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装置に関する記事

液晶検査装置とは?液晶の構造や、おすすめ検査装置メーカー5選

1.はじめに

現在、私たちの身の回りにあるスマホやテレビ、パソコンなどの機器で使用される画面は液晶ディスプレイです。
液晶以外のものもあって、将来、何が最も普及するかは未知数ですが、今は、液晶が最もなじみ深いでしょう。

かつては、液晶が登場する前のディスプレイと言えば、ブラウン管テレビしかないような時代でした。液晶で最も印象的なことは、1973年、電卓の表示に液晶が採用されたことでしょう。それまで電卓は蛍光表示管による表示でしたが、シャープがこれを打ち破り、液晶電卓を発売しました。これはNHKのプロジェクトXでも放映され、中島みゆきのテーマソングとともに現れ、感動を呼んだものです。

それから約半世紀、おもちゃも含め機器と呼ばれる多くのものは、情報を表示させる窓が付帯し、液晶で有用な情報が表示されます。
このコラムでは、液晶とは何か?から始まり、その構成と液晶検査装置についてご紹介します。

また、液晶検査装置を製造ラインに追加して、
・省力化、省人化してコストダウンしたい
・生産性アップして売上を上げたい

・人的ミスを減らして品質価値を高めたい
・どのメーカーの検査装置を使えば効率的かわからない
場合は、関東最大級のロボットSIer、FAプロダクツまでお問い合わせください。
40人以上の技術者が最適なご提案をさせていただきます。

また、外観検査などの自動化をご検討の際は、ルール型の画像処理からAIによる画像処理までワンストップで対応する「画処ラボ」もご活用ください。

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「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。

2.ディスプレイの表示とは?

液晶の話を始める前に、ディスプレイに文字や画像を表示させることについて、ご紹介します。図1にディスプレイで表示させるには、についてイメージを描いています。

図1 ディスプレイで表示させるには
画面は画素という白黒の濃淡や色を表示する単位が、画面の解像度、例えば720ピクセル×1280ピクセルのように表しますが、この場合は約100万個の画素が画面上で表示されます。ディスプレイでは、画素ごとに光を出すスイッチがオン/オフを選択し、電気調整量にしたがった光量を出します。
これで1画素の表示がされ、同じように他の画素にも同時に光量が出され、画面表示となります。

3.液晶ディスプレイの構造

前章で紹介したディスプレイを液晶に置き換え、その構成を見てみましょう。
図2で紹介するのは、液晶ディスプレイの構成のイメージ図です。

図2 液晶ディスプレイの構成

図1と比較してみると、画面表示のスイッチと電気量を調整する回路は、図の「画素電極+TFT」というところです。TFTはトランジスタの1種で、半導体と同じように作られます。
光はバックライト基板から送られます。また、偏光板は、単に光を機械的に通すこと、光を遮断する役目の基板です。
図1と比較して、光量を調整するものが図に書いていませんが、「画素電極+TFT」と「対向電極板」という2枚の基板の間に、液晶が封入されます。
したがって、光量を送るか否か・光量を調整する役目が、液晶です。

4.液晶とは

いよいよここからが、本題の液晶の紹介です。

(1)液晶とは

図3で、固体・液体・液晶分子の並びの違いを紹介します。

図3 液晶とは
液晶は、固体と液体の性質をもつ、分子です。
個体分子は、分子の方向が決まていて、整然と並んでいますが、液体分子は、てんでばらばらな方向を向いています。
液晶分子は、固体ほど整然と方向を合致して並んでいませんが、ある程度方向をもって並んでいます。液晶分子は、固体と液体の性質を併せ持つ分子です。

(2)液晶と電界の関係

図4でご紹介するものは、液晶に電気を通したときの挙動です。

図4 電界による液晶の挙動

電極間に縦の方向に並ぶ液晶分子を置いたときに、電極の回路に電気を通すと、電極間に電界が生じます。
すると、液晶分子は、電解の方向に向きを変えます。これが、液晶分子の性質の1つです。

(3)液晶による表示の仕組み

この液晶の性質を使って、ディスプレイに応用した仕組みを紹介する図が、図5です。

図5 液晶による表示仕組み

この図では「画素電極+TFT」の電極をイメージする基板は、見やすくするため省いていますが、実際は、図2のような構成になっていると、想像してください。

液晶は、配向膜という基板の間に封入されています。配向膜は、図中で拡大図と書いている部分で示すような、細い溝が付いています。

そうすると液晶は、液体の性質がありますから、溝に横たわる形になります。下側の配向膜に対し、上側の配向膜は90°ずれて配置されますので、上側にある液晶は、上側の溝に沿って横たわります。

すると、配向膜の間にある液晶分子は、下から上に行くに従って、捻じれたようになって存在します。
次に、下から光が入ると、光も液晶に沿って、捻じれて上から出ていきます。出た光は、ディスプレイの表示になります。

この状態から電極間に電界を生じさせると、液晶分子は電界と同じ方向に向き直ります。すると、下から来る光も液晶に沿って、まっすぐに上側に達します。
しかし、光の入口と出口の間には、偏光板があって、それぞれ90°ずれたスリットが入っています。

そのため、下の偏光板を通り抜けた光も、上側の偏光板では遮断されることになり、この状態は、ディスプレイの表示がオフの状態です。

5.液晶ディスプレイの製造工程

図6では、液晶ディスプレイの製造工程を紹介します。

図6 液晶ディスプレイ製造工程

液晶ディスプレイの製造工程は、TFTアレイ工程、カラーフィルター工程、セル工程、モジュール工程を経て、ディプレイ製品が完成する工程です。

  1. TFTアレイ工程
    TFTと電極の基板の製造工程です。TFTは半導体と同じように、マスクを設計製作して製造されます。
  2. カラーフィルター工程
    カラーは、RGBカラーレジストを使って、露光と現像を繰り返し、電極基盤を加える工程となります。
  3. セル工程
    TFT基板と、カラーフィルター基板を貼り合わせ、液晶を封入する工程です。
  4. モジュール工程
    セル工程でできた基板に、バックライト、ドライバIC基板を取り付け、入出力端子基板を設置し、液晶ディスプレイが出来上がります。
  5. 完成品出荷
    最終検査後に、出荷されます。

6.液晶検査装置とは

図6では、液晶ディスプレイの製造工程について、ご紹介しましたが、5つの工程のどの部分でも、工程終了後に、検査が行われます。そこに使用されるものが、液晶検査装置です。

図7に液晶清掃工程と、工程ごとに使用される液晶検査装置の例を挙げています。

図7 液晶検査とは
実際に使われる、検査装置は、種類と液晶製造メーカー、検査装置メーカーごとに、いろいろな検査装置が出され、製造の特色に合わせた検査装置が適用されています。

表1に液晶検査装置の例をご紹介しましょう。

表1 液晶検査装置例

工程 液晶検査装置名称 検査方法
全工程 自動外観検査装置 位置・有無・形状・OKかNGの検査と判定を行います。
アレイ工程 パネル検査装置 アレイ基板の点灯確認を行います。
アレイテスタ 回路の機能検査、断線やショート部位の検出を行います。
カラーフィルター工程 色ムラ検査装置 表示ムラを自動検出します。
カラーフィルター欠陥修正装置 突起状欠陥・異物・画素や配線パターンの欠けの修正を行います。
セル工程 シール断線検査装置 基板の全面に渡ったシール断線を検出します。
モジュール工程 パネル検査装置 点灯確認を行います。
自動パネル検査 テストパターンを表示させ、パネル動作・点欠陥・線欠陥・色度・色ムラ・コントラストの検査を、自動で行います。
FPD完成 組立後検査装置 点灯確認、電気信号を調整します。

表1の検査装置の検査装置名称の一般的な名称がないため、一部、メーカーの名称をそのまま使っているものがあります。
ただし、メーカーによっては、同じ検査内容でも、検査装置名称が異なる場合もあるため、参考として見てください。

図8は、FPD完成後の液晶検査装置のイメージ図です。

図8 液晶検査装置例
完成検査では、完成したディスプレイの画面表示状態を確認するために、入力装置を接続し、点灯検査を行います。検査装置によっては、点灯検査の他に、画面の傷などを検査する外観検査を併せ持つ機種もあります。

このAOIを付属する液晶検査装置は、アレイ工程、カラーフィルター工程、セル工程でも使用され、欠陥の詳細解析を行い、前工程の異常を発見し、歩止まりを改善することが可能です。

7.液晶検査装置関連メーカー5選

① 株式会社FAプロダクツ

【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。

また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。

【ポンチ絵とお見積りのサンプル】

テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。

また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。

業界最大級の画像処理検証施設を開設!

「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。

【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/

【営業品目】

  • 産業用ロボット
  • 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
  • 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
  • 治具の設計・製作

【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

②株式会社ファースト

https://www.fast-corp.co.jp/

液晶検査装置 ファースト1液晶検査装置 ファースト2
写真は、ファースト社製フラットパネル検査装置FV-pixellenceです。

【所在地】
神奈川県大和市下鶴間 2791-5
TEL:046-272-8680

【営業品目】
◆画像処理事業
汎用画像処理装置、応用画像処理装置、画像処理ライブラリ、開発ツールの研究・開発・販売・保守
◆ソリューション事業
画像応用システムの設計・開発・設置・現調・保守

【特徴】
ファースト社は、1982年に創業し、画像処理技術を駆使したサービスに特化し、その技術力を高めてきました。その後、幾何学情報を利用した高性能位置検出ライブラリ・フラットパネル検査システム・高精度位置決め4軸ステージ制御などの開発と実用化を果たしています。最近の注目は、画像処理技術と自動化システムを併せ持つコンクリート構造物非破壊検査導入です。

同社のフラットパネル検査装置FV-pixellenceは、平面発光ディスプレイの点灯検査、ガラス・フィルム・金属のパーティクル検査・傷・汚れ検査を行う検査装置です。
同社独自の画像処理技術を使い、低コントラストの点・線欠陥・シミ・ムラ欠陥・パーティクルを検出するのが、特徴です。

③株式会社メック

http://www.mecc.co.jp/html/jpindex.html

液晶検査装置 メック写真は、メック社製パネル点灯用信号発生器 USG-103です。

【所在地】
福岡県小郡市福童196-1
TEL:0942-72-7266

【営業品目】
◆ディスプレイ検査・駆動装置の開発、製造
◆ナノファイバー紡糸装置の開発、製造
◆放送通信機器の開発、製造
◆植物工場用の温室の再生・自動制御
◆ケーブルテレビ局の運営・映像制作

【特徴】
メック社は、1973年に創業し、医療機器のメンテナンス事業を開始しています。その後、生体現象写込装置を開発し、1970年後半からCRTブラウン管事業にを手掛け、いろいろな製品を業界に提供しています。現在は、液晶・有機ELパネルの検査装置を開発など、新しい分野への挑戦を続けている企業です。

同社のパネル点灯用信号発生器 USG-103は、FPD用の簡易点灯検査装置で、生産ラインで使用できるリモートボックスも提供します。
本検査装置の特徴は、検査プログラムを簡単に作成・編集できること、新しい生産機種にすぐに対応できることです。自動検査への対応も特徴の一つです。

④株式会社日本マイクロニクス

https://www.mjc.co.jp/

液晶検査装置 日本マイクロニクス写真は、日本マイクロニクス社製自動光学検査装置(AOI)PIXQUIREです。

【所在地】
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-6-8
TEL:0422-21-2665

【営業品目】
半導体計測器具、半導体・LCD検査機器等の開発・製造・販売

【特徴】
日本マイクロニクス社は、1970年に創業してから、半導体検査・精密測定に関する電子計測技術・微細加工技術の製品開発を開始しています。その後、プローブカード・ウェーハマニュアルプローバなどの製品を開発していますが、これらは日本初となる快挙です。

同社のFPD分野では、アレイプローバ・自動光学検査装置(セル・モジュールテスタ)・プローブユニットを提供しています。FPD製造の、TFTアレイ工程・セル工程・モジュール工程のどの工程に対しても、検査装置を提供できる事業体制が取られています。

同社の自動光学検査装置(AOI)PIXQUIREは、大型パネルに対応したセル・モジュール用のテスタです。超高解像度8K4Kパネルに対応できること、CCDカメラによって点欠陥・線欠陥・輝度ムラの自動検出とアドレス特定が可能なこと、検査の完全自動化が可能なこと、これらがこの装置の特徴です。

⑤株式会社ブイ・テクノロジー

https://www.vtec.co.jp/ja/index.html

液晶検査装置 ブイ・テクノロジー写真は、ブイ・テクノロジー社製精密座標測定装置Mercuryです。

【所在地】
横浜市保土ヶ谷区神戸町134横浜ビジネスパーク イーストタワー9F/5F
TEL:045-338-1980

【営業品目】
FPD(フラットパネルディスプレイ)製品、半導体製品の製造に用いられる各種装置の開発、設計、製作、販売及びサービスなど

【特徴】
イ・テクノロジー社は、1997年に創業し、PDP検査装置開発・製造事業から開始しています。1998年に精密座標測定装置、2002年にFPD欠陥検査装置、2005年にFPD用露光装置、2015年にFPDフォトマスク検査装置を販売し、ディスプレイ検査装置事業に深く関わり、著しい功績を残してきました。

同社の精密座標測定装置Mercuryは、FPD製造工程での寸法管理・フォトマスクや蒸着マスクの寸法管理に適した座標測定装置です。
最大3m×3.4mに及ぶ基板をサブミクロン精度で測定可能なこと、数μmの微小画素パターンの寸法測定を必要とするOLED製造に対応できているのが、特徴です。

8.液晶検査装置導入のご相談はFAプロダクツ

このコラムでは液晶について、液晶ディスプレイの原理と製造工程、そして液晶検査装置について紹介してきました。
しかし、液晶のどの分野も紹介したのは、ほんのさわり程度です。実際は、もっと細かなテクノロジーの詰め合わせと言っても過言ではありません。しかも、そのテクノロジーは最新のもので、現在も進化しています。
したがって、この分野に係る事業者は、最新のテクノロジーといろいろなノウハウ・ノウホワイを持ち合わせた事業者ということでしょう。

半導体も同じですが、液晶の事業を取り扱うに当たっては、細心の注意が必要です。ほんのサブミクロン単位の誤りでも、事業が頓挫する可能性があるからです。

そのため、できるだけ知識やノウハウを持ち合わせている先達から情報を得て、事業を進めることが大切ではないでしょうか。

幸い、液晶については、多くのノウハウと経験を持ち合わせた事業者がたくさんいますので、問い合わせてみてはどうでしょうか。
危うく誤るところだったという失敗を、避けられるかもしれません。

各種検査装置の導入をご検討の際は、お気軽にFAプロダクツまでご相談ください

関東最大級のロボットシステムインテグレーター 装置の設計から製造ならお任せください

050-1743-0310 営業時間:平日9:00-18:00

つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317