精度な直線的な動きが必要な自作工業用機械やロボットアーム、医療機器、産業用機械など様々な分野で利用されています。

(4)リニア共振アクチュエータ

リニア共振アクチュエータとは(Linear Resonant Actuator:リニア・レゾナント・アクチュエータ)、略してLRAと言います。

アクチュエータとは、モータやシリンダーなどのことで、電気エネルギーや油圧・空気圧などを運動に変換することができる装置です。
リニア共振アクチュエータの基本的な構造は、アクチュエータ内部に導電性のコイルと永久磁石、バネや振動板が入っており、コイルに電流が流れると磁場が発生し、バネや振動板に力が加わって振動する仕組みです。リニア共振アクチュエータは様々なものを振動させることができる上に、応答速度も速く、実際に手で触れているような触覚表現も可能です。

身近なものでは、スマートフォンやタッチパネル、ゲーム機のコントローラー、家電製品などにも使用されています。

(5)リニア静電モーター

リニア静電モータ(Linear Electrostatic Motor:リニア・エレクトロスタティック・モータ)とは、静電気の原理を利用したモータです。

基本的な構造は、一対の移動子と固定子で構成されており、どちらも電極フィルムや電極板などを使い、その電極フィルムなどの内部には帯状の電極が埋め込まれています。そして、ケーシング内部に移動子と固定子を交互に何層にも重ねて配置します。

電極フィルムに交流電圧を流すと、移動子の電極フィルムや電極板が動いて電荷を帯び、周囲の電界の変化によって機械や物体が動く仕組みです。
ただし、リニア静電モータを用いて大きな推力を得るためには、交流電流を流した際に起こる絶縁破壊を防がなければなりません。3相の交流電圧を流すと、電極フィルム周辺は強い電界(電圧がかかっている空間の状態)になるため、絶縁破壊が起こります。

電極破壊を防ぐ方法として電極フィルムを絶縁液に浸した状態で密閉すれば、絶縁破壊の問題は解決しますが、完全に密封した状態で出力軸に対して、摩耗抵抗の少ない加工が必要です。
そのため、実用化が難しく現在は実験段階ですが、リニア静電モータはコイルが必要ないので実用化できれば軽量化や薄型設計も可能です。

リニアモータ以外のさまざまなモータについては以下の記事を参考にしてください。

4.リニアモータの工作機械への活用例

リニアモータの活用例

 

工作機械に使用されているリニアモータの主な活用例を4つご紹介します。

(1)マシニングセンタ

リニアモータは非常に高い精度で位置決めができるため、工具や刃物を正確な位置で制御し、中ぐり・フライス削り・穴あけ・ねじ立て・リーマ仕上げなど多種類の加工が連続で行えるマシニングセンタのモータに使用されています。
マシニングセンタは縦型や横型、門型、多軸型など用途によって様々ですが、駆動部にリニアモータを採用することで、位置や研削の深さなど正確な加工が行え、メンテナンスも容易で作業効率が良いです。

また、5軸制御のような多軸のマシニングセンタでは、加工品を一度セットすれば最後まで完成させることもできるため、プログラミングに問題が無ければ効率よく作業できます。

しかし、作業工程が多い分、制御のプログラミングを細かく指示する必要があるので注意しましょう。

(2)切削・研削加工機

切削や研削加工機では、加工において高い精度や時間の短縮などが求められるため、従来のボールねじと回転式モータの組み合わせでは改善できなかった効率化に役立っています。
リニアモータは切削・研削加工機の駆動部に採用されており、非接触なのでボールねじと回転式モータの接触部のような摩耗も無く、消耗部品の交換をする程度で長期間使用できます。

使用上の注意点として、高速回転で発生する熱によって、加工対象物が変形する可能性があるため、切削・研削加工機の設計段階で冷却機構を搭載するか、別に冷却システムを導入するなどの工夫が必要です。

(3)放電加工機

リニアモータとリニアスケールを使用することで、高速・高精度の加工や高い応答性が可能となり、プログラミングが正確に行えれば、作業の簡素化や素人でも作業できる操作性も可能になっています。

また、切削・研削加工機と同じように、加工時に発生する熱によって加工対象物が変形する可能性があるため、冷却システムを検討する必要があります。

(4)スピニング加工機

スピニング加工機は回転する成形型(マンドレル)に金属板を押しつけて加工ローラで成形する方法ですが、この加工ローラにリニアモータを使用しています。マンドレルは固定した状態で、加工ローラをリニアモータで制御すると正確な位置制御ができます。そのため、加工ローラをマンドレルと平行方向に押し当てて移動させれば、マンドレルと同じ形状に仕上がります。

また、リニアモータを採用したことで、多角型や偏心などの異形断面形状の製品加工も可能となり、熟練スキルが無くても加工できます。

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