ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)とは?導入事例・補助金も紹介
更新:2020年2月28日
製造現場の課題を解決するために、産業用ロボットが着目されています。
しかし、初めて産業用ロボットを使う会社の方は、ロボットシステムをどのように実際に築いて生産すればいいかイメージが沸きにくいでしょう。
多くの会社は、産業用ロボットを導入するときに、「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)」というロボットを導入する専門家にサポートしてもらっています。
ここでは、ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)とは、依頼するメリットや事例、ロボット導入に活用したい補助金、おすすめのロボットシステムインテグレータについてご紹介します。
また、産業用ロボットをラインに追加して、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーのロボットを使えば効率的かわからない
場合は、関東最大級のロボットSIer、FAプロダクツまでお問い合わせください。
産業用ロボットの導入が得意な技術者が、最適なご提案をさせていただきます。
⇒【動画付き】産業用ロボットとは?4種類の形状と5つの用途を解説
⇒企業で活躍する注目のロボットとは?ロボットの種類や業界を紹介!
⇒【2019年】最新のロボットの現状は?技術やロボットに代替される職業
目次
1.ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)とは?
ロボットシステムインテグレータというのは「工場などに対して、ロボットの導入をサポートする専門業者」のことをいいます。
ロボットを利用する機械システムを導入するときに、計画から実際の運用まで、提案、設計、組み立てなどを幅広く担当しています。
さらに、治工具や付帯設備の製作、アフターサービスのメンテナンス、パーツの供給などまで、ソフトウェア・ハードウエアに関係なく、トータル的にサービスを提供している所が多くあります。
(1)ロボットシステムインテグレータに依頼する理由
ご存知かと思いますが、ロボットを導入するだけで「工場の自動化」の実現にはなりません。
産業用ロボットは“半完成製品”と呼ばれ、ロボット単体では人間の代わりに仕事をすることが出来ないからです。
人の手の代わりとなるハンドを取り付け、ロボットがどのような動作を行うかをプログラミングし設定。
さらに、ロボットを周辺機器、製造ラインといった製造設備と組み合わせ、その生産現場に合わせた「ロボットシステム」を構築しなければなりません。
では、どのようにして「ロボットシステム」を構築・設置すればよいのか。
知識や技術を身につけるには膨大な時間が必要になります。
また、現場に合わせたシステムを組み上げて調整、さらにアフターフォローまでをおこなうためには経験も重要です。
そのときに力になってくれる存在こそが「ロボットシステムインテグレータ」なのです。
(2)ロボットメーカーが導入の対応していないの?
ロボットの導入は、ロボットを作ったロボットメーカーがやってくれるのでは?と思うかもしれませんが、基本的には対応していません。
理由として、生産ラインなどでロボットが活躍するためには、動作するためのプログラムや周りの設備を整備し、現場に応じたシステムを作る必要があるからです。
自社に最も適したシステムを築くときは、ロボット導入のエキスパート「ロボットシステムインテグレータ」にサポートを依頼するといいでしょう。
(3)ロボットシステムインテグレータの種類
ロボットシステムインテグレータの主な業務として、ロボットシステムの「構想・企画」、「設計」、「組み立て・設置」などが挙げられます。
この中でも、ある業務工程のみを専門とするロボットシステムインテグレータもあれば、すべての工程から導入後のアウターフォローまでを一括しておこなう会社、さらには「箱詰め作業専門」というように、特定の作業工程に特化した会社など、さまざまなロボットシステムインテグレータが存在します。
ロボットシステムを導入する際は「どの工程を得意としたロボットシステムインテグレータなのか」確認すると良いでしょう。
2.ロボットシステムインテグレータに依頼するメリットとは?
(1)ロボットシステムインテグレータに依頼するメリット
- 省力化・効率をアップするための最適なコンサルティングが受けられる
- 過酷な環境、危険な環境での作業を分析し、ロボット化することで労働環境を改善してもらえる
- 生産工場が中小規模のときでも予算にあったロボット導入をしてくれる
- 生産システムを築くことができる
- ロボットの設置、試運転、調整、生産運用、メンテナンスまでをサポートしてくれる
- 消耗品を供給してくれる
- データを集めることによってメンテナンスサービスを提供してくれる
- データを集めることによって製品のデータ管理&追跡のトレーサビリティがアップする
- メンテナンスエンジニアや生産オペレーター派遣を受けられるところもある
優秀な労働力の確保が難しい現在では、ルーティン作業は省人化することが必要です。
ロボットを導入することで、最適な人員の配置が可能になります。
⇒省力化ロボットとは?特徴やメリット、おすすめの製造工場5選を紹介
(2)工場側の課題からみたメリット
ロボットシステムシステムインテグレータに依頼するメリットを「多くの企業が抱える問題点」と照らし合わせながらご説明します。
企業・生産現場によって問題の大小など若干の違いはありますが、企業を悩ませる問題・課題の多くは以下ではないでしょうか。
①コストの削減
企業にとって「コスト削減」は、永続的かつ究極の課題といえるでしょう。ロボットシステムを導入し、ロボットを人の代わりに置き換えることで、人件費の大幅な削減が可能です。
また、人が作業を行うことで生じる人的ミスでの不良品の発生も最小限に抑えられるため、原材料のコスト削減にもつながり、利益率の向上にも寄与します。
②慢性的な人材不足の解消
参考:「労働力調査年報」総務省
参考:「日本の将来推計人口」国立社会保障・人口問題研究所
現在の製造業界は、労働人口の減少に加え、製造業は「きつい・汚い・危険」という「3K」のイメージが根強いためか、求職者は減少。
慢性的な人材不足におちいっており、今後も解消することは難しいのが実情です。
下の図は、2020年度の卒業を迎える男子就活生が選ぶ「就職人気ランキング」です。
ご覧の通り、ランキング上位には商社・証券・銀行といった、いわゆる「ホワイトカラー」が占めており、製造業界では62位のトヨタ自動車が最高位。
工作機械のDMG森精機が74位、日立製作所が80位となっています。(製造業の身としては残念ですね。。。)
「生涯年収ランキング」などにたびたび上位に登場するトヨタ自動車ですら、昨年よりも順位を下げており、若年労働者層の“製造業離れ”が如実になっています。
こうした慢性的な人材不足の解決策として、人に代わりロボットシステムを導入することが有効な手段となります。
③現場の稼働率の向上
どんな人間でも休みなく、しかも同じ精度を維持して働き続けることは不可能です。
しかし、ロボットや機械は休むことなく、連続して作業を行ってくれます。
機械・電気に精通したロボットシステムインテグレータが、ロボットと生産設備、周辺機器をうまく連動させるシステムを構築することで、生産現場の稼働率アップが実現します。
④品質の向上 (品質の安定化)
「品質の向上」または「品質の維持」は企業として避けられない課題の1つでしょう。これらの課題もロボットシステム導入により解消が可能になります。
人間は、自身の気持ちや労働環境といった内的・外的要因により、どうしても作業にバラつきが生じてしまいます。
こうした問題も、ロボットシステムを導入することで作業条件を一定化することができ、全体の品質を向上させることができます。
⑤単純作業や危険作業の代替え
労働人口の増加が見込めない日本において、限りある人材を単純作業に従事させてしまうのは、労働力の無駄だけでなく、効率化を阻害する1つの要因といえるでしょう。
人間がパフォーマンスを発揮できる時間には限りがあります。可能であれば、単純作業をロボットや機械に任せ、より高度な作業に人材を配置転換することで、より一層の効率化を図ることができるでしょう。
また、溶接・切断などの危険がともなう作業をロボットシステムが代行することで、従業員の安全確保にもつながります。
3.ロボットシステムインテグレータによるロボット導入事例4つ
ここまでで、メリットの大枠をご理解いただけたかと思います。
それでは、実際にロボットを導入したときの投資対効果や人員削減・生産性の向上に寄与した事例をご紹介します。
(1)真空冷凍パックの箱詰めから箱の積み付けまでの一連工程のロボット化
規模 | 中小企業 |
業種 | 食品製造業 |
課題 | 手作業による人件費増大 |
ロボット導入箇所 | 箱詰め・出荷(パレット積み) |
導入ロボット | 垂直多関節ロボット 川崎重工業RS020NFE型・CP180LFE型 |
投資額 | 4,700万円 |
投資回収 | 1.4年(利益増2,268万円+人件費削減804万円=3,074万円)
※利益増:2,268万円/年(増産によるもの) |
同社の業務は大まかに、「肉の解体」・「成型」・「冷凍」・「計量」・「パック詰め」・「箱詰め」・「出荷(パレット積み)」の工程に分類され、これらの全工程は作業員が手作業で実施していました。
導入前は、「箱詰め」「パレット積み」の工程に対して、8名の人員を配置していた同社。
この工程をロボット化したことで、6名の省人化を実現しています。また、作業員の配置転換により、生産数のアップにもつながっています。
実現するまでには、製品数の多さと、箱詰め、パレット積みパターンの多さが困難を極めました。
しかし、箱積みに関しては、ロボットハンドと挿入方法(ティーチング)の工夫し、実現。
パレット積み方法に関しては、システムでの導入(パレットチェンジャ)により具現化しています。
これにより、同社の最大の課題であった「人件費増大」の解消にいたっています。
(2)機能展開型SIプロセスによる薄板板金プレスの自動化
規模 | 中小企業 |
業種 | 金属製品製造業 |
課題 | 人件費の増大や目視検査による検査品質のばらつき |
ロボット導入箇所 | 薄板板金部品のプレスラインの検査 |
導入ロボット | スカラロボット・材料位置決めロボット・ ヤマハ発動機・オリイメック・YK1200X |
投資額 | 2,760万円 |
投資回収 | 4.8年 ※導入により約566万円の利益/年100(売価)-41(製造原価)=59(利益)×96,000(生産数/年)=5,664,000円(利益/年) |
事務機器用部品をはじめ、産業用設備部品や医療機器部品など、多岐にわたる製品を製作している同社。
事務機器部品は「多品種少量生産」が進み、現状の生産方式では利益確保が気部良い状況だったとのことです。
また、検査工程においても、目視による検査が行われていたため、検査品質にバラつきがあり不良流出が問題となっていました。
「利益確保」と「品質の向上」の問題を解決するために、検査工程にロボットと画像処理技術による自動検査システムを導入することになりました。
従来のSI手法である「作業置換型」では、導入コストが高額になっていました。
しかし、産官学で形成される技術検討を行い「機能展開型」のシステム開発。
これにより、従来見込まれていた4500万円のコストを約2700万円に抑えることに成功。ロボット導入コストの大幅な削減を実現しています。
(3)切り替えレス多品種対応自動化ラインによる生産プロセス効率化
規模 | 中小企業 |
業種 | 化粧品製造業 |
課題 | 人件費の増大や目視検査による検査品質のばらつき |
ロボット導入箇所 | メイクアップ化粧品の仕上げ包装工程 |
導入ロボット | パラレルリンクロボット(ファナック・M-1iA) |
投資額 | 1億9,900万円 |
投資回収 | 3.6年 ※5,688万円/年の効果省人効果:21.5人/日(28.5人-7人) (従来14,000個/19人=736.8個/人) (21,000個生産要員として28.5人/日) 効果:21.5×260千円=5,590千円/月 稼働率他加味し、5,688万円/年の効果 |
メイクアップ化粧品の中身の製造から、充填、仕上げ・包装工程までを行う同社。
近年の品質への高度な要求にこたえるため、検査機器の導入や人員の追加などを行ったことで、生産コストが増加。
さらに、慢性的な人材不足もあり、生産性が低下していました。
そこで「変種変量生産」仕上げ包装工程に、複数のロボットを導入。
パラレルリンクロボットが本来持っている柔軟性やロボットビジョンを活用し、変種変量生産に対応出来るロボットシステムを構築しました。
これにより、システムインテグレーション費用を従来の500万円から、20万円へと大幅に削減。
また、段取り替え時間の大幅な低減に寄与しています。
(4)自動搬送ロボット導入による料亭の接客サービスの効率化
規模 | 大企業 |
業種 | 飲食店サービス業 |
課題 | 人手不足・長時間労働 |
ロボット導入箇所 | 人の手による料理の搬送作業 |
導入ロボット | 自動搬送ロボット (シャープ・XF-ZZ048(本体)/XF-ZZ536) |
投資額 | 2,800万円 |
投資回収 | 2.4年 ※1,170万円/年の効果1日当たり人件費削減32千円×365日=1,170万円/年 |
日本料理店としての付加価値の要素である「接客」「調理」。
この時間を十分に確保しつつ、効率化と付加価値創出を両立するため搬送ロボットの導入を決定しました。
同店における料理の運搬・配膳業務の自動化を実現することで、接客業務の約20%を占めていた投入労働量の削減。
「接客」により多くの接客人員を投入することで付加価値の抄出・向上と、生産性向上を図りました。
結果、搬送作業にとらわれる人員・時間が短縮。その時間を接客接遇などに回せたことで、お客様の満足度向上など、人手不足による問題点が改善できました。
また、「ロボットの活用方法について従業員同士がアイデアを出しあうようになり、店舗のチームワークが向上した」という効果も生んでいます。
4.ロボットシステムインテグレータの導入プロセス
導入事例でロボットシステムを導入するメリットが具体的にご理解いただけたかと思います。
ここではロボットシステムインテグレータを導入するにあたり、理解しておきたいことや、抑えておきたいポイントをご説明していきます。
(1)ロボットシステムインテグレーション導入プロセス標準(RIPS)とは
「ロボットシステムインテグレーション導入プロセス標準(RIPS)」とは、最適な手順でロボットシステムを導入できる工程管理手法のことをいいます。
工程管理の標準を定めた理由は下記の通りです。
今まで工場の自動化を行なう際、ロボットシステムの導入において標準的な構築プロセスを管理する手法が存在していなかった。
そのため、顧客との合意形成が曖昧で、構築終盤での認識の食い違いにより、変更・追加改修などの手戻りが発生するという問題があった。『ロボットシステム インテグレーション 導入プロセス標準:2 背景・問題点
当然ながら、ロボット導入の際には、ロボットシステムインテグレータが、提案・事前検証・見積もり・流れの説明、設置、使い方の説明などをいたします。
しかし、一方的に任せるだけではなく、依頼する側も流れの理解をすることで、お互いの認識の違いを減らすことができます。
また、プロセスごとの完了基準を明確にすることで分割検証も可能になり、手戻りなどによる双方の負担軽減にもつながります。
下記では、ロボット導入の標準的な流れをご説明していきます。
ただ、ロボットシステムインテグレータによってやり方は異なるので、あくまで参考程度で理解しておきましょう。
(2)ロボットシステムインテグレーションの導入プロセス
下記に引合(お問い合わせ)から導入までの流れを説明しています。
下記では、上記の図を詳しく説明しています。
それぞれの段階ごとに、どのような作業があり、ロボットシステムを導入されるのかを確認していきましょう。
①検討・引合
まずは、ロボットシステムの導入を検討している企業が「どのような作業を自動化したいのか」「設備導入の予算」「導入時期」などの、ロボットシステム導入の目的を明確化しておくことをお勧めします。
具体的な運用イメージ、解決を目指す課題などをロボットシステムインテグレータに伝えることで、より生産現場のニーズに合ったものになります。
ロボットシステムの導入を検討している顧客・企業は、必要な要件をまとめ、発注先候補のロボットシステムインテグレータに依頼するため提案依頼書(RFP)を作成します。
自社内に生産技術部門を持たない中小企業や、はじめてロボットシステムを導入する場合は、ロボットシステムインテグレータに相談し、一緒にRFPを作成していってもよいでしょう。
顧客が求めるイメージと、提案された導入イメージが合致すれば企画構想のステップへと進みます。
②企画構想
ロボットシステムインテグレータがシステム全体を検討し、ロボットシステムの構想や業務・機能の必要条件を明確にしていきます。
その後、導入目的や運用イメージなどをまとめ、見積仕様書を作成します。
あわせて、正式見積書を作成・提示し、顧客からの発注を受けて、晴れてプロジェクト化となります。
また、具体的な情報の提示が必要となるため、この段階で秘密保持契約を交わす必要があります。
③仕様定義
3D図面・シミュレーションツールを活用し、ロボットシステムインテグレータがより詳細な運用イメージを顧客に提示。
システムの運用イメージ、作業内容・範囲が明確になるため、最も重要なプロセスとなります。
システムインテグレータが双方の合意資料として、「納入仕様書」や「製作仕様書」を作成。
また、システムの全体像が明確になるため、見積もりの補正が必要になることもあります。
④基本設計・詳細設計
この段階で基本となるコンセプト設計を行い、システムの方針を明確化していきます。
あわせて、その後のプロセス「総合テスト」で行う項目を立案します。
また、自動化設備の安全リスクを明確にし、安全対策について顧客の合意後に設計に反映させます。
その後、ロボットシステムインテグレータが購入品の手配し、製造に取りかります。
この段階で、基本設計の内容を掘り下げ、より具体的なシステムの定義づけを行います。
同時に出荷前テスト仕様を設計し、製造へと移っていきます。
⑤出荷前テスト
出荷前テストでは、詳細設計で立案したシステムの連係動作を確認・検討していきます。
単体での動作確認を行ったロボットを組み合わせ、システムとして問題がないか確認していきます。
ロボットシステムインテグレータによる出荷前テストの完了後に、顧客・ユーザーとの立会検査を実施。
検査が完了したら、現場・据え付け先での設置作業へと移ります。
⑥総合テスト
立会検査が済んだロボットシステムを現場へ搬入、設置・調整を行った後、ロボットシステムインテグレータによる動作検証を行います。
基本設計時に立案した項目のほかに、テスト環境の問題により出荷前テストで確認できなかった内容を重点的に検証します。
⑦ユーザーテスト
ロボットシステムの本格的な稼働の前に、企業・ユーザーが対象数量を減らして動作確認を行います。
性能・運用性・信頼性・安全性・メンテナンス性などとともに、不具合発生時の対応方法も確認していきます。
問題がなければ、晴れて本格稼働スタートとなります。
5.ロボット導入に活用したい補助金とは?
ロボットシステムインテグレータに依頼をしてから、ロボットシステムを導入するまでの流れを説明してきました。
導入に際し、一番頭を悩ませるのが導入費用でしょう。
ロボット本体に加え、周辺機器・設備などを含めると、大きいコストがかかる場合があります。
その時に頼りになるのが「補助金」です。
条件を満たした企業(事業提案)に対し、ロボットシステムの導入費用にあてることが可能な補助金がいくつか用意されています。
ここからは、2020年度以降でロボットシステム導入に利用したい補助金について説明していきます。
※2019年までに多くの補助金が終了しています。
補助金はいつまでも続くものではないので、導入を決めたら早めに申請をオススメします。
(1)システム導入に利用したい補助金「ものづくり補助金」
中小企業・小規模事業者が生産性向上を目的に導入された補助金です。
革新的サービスの開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うため、設備投資などの一部を支援する目的で中小企業庁が実施しています。
こちらのサイトで詳しく記載されているので参考にしていただければと思います。
①企業間データ活用型
複数の中小企業または小規模事業者が、事業者間でデータ・情報を共有し、1つの連携体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクトを支援。
補助上限額:1,000万円/者、補助率:2/3
②一般型
中小企業または小規模事業者が、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善のために必要な設備などを支援。
補助上限額:1,000万円、補助率:1/2
③小規模型
中小企業または小規模事業者がおこなう、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を支援。
上限額は500万円と、小規模な設備投資に対応しています。
補助上限額:500万円、補助率:小規模事業者2/3、その他1/2
また、上記以外にも産業用ロボットの導入をサポートしてくれる補助金制度があります。
(2)産業用ロボットの導入の際に受けられる補助金制度
①生産性向上特別措置法
2018年に施行した「産性向上特別措置法」に、「先端設備等導入計画」が措置されました。
これにより、対象者は地方税法において、固定資産税の特例を受けることが可能となります。
この制度による固定資産税の削減件数は2018年9月30日の時点で1,566自治体・14,272件にも上ります。
②中小企業経営強化税制
中小企業・小規模事業者は、経営力向上のための人材育成、財務管理、設備投資といった取り組みを申請、認定を得ると固定資産税の軽減措置や各種金融支援が受けられます。
また、対象設備に「器具及び備品」が追加され、幅広い領域での適用が可能となっています。
③固定資産税の特例(軽減)措置
④中小企業投資促進税制
中小企業における生産性向上を目的に、一定の設備投資を行った場合に税額控除(7%)または特別償却(30%)の適用が認められます。
⑤コネクテッド・インダストリーズ税制(IoT税)
※本税制は令和2年3月31日をもって廃止することが決定しています。
2018年6月に創設されたこの税制は、一定のサイバーセキュリティ対策が講じられたデータ連携、活用により生産性向上の取り組みに関する事業計画を作成し、認定を受けることで税制措置が適用されます。
この制度は、要件を満たしていれば業種や資本規模による制限はありません。
生産性向上の実現のために、産業用ロボット、ロボットシステムの導入を検討している方で、「設備投資コスト」の問題で二の足を踏む方も多いではないでしょうか。
国や地方自治体では、こうした中小企業が抱える悩みを解消し、「中小企業の生産性向上」を目的とした支援を行っています。
システム導入の際には、ご自身の会社が対象となる支援制度を確認し、積極的に活用することをおすすめします。
現在、申請・募集期間は終わっていても、次年度に改めて募集を始める補助制度もあります。
常々、最新の情報をチェック、または、システム導入の相談の際に併せて、ロボットシステムインテグレータに確認してみるのもよいでしょう。
6.おすすめのロボットシステムインテグレータ4選
では、ロボットシステムインテグレータに依頼するときはどのようなところがいいのでしょうか?
ここでは、おすすめのロボットシステムインテグレータ4選についてご紹介します。
たくさんの中から選びたい、という方はSIer協会の会員企業一覧をご覧ください。
(1)株式会社FAプロダクツ(北関東最大級のロボットSIer)
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。
【ポンチ絵とお見積りのサンプル】
テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
業界最大級の画像処理検証施設を開設!
「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
(2)株式会社オフィス エフエイ・コム
業種・業態問わず、FA業界のリーディングカンパニーとして、企画構想から制作加工、製造組立、導入、工事の立ち合いまで…オートメーション化における全行程をワンストップで行っています。
その規模も1億円規模のラインビルディングから、1,000万円以下の単体装置実装まで…幅広い領域を担当。メーカーの国内外問わず、最先端機器を扱っています。
自動車メーカーの大手の研究所や工場が周りにあるので、自動車メーカーのロボット制御、検査装置などがメインでしたが、大型倉庫の物流管理システムや業界でも大手の会社の医療系システム、製造業のための生産管理システムなどへもビジネスを拡大しています。
栃木以外に東京、大阪、福岡に営業の拠点があり、栃木と名古屋に工場があります。
電話番号:0285-41-1140
栃木県小山市楢木293-21 小山南工業団地内
http://www.office-fa.com/
(3)筑波エンジニアリング株式会社
茨城県にある生産設備の自動化・省力化のプロフェショナルの会社です。
設立したときから茨城県の地元に根付き、工場の生産システムの省力化などを行ってきました。
機械設計から電気設計、組立配線、部品加工、プログラミング、現地据付、アフターサービスまで、社内で全て一貫して対応しています。
周りの地域のユーザー以外に、東北地方や東海地方、外国からも引き合いがあります。また、中国、タイ、ベトナムの会社と提携するなど、グローバルにビジネスを展開しています。
茨城県稲敷郡阿見町阿見原5445-8
TEL : 029-840-2455
https://www.syouryokuka-kikai.com/
(4)株式会社山和エンヂニアリング
自動車部品の加工、OA機器、液晶関係などの全てのジャンルの省力化、自動化機械の設計・製作を行っています。
受託生産がメインのエンジニアリング事業部の仕事量を平準にして、経営基盤を強くするため、栄養補助食品を製造、販売する粉体事業部を発足しました。
強みは、電気系設計部門を自社の工場の中に持っており、製品設計から組立、試運転までのプロセスの全てに対応できることで、今までに約3000種の機械・装置を手掛けています。
群馬県高崎市上豊岡町575番地15
TEL.027-344-1260
https://www.sanwaeg.com/
5.ロボットシステム導入のご相談はFAプロダクツへ
ここでは、ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)とは、ロボットシステムインテグレータに依頼するメリット、ロボット導入に活用したい補助金、おすすめのロボットシステムインテグレータ4選についてご紹介しました。
ご自身の製造現場の課題を解決のためにロボットシステムの導入をお考えの際には、エキスパートである「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)」に相談してみるのがおすすめです。
ご検討の際はぜひ、株式会社FAプロダクツまでお気軽にご相談ください。
関東最大級のロボットシステムインテグレーター ロボットシステムの設計から製造ならお任せください
050-1743-0310 営業時間:平日9:00-18:00