X線検査装置とは?CT検査や検査例、おすすめの工場5選
目次
1.はじめに
X線検査は、健康診断でレントゲン検査として、慣れ親しんでいる検査方式でしょう。X線CT検査は、普段お世話になることはありませんが、体の異常を即座に発見でき、適切な治療に貢献する検査装置です。
このような優れたX線検査装置は、工業製品にも適用されています。従来の製造現場での検査では、カメラで“見る”ことが主流の検査でした。しかし、X線を使うことで、陰に隠れて見えないもの、モールドされて中が見えないものなど、製造品として特に見なくてはならないものを検査する役割を担っています。
このコラムでは、製造現場の品質を一段と向上させているX線検査装置について、ご紹介しましょう。
また、X線検査装置をラインに追加して、
・省力化、省人化してコストダウンしたい
・生産性アップして売上を上げたい
・人的ミスを減らして品質価値を高めたい
・どのメーカーの検査装置を使えば効率的かわからない
場合は、関東最大級のロボットSIer、FAプロダクツまでお問い合わせください。
X線検査装置の導入が得意な技術者が、最適なご提案をさせていただきます。
また、外観検査などの自動化をご検討の際は、ルール型の画像処理からAIによる画像処理までワンストップで対応する「画処ラボ」もご活用ください。
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【図解】X線検査装置とは?原理や価格・シェア上位メーカー8選
⇒【図解】検査装置のカメラとは?画像処理とは?おすすめのメーカー5選
⇒オススメの検査装置メーカー24選!種類や特徴・構成もご紹介
2.X線とは?
X線は日光のような可視光線と同じ電磁波の種類の一つです。ただし、波長が短く目で見ることはできません。
X線のイメージを図1で紹介します。
X線は物質を透過しますが、電子にぶつかると波長が長くなります。波長が長くなるということはエネルギーが小さくなるということで、X線の強度が弱まります。これは、物質にX線が吸収されたとも言えます。
物質を透過した後のX線を写し出すと、白黒調の濃淡で表されます。波長が何にもぶつからず元のままであると白、X線が透過できず届かないと黒となり、波長の大きさすなわちエネルギー強度の大きさに従った灰色として表されます。
X線は、波長の短い電磁波で物質を透過しますが、高密度な物質になるほど透過しにくいという性質があります。鉛などはX線を完全に遮断できます。
3.X線検査装置とは?
X線検査装置のイメージを図2で紹介します。
X線はフィラメントに電圧をかけて電子ビームを発生させ加速させます。加速した電子を衝突させるとX線が発生します。X線をワークに照射させ、異物の部分では透過量が変わるため、X線検出器では異物の大きさに応じた濃淡のデータをえることができ、それを表示されることで異物の判定が可能となります。
(1)X線CT検査装置とは?
図2のX線検査装置では、ある一方向からの異物の検出となるため、異物があるかないかの検出には有効です。しかし、異物の大きさや形状が分からないため、異物のデータを得ようとしたものが、X線CT検査装置です。
X線を360°回転させて全方向からワーク内部を写した検査がX線CT検査です。このイメージを図3で紹介します。
図3で紹介しているように、ワークを回転させ360°全方向からX線映像をとることで、ワーク内部にある異物の形状がわかります。さらに、この映像を3D画像として処理することで、ワークと異物の位置や大きさなどの関係が把握でき、異物対策など具体的な対応が可能となるでしょう。
(2)非破壊検査とは?
参考まで、切ったり割ったりせずにワークの内部の状況を知る検査方法を、非破壊検査といいます。
非破壊検査の種類は、X線検査、磁粉探傷検査そして超音波検査です。
⇒【図解】超音波検査装置とは?具体例やX線との違い+工場5選
4.X線検査装置の検査例
X線検査装置を使った検査の例を表1で紹介します。
表1 X線検査例
産業分野 | 検査内容 | 検査対象 |
ガラス品 | 半透明ガラス容器内異物 | 蛍光灯ガラス製品 |
衣料 | 針などの残留異物 | 衣料品 |
飲料 | 個数抜け | 箱詰め瓶 |
液位、容量、異物 | 飲料水缶、瓶 | |
機械 | 異形、割れ、欠け | 形状検査 |
巣(内部の空洞) | 鋳物、溶接 | |
内部配線ネジの緩み | ケーシング機器 | |
食品 | 中身不足 | パンのクリーム抜け |
異物混入 | 加工食品、チューブ入り食品 | |
噛み込み | 包装品のシール部 | |
電子機器 | ウェハ枚数 | アルミパッケージされたウェハ |
ボイド | BGA基板 | |
はんだ付け配線不良 | 樹脂モールド品 | |
電極版の変形 | リチウムイオン電池 |
表1で紹介したX線による検査方法は、カメラではできない見えない部分の検査になりますが、難点は高額な検査装置ということでしょう。特にCT検査方式では、検査としての威力は大きいものがありますが、さらに高額となります。
検査の例のイメージについて、いくつかを図4から図6で紹介しましょう。
図4はBGA基板のボール端子のクラックや端子間のショートなどの不具合を、X線を透過して見つけ出すイメージ図です。
図5は、ベルトコンベアで流れてくる加工食品の内部に入り込んだ異物を、X線で検出する検査方法のイメージ図です。ベルトコンベアの下部にX線検出器を固定し、加工食品の異物を検出します。
図6は、次々とコンベア上を流れてくる瓶や缶などの飲料食品の液面高さや容量が仕様通りか、瓶や缶の液体内部に存在する異物の有無を検査するイメージ図です。この検査の場合、図5とは異なり、横方向に固定したX線発生器とX線検出器によって検査を行います。
5.X線検査装置関連メーカー5選
① 株式会社FAプロダクツ
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。
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テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。
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「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
② 株式会社イシダ
https://www.ishida.co.jp/ww/jp/
写真は、イシダ社製 IXシリーズX線検査装置です。
【所在地】
京都市左京区聖護院山王町44番地
TEL:(075)771-4141
【営業品目】
計量・計数:組み合わせ計量機、自動計量機、計数機、高速自動計量値付機、はかり
ランク選別:アスパラガス用選別機、ランク選別用ウェイトチェッカー、ランク選別用X線検査装置
包装:縦ピロー包装機、給袋包装機、小型縦ピロー包装機、自動計量包装値付機
検査・検出:X線検査装置、ウェイトチェッカー、金属検出機、シール不良検査装置、かみこみ検査装置、アニサキス検査装置
搬送:供給機、ベルトコンベヤ
【特徴】
イシダ社は1893年にはかりメーカーとして創業し、計量技術をもって社会貢献を果たしきました。最近は、計量をコアとして、放送・表示・情報・搬送そして検査の分野へと事業拡大しています。
イシダ社のX線検査装置では、生物界の遺伝と進化を画像処理する遺伝的アルゴリズムを採用し、異物と食品を分別するプログラムを内蔵しています。さらに、この技術とX線をデュアルセンサ―として高感度検査が可能となっています。
③ 松定プレシジョン株式会社
写真は、松定プレシジョン社製マイクロフォーカスインラインX線透過検査装置です。
【所在地】
滋賀県草津市青地町745
TEL:0120-747-636 (製品に関するお問い合せ)
TEL:077-561-2111(代)
【営業品目】
電源装置(高圧電源、直流電源、交流電源)の企画・開発・製造・販売
X線透過検査装置およびデジタルX線マイクロスコープ、開発および製造、販売
分析装置、光半導体デバイスおよびオプトエレクトロニクス応用機器の企画、開発および製造、販売
アルミフレーム製品、クリーンブースなどの企画、開発、製造、販売。
【特徴】
松定プレシジョン社は、1970年に創業し、1990年代に超小型直流電源、電子顕微鏡用高安定度電源と電源装置の事業を始めました。2000年代に入ると、マイクロフォーカスX線顕微鏡、レーザー応用製品開発と事業を拡大させています。
同社のマイクロフォーカスインラインX線透過検査装置は、画像処理システムと自動判定機能を組み合わせることで、高い自動判定の精度を誇っている装置です。さらに、既設のコンベアの生産ラインに設置できることで、柔軟に製造現場への適用できる特徴を有します。
④ 株式会社アイビット
http://www.i-bit.co.jp/index.html
写真は、アイビット社製X線自動検査装置 IX-1600です。
【所在地】
神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 KSP(かながわサイエンスパーク)東棟6F
TEL:044-829-0067
【営業品目】
半導体パッケージ用X線装置の開発、製造、販売
実装基板用X線検査装置の開発、製造、販売
輸入X線装置の保守メンテナンス
プリント基板生産用機器の製造、販売
コンピュータおよび周辺機器の販売
【特徴】
アイビット社は、2000年に創業し一貫してX線検査装置の開発・製作・販売の事業を行っています。2000年から現代までの時代は、電子部品・半導体部品が高密度実装され、検査主体がカメラからX線へと移っている時代です。それゆえ、X線が半導体や高密度実装検査の主役になるという考えで事業を進めています。
アイビット社の製品の1つ、IX-1600は、世界最高クラスのX線解像度を持ったX線自動検査装置です。さらに、付属の不良解析機能によって高精度の検査が可能という特徴があります。
⑤ アンリツインフィビス株式会社
写真は、アンリツインフィビス社製デュアルエナジーセンサ搭載X線異物検出機です。
【所在地】
神奈川県厚木市恩名5-1-1
TEL:046-296-6700(代表)
【営業品目】
産業機械事業の開発、製造、販売、サービス
製品:X線検査、金属検出、質量検査、高速自動計量、総合品質管理システム、選別部(排除装置)、医薬品向けソリューション
【特徴】
アンリツインフィビス社は、安立電気株の産業機械事業部に端を発し、現在の社名となっています。当初から、の開発へと進んできました。金属検出機やX線異物検出機は、時代とともに検査精度や機能などの技術を向上させ、現在に至っています。
同社のデュアルエナジーセンサ搭載X線異物検出機は、X線の透過率がエネルギーにより異なりことを利用し、X線を2種類のセンサで測定する検査装置です。この技術の採用によって、異物を鮮明に検出できる特長を有します。
6.X線検査装置導入のご相談はFAプロダクツへ
X線検査装置は見えないものを見えるようにする検査装置として、カメラによる検査装置とは一線を画する機械です。
ただし、カメラとは違い、そこに異物などの検出物があるという検査の機械です。カメラのように異物の形状、色合いなどを写すことはできません。
そのため、X線で検出した異物が、本当に異物かどうかを判定するには、高度な判定ロジックが必要です。そのため、検出能力を上げるため、X線検査装置メーカーは様々な技術を開発し、技術向上は常に続いていると言えます。
生産ラインで困ったことがあれば、まずは専門メーカーやロボットSIerに問い合わせてみましょう。
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