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装置に関する記事

ヒートシール検査装置とは?製造工程や欠陥検査+メーカー5選

1.はじめに

袋詰めの食品やカップ食品の袋や容器は、シールで密閉されています。
このシールは簡単には開かないこと、しかし、開けようとしたときはすんなりと開く、という何とも厄介な条件で作られています。

製造者から見れば、衛生上、外部から異物が入らない、中身が飛び出ないために、固くシールした方がよいでしょう。
一方、消費者サイドからは、安全は確保した上で、簡単に開いてくれないと使い難いという、一種のわがままな要求があります。

そんな要求のもと作られた袋のシール方法が、ヒートシールです。
このコラムでは、そのような難しい要求に応えるヒートシール検査装置についてご紹介します。

また、ヒートシール検査装置をラインに追加して、
・省力化、省人化してコストダウンしたい
・生産性アップして売上を上げたい

・人的ミスを減らして品質価値を高めたい
・どのメーカーの検査装置を使えば効率的かわからない
場合は、関東最大級のロボットSIer、FAプロダクツまでお問い合わせください。
ヒートシール検査装置の導入が得意な技術者が、最適なご提案をさせていただきます。

また、外観検査などの自動化をご検討の際は、ルール型の画像処理からAIによる画像処理までワンストップで対応する「画処ラボ」もご活用ください。

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「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。

2.ヒートシールとは?

(1)ヒートシールについて

ヒートシールは、基本としては、2枚のフィルムを貼り合わせる技術です。
2枚のフィルムが基本ということは、複数のフィルムを貼り合わせた合成フィルムや、アルミを貼り合わせたレトルト食品の材料のようなものの張り合わせも、ヒートシールが使われるからです。

図1は、ヒートシールのイメージを紹介している図です。

図1 ヒートシールとは

図1の左側が2枚のフィルムの張り合わせ、右側がカップ容器にフィルムを貼り合わせるイメージです。

(2)ヒートシールの製造工程

図2では、ヒートシールを使って、包装袋が製造される過程のイメージです。

図2 包装袋製造工程

図2の包装は、合掌袋の製造過程で、次のようになります。

  1. フィルムを切り取ります
  2. 切り出したフィルムを丸めます
  3. フィルムの背面をヒートシールで接合します
  4. フィルムの底面をヒートシールで接合し、合掌袋が作成されます
  5. 袋の中に内容物を充填後、フィルムの上面をヒートシールで接合します

(3)ヒートシールの方式

図3で、ヒートシールの方式例について、紹介しましょう。

図3 ヒートシール方式例

  • プレートシール方式
    2つのプレートの片方のプレートを加熱状態とし、2枚のフィルムを圧着して接合する方式です。
  • インパルスシール方式
    2つのプレートの加熱側のプレートに、ニクロム線を付属し、接合するときに電圧をかけて加熱し、2枚のフィルムの接合を行う方式です。
    接合時だけ電圧をかけるため、省エネという利点もあります。
  • ローラー圧着方式
    2枚のフィルムに加熱側のプレートで加熱して送り出したのち、ローラー側で圧着して接合し、巻き取る方式です。
    加熱する際は、非接触で加熱されます。

ほかにも、超音波でヒートシールする方式など、いろいろなヒートシール方式があります。

ヒートシールは熱でフィルムなどの素材を溶融して接合しますが、簡単には開かず、しかし開け易いという接合が要求されます。
そのため、加える温度をうまくコントロール必要がありますが、「熱量」が素材の性状や多層フィルム状態などで大きく変わるため、繊細な温度管理が必要になります。

フィルム(シート)検査装置とは?欠陥の種類や、おすすめ工場5選

3.ヒートシールの不具合とは

(1)ヒートシールを使った袋・容器の試験

ヒートシールするにあたって、
・破れて中身が飛び出ない
・異物を噛みこんでいない
など、特に食品を入れる袋を製造するときは、安全から品質を維持する要求があります。

ヒートシールを行うときの検査方法は、JIS Z 0238「密封軟包装袋の試験方法」で規定されています。この検査項目を表1で紹介します。

表1  JISによる検査項目

検査項目 検査内容
袋のヒートシール強さ 内容物を詰めた袋のヒートシール部分の強さ。
容器の破裂強さ 内容物を詰めた容器のヒートシール部分の強さ。
落下強さ 内容物を詰めた袋・容器が自由落下の衝撃に耐える強さ。
耐圧縮強さ 内容物を詰めた袋・容器が上下方向の圧縮荷重に耐える強さ。
漏えい 内容物を詰めた袋・容器から外力などで内容物が外部へ漏れないこと。または、袋・容器外部から内部へ液体などが浸入しないこと。

JISの試験項目のいずれもが、食の安全を守るために重要な項目であると分かります。
ヒートシール検査装置は、これらの項目の検査を行います。

(2)ヒートシールを使った袋・容器の製造中の不具合検査項目

表1の検査項目は、ヒートシールの設計上、これらの問題が起きないことの検査です。
一方、袋を製造し、ヒートシールした後に起こる不具合があります。図4で、その例をいくつか紹介します。

図4 ヒートシール不具合例

  • 噛み込み
    シール内に内容物を噛みこむ不具合です。
  • ピンホール
    シール内にピンホールがあると、食品の腐敗や湿気が入るなどの問題が生じます。
  • シワ
    シール部が二重になってシワが入るなどで起こる不具合です。
  • シール不良
    シールの形状にバラツキが出る不良です。

これらのヒートシールの不具合を検出するものが、ヒートシール検査装置です。
検査装置のイメージを次に紹介します。

4.ヒートシールの検査装置

(1)ヒートシール検査方式

ヒートシールの検査方式の例を、図5のイメージ図で紹介します。

図5 ヒートシール検査方式例

図5では4種類の例を挙げていますが、そのほかにもいろいろな検査方式、検査装置が研究・開発されています。
検査方式によってそれぞれの特徴があり、それを表2で紹介します。

表2 ヒートシール検査方式の特徴

ヒートシール検査方式 特徴 備考
赤外線検査 赤外線センサによって、シール直後のシール面温度を測定し、シールの良否を検査する 検出された温度分布と、設計上の温度分布を比較することで、良否が判定できる
X線検査 検査対象を透過するときのX線の減衰量測定するため、異物検出、厚みの変化の検知に向いている
超音波検査 検査対象の内部の剥離などの検査に向いている
可視光検査 光の透過・反射・回折などの性質を利用し、目視検査と同じように検査現象を直感的に捉えられる 透過力がないため、袋状軟包装容器検査には向かない

ヒートシールの検査方式によって、検査できる内容に得意・不得意があります。
同時に、検査対象の形状でも得意・不得意があります。
そのため、何を検査するかで、検査方式を選ぶことが重要です。

【図解】X線検査装置とは?原理や価格・シェア上位メーカー8選

【図解】超音波検査装置とは?具体例やX線との違い+工場5選

(2) 製造ラインに設置されるヒートシール検査装置

図6では、包装ラインで包装袋に内容物を充填して製品とする出荷するイメージを紹介しています。

図6 包装ライン製造工程イメージ

図6の製造工程では、次のような工程でラインが流れます。

  1. 包装袋が製作されます。
  2. 包装袋に充填機によって内容物が充填されます。
  3. ヒートシーラーによってシールされます。
  4. ヒートシール部の検査を行い、OKであれば製品として出荷されます。

図では、検査装置がヒートシールの検査のみ行っているように描いていますが、全体的な検査、袋の破れなどの外観検査も、専用の検査装置でチェックされます。

【図解】外観検査装置とは?検出できる欠陥の種類やおすすめの工場5選

5.ヒートシール検査装置関連メーカー・SIer5選

株式会社FAプロダクツ

【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。

また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。

【ポンチ絵とお見積りのサンプル】

テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。

また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。

業界最大級の画像処理検証施設を開設!

「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。

【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/

【営業品目】

  • 産業用ロボット
  • 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
  • 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
  • 治具の設計・製作

【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

②ヤマハファインテック株式会社

https://www.yamahafinetech.co.jp/

ヒートシール検査 ヤマハファインテック写真は、ヤマハファインテック社製ヒートシール検査機SST-001です。

 

【所在地】
静岡県浜松市南区青屋町283
TEL:053-467-3600

【営業品目】
カーパーツ事業部:高級車内装用加飾パネルの開発・製造・販売
FA事業部:検査機・加工機等の生産設備・装置の開発・製造・販売

【特徴】
ヤマハファインテック社は、生産設備・FA・部品生産の各工程を結ぶ総合エンジニアリングです。1987年にヤマハ社の生技事業部金型部が独立したところから始まり、2000年にFA事業開始、2015年に超音波事業開始し、現在に至っています。
同社のヒートシール検査機は、同社の得意とする超音波技術を駆使した検査装置です。この検査機の非接触・ハイスピード・パウチ熱ヒートシール検査は、レトルト食品パウチのヒートシール部を触らずに欠陥の検査を行います。
さらに、高速ラインに組み込んで使用しても、生産の流れそのままに確実な検査を行うことが特徴です。

③サイエナジー株式会社

http://scienergy.jp/

ヒートシール検査 サイエナジー写真は、サイエナジー社製軟X線検査装置FIX-5です。

【所在地】
神奈川県相模原市中央区宮下2-21-16
TEL:042-703-5890

【営業品目】
X線センサシステムの製造・販売
軟X線検査装置の製造・販売
研究実験用部材(ガス電子増幅器) の製造・販売

【特徴】
サイエナジー社は、2005年に創立しガス電子増幅器の販売を開始し、2010年から食品・医薬品業界へ軟X線シール検査装置の販売を開始しています。その後、この軟X線に関する検査装置、センサを開発、技術向上を図り、現在に至っています。
同社の軟X線検査装置FIX-5は、ヒートシール部の噛み込みやシワを検出する検査装置です。軟X線はX線の中でもエネルキーが低く透過力が弱いX線で、減衰したX線を使用するため包材フィルム・低密度の噛み込みを判別できる特徴があります。
そのため、軟X線を使うFIX-5は、噛み込み検査に特化した検査装置です。

④株式会社イシダ

https://www.ishida.co.jp/ww/jp/

ヒートシール検査 イシダ写真は、イシダ社製光学式かみこみ検査装置 IVIS-GEです。

【所在地】
京都市左京区聖護院山王町44番地

【営業品目】
食品製造工場、弁当・惣菜製造工場、非食品製造工場:
計量・包装・印字・検査・搬送
物流:
在庫型物流センター、通過型物流センター

【特徴】
イシダ社は、1893年にはかりの専門メーカーとして創業し、1970年代に電子式はかり、ロードセルを開発するに至っています。1980年後半から、包装に関する事業を展開し、包装機械や検査装置事業を拡大しています。
同社の光学式かみこみ検査装置IVIS-GEは、近赤外線を使い同社の画像処理技術を活かし、従来X線検査装置では検査が難しかった包装材シール部の噛み込みを検出する検査装置です。
IVIS-GEで使う画像処理技術は、生物界の遺伝・進化メカニズムを画像処理のアルゴリズムに応用したGA(遺伝的アルゴリズム)を利用するところに特徴があります。

⑤鎌ヶ谷製袋株式会社

http://www.kamagaya-seitai.co.jp/

ヒートシール検査 鎌ヶ谷製袋写真は、鎌ヶ谷製袋社製 製袋シール検査装置けんさくんです。

【所在地】
千葉県松戸市中根長津長17
TEL:047-364-2968

【営業品目】
・製袋
三方製袋及び二軸三方、スタンドパウチ袋、スタンドパウチ+チャック袋(Wチャック)、三方チャック袋、上記製袋を含む特殊製袋(特殊シール)、上記製袋のカット・抜き・ビグ抜きなど
・エアー式製袋ヒートシール検査装置 けんさくん

【特徴】
鎌ヶ谷製袋社は、1974年に創業し、食品包装・医療品外装・電子部品外袋など幅広い袋の製造に取り組んでいます。同社の工場は、外気を完全にシャットアウトする空調管理によって、ホコリが侵入できる余地を残していません。
同社の製品検査は、独自で開発した製袋検査機を使用し、原反の不良製造抑制・不良出荷ゼロに取り組み、さらに、製造時データをデータベース化し、安定した製品づくりに取り組んでいます。
そのような検査装置が「けんさくん」で、製袋製品に内圧ガスを注入してガスの漏出をセンサで測定し、シール不良を検出する検査装置です。そして、製袋のシール性・ピンホール・傷の検査への対応も、特徴の1つです。

6.ヒートシール検査装置導入のご相談はFAプロダクツ

2枚のフィルムを重ね合わせて接合するヒートシールは、一見、単純そうに見えますが、微妙な温度コントロールや、接合後の不具合発見のための検査方法など、非常にデリケートな問題を抱えています。
さらには、温度や検査方式などが、フィルムの材料や形状によって変わってしまうという問題、すなわち袋やカップを製造するメーカーごとに異なってくるという問題も抱えています。
そのため、包装袋メーカーや検査装置メーカーの持つ技術やノウハウが、ヒートシールを作るカギと言っても過言ではありません。

もし、ヒートシールの作成や検査方法などで困っていることがあれば、ノウハウを持つメーカーに相談してはどうでしょうか。
案外簡単に、悩みを解決する糸口が見えるのではないでしょうか。

各種検査装置の導入をご検討の際は、お気軽にFAプロダクツまでご相談ください

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