【一覧表つき】産業用ロボットの特別教育を実施している6団体まとめ
産業用ロボットの特別教育とは、産業用ロボットによる事故のリスク軽減させるために「労働安全衛生法第59条第3項」で定められた特別教育です。原則として産業用ロボットに関わる従業員全てが対象となる法律です。
「労働安全衛生法第59条第3項」 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。 (引用:中央労働災害防止協会│労働安全衛生法 第六章 労働者の就業に当たっての措置 (第五十九条-第六十三条)) |
事業者は、上記法律に従い、従業員に特別教育を受けさせる義務があります。
本記事では、特別教育を受けさせることができるメーカや機関などを一覧でまとめています。詳しい特徴や問い合わせ先も紹介しているので、ご活用いただけると幸いです。また、選び方や特別教育を受けさせるにあたって知っておきたいこともまとめています。
もし、どこで特別教育を受けさせようか迷っている場合は、ぜひFAプロダクツの「Robodemy(ロボデミー)」をご活用ください。
関東最大級のロボットSIerとして培ったノウハウをもとに、現場ですぐに活かせる知識・技能が身につく研修をご提供させていただきます。
目次
1.特別教育を提供している主な企業・協会・ロボットメーカ一覧
ここでは産業用ロボットの特別講習を提供している主な企業・協会・ロボットメーカをご紹介します。以下は、費用や内容をまとめた一覧表です。
なお、労働基準協会では全国に支部があり、各都道府県でコース内容や料金が異なります。例として、コースと料金が異なる静岡県と愛知県の特別教育を紹介します。
内容 | 日数 | 費用 | |
株式会社FAプロダクツ(※対面時) | A:教示コース B:検査コース |
教示コース:2日間 検査コース:2日間 |
教示コース:¥38,500- 検査コース:¥38,500- |
一般社団法人 HCI-RT協会 | A:教示コース B:教示・検査コース |
教示コース:2日間 教示・検査コース:3日間 |
教示コース:¥29,000- 教示・検査コース:¥35,000- |
労働基準協会/静岡県労働基準協会連合会 | 教示コース(学科のみ) | 1日間 | ¥11,650- |
労働基準協会/愛知労働基準協会 | 教示・検査コース | 3日間 | 会員:¥34,980- 非会員:¥40,480- |
ファナック株式会社 | A:教示・操作基本コース B:操作・保守コース(検査) |
教示・操作基本コース:4日間 操作・保守コース:5日間 |
教示・操作基本コース:¥110,000- 操作・保守コース:¥165,000- |
株式会社安川電機 | A:教示コース B:検査コース |
教示コース:2日間 検査コース:2日間 |
教示コース:¥40,000- 検査コース:¥50,000- |
以下より詳しく解説します。
(1)株式会社FAプロダクツ
FAプロダクツは、特別教育の他にもロボット導入までを支援しているSIerです。
特別教育を受けられる「Robodemy(ロボデミー)」を茨城県で開催しており、受講者は(対面時)、教示コース2日間・検査コース2日間講習を受けます。
「Robodemy(ロボデミー)」の特徴は、運営元のFAプロダクツが大手主要メーカのロボットを自社保有しているため、実際に使用するメーカのを選択して実技指導を受けられることです。また個別プランとして学科をオンデマンドで受講できるプランもあり、時間に余裕の無い人でも受講しやすくなっています。※オンデマンドによる受講は現在教示コースのみに対応し、検査コースの学科は2022年5月に開始予定です。
実施場所 | 住所 | 問い合わせ先 |
株式会社FAプロダクツ LABOLABO(ラボラボ) | 茨城県土浦市卸町1-1-1 関鉄つくばビル1階 | 050-1743-0310 |
(2)一般社団法人/HCI-RT協会
社団法人HCI-RT協会では、教示コースは2日間・検査コースは3日間のカリキュラムが組まれています。開催地は大阪府です。ファナック製や安川電機製など、主要メーカーのロボットを保有していて、実際に使用するロボットの実技指導をしてくれます。
実施場所 | 住所 | 問い合わせ先 |
HCI ROBOT CENTER | 大阪府泉大津市田中町10-7 | 0725-90-6206 |
・申し込み案内ページ:https://www.hci-rt.jp/contact/
(3)労働基準協会/静岡県労働基準協会連合会
全国に支部を持つ労働基準協会は、各都道府県で産業用ロボットの特別教育を開催しています。
ぜひ事業所所在地の開催内容を確認してみてください。
例として静岡県労働基準協会連合会では教示コースの「学科のみ」を受講できます。
実技を別途受講する必要がありますが、講義の日数が1日で終わるため、時間の確保が難しい人などでも受講しやすくなっています。
実施場所 | 住所 | 問い合わせ先 |
静基連会館 | 静岡県静岡市葵区鷹匠2-17-5 | 各協会によって異なる(詳しくは、下記Web申し込み案内ページを参照) |
・申し込み案内ページ:https://www.shizukiren.or.jp/course00019.html
(4)労働基準協会/愛知労働基準協会
愛知県では、教示と検査の両方を受講するコースがあります。
動作やメンテナンスを両方できる人材を育成したいときに必要なコースです。講義2日間と実技1日間の計3日間講習を受けます。
実施場所 | 住所 | 問い合わせ先 |
学科会場(ポーラ名古屋ビル) | 愛知県名古屋市中区栄2丁目9-26 | 各協会によって異なる(詳しくは、下記Web申し込み案内ページを参照) |
実技会場(三菱電機) | 愛知県名古屋市東区矢田南5-1-14 |
・申し込み案内ページ:https://www.airouki.or.jp/course/special/sangyo.html
(5)ファナック株式会社
ファナック社では、自社で開発している産業用ロボットを扱う人達向けに産業用ロボットの特別教育を開催しています。
本社がある山梨県と支社がある愛知県の2箇所で受講でき、教示・基本コースは4日間、操作・保守コース(検査)は5日間講習を受けます。
ファナック社では、他にも協働ロボットやCNC機など様々な種類の講習があります。
実施場所 | 住所 | 問い合わせ先 |
ファナックアカデミ | 山梨県南都留郡忍野村忍草3580 | 0555-84-6030 |
ファナックアカデミ名古屋 | 愛知県小牧市西之島1918-1 | 0568-75-0475 |
・申し込み案内ページ:https://www.fanuc.co.jp/ja/training/schedule/index.html
(6)株式会社安川電機
安川電機社は、自社で開発している産業用ロボットを扱う人達向けに産業用ロボットの特別教育を開催しています。
関東2箇所を含む計5箇所から受講でき、教示コースは2日間・検査コースは2日間講習を受けます。
実施場所 | 住所 | 問い合わせ先 |
関東大宮教室(安川電機 関東ロボットセンタ 3F) | 埼玉県さいたま市北区宮原町2-77-3 | 048-871-6923 |
関東入間教室(安川電機 入間事業所 ソリューションセンタ8F 第5トレーニングルーム) | 埼玉県入間市上藤沢480番地 | 048-871-6923 |
関西教室(安川電機 ロボットスクール関西教室) | 大阪府吹田市末広町21-50 | 06-6317-0550 |
中部教室(安川電機 中部支店 3F) | 愛知県みよし市根浦町2丁目3番地1 | 0561-36-9450 |
九州教室(安川電機 八幡事業所 ロボット第1工場) | 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2-1 | 093-645-8936 |
・申し込み案内ページ:https://www.e-mechatronics.com/support/school/robot/course.html
2.産業用ロボットの特別教育の選び方
特別教育は、以下2つを意識すると選びやすくなります。
- 受講する組織から選ぶ
- 受講するコースから選ぶ
以下より詳しく解説します。
(1)受講する組織から選ぶ
産業用ロボットの特別教育は、「企業」「協会」「ロボットメーカ」などが数多く参入しています。それぞれにメリット・デメリットがありますので、それらを表にまとめました。
メリット | デメリット | |
企業(SIer) | ・受講しやすい ・職場で使用するロボットの実技指導が受けられる |
・どのロボットを扱っているか確認する必要がある |
協会 | ・全国に支部有 ・受講費が安価 |
・職場で使用するロボットと異なる可能性有 |
ロボットメーカ | ・職場で使用するロボットの実技指導が受けられる ・講習内容が充実している |
・受講費が高額 ・拘束日数が多い ・開催地が限定される |
全国各地の企業が、独自で特別講習を開催するケースが増えてきました(開催している企業は、ロボットセンター検索から調べられます)。企業で受けるメリットは、職場や自宅の近くから通うことができたり、学科をオンラインで受講できたりするなど受講しやすい点です。また、ロボットシステムインテグレーター(SIer)のノウハウを活かした講習を受けられる、職場で使用するロボットの実技が受けられるなど、より実践的な技術を身につけやすいのもメリットとしてあげられるでしょう。
協会は全国に支部があるため、勤め先や自宅からでも通いやすいメリットがあります。しかし実技で使用するロボットが、職場で使用するロボットと異なる可能性があります。事前にホームページ等で確認することをおすすめします。
メーカでは、職場で実際に使用するロボットで実技指導が受けられます。また講習内容が充実してて、基本をしっかり身に付けられます。しかし受講費が他と比べて高額なのと、拘束日数が多くて開催地が限定されることがデメリットです。開催地はメーカの所在地によって異なるため、ホームページ等で確認することをおすすめします。
(2)受講するコースから選ぶ
産業用ロボットの特別教育には以下3つのコースがあります。目的に合ったコースを選びましょう。
- 教示コース
- 検査コース
以下より詳しく解説します。
①教示コース
教示コースは、産業用ロボット動作の順序や位置などの設定方法等を学ぶコースです。「学科のみ」「実技のみ」「学科+実技」の3種類があり、学科と実技の両方を受講して特別教育を修了します。
時間の確保が難しい人など向けに、学科と実技の日程を分けて受講する方法があります。また学科をオンラインやオンデマンドで受講できる企業もあり、FAプロダクツが提供するRobodemy(ロボデミー)もそのひとつです。
②検査コース
検査コースは、産業用ロボットの修理や調整・作業の確認検査などのメンテナンス方法を学ぶコースです。「学科のみ」「実技のみ」「学科+実技」の3種類があり、学科と実技の両方を受講して特別教育を修了します。
時間の確保が難しい人など向けに、学科と実技の日程を分けて受講する方法があります。また、教示コース同様、こちらもオンラインやオンデマンドで学科を受講できる企業があり、FAプロダクツのRobodemy(ロボデミー)でも受けられます。
3.産業用ロボットの特別教育を受けさせるときの留意点
産業用ロボットの特別教育を従業員に受けさせるとき、以下2点の留意点があります。
- 実際に使用するロボットを動作させたいイメージを持たせる
- 事前にカタログや取扱説明書などを読ませておく
以下より詳しく解説します。
(1)実際に使用するロボットを動作させたいイメージを持たせる
受講させる従業員に、実際に使用するロボットを動作させたいイメージを持たせてから講習を受講させましょう。
実技講習では、必ずロボットを操作します。イメージを持つことで、教員に実際に使用するモードや経路などを、積極的に相談できるようになります。自発的に学ぶことは、受け身でいるよりもずっと身になるものです。修了後すぐに会社のロボットを操作・点検ができるような人材になってくれることでしょう。
(2)事前にカタログや取扱説明書などを熟読させておく
事前にカタログや取扱説明書を熟読させておくと、操作方法などをある程度予習ができます。また事前にわからないことを把握して、教員にまとめて質問できるようにもなるでしょう。
4.産業用ロボットの特別教育を受けさせたあとは……
特別教育を受けた従業員に工場で貢献してもらうために、監督者として「ロボットセーフティアセッサ資格」を持っていると良いでしょう。
ロボットセーフティアセッサ資格とは、国際安全規格に基づいて機械安全の知識能力を認証する安全資格制度で、「産業現場で働く人の『安全』『安心』『ウェルビーイング(Well-being)』を向上」(引用:ロボットセーフティアセッサについて│日本認証株式会社)させる目的で創設されたものです。
ロボットが起因となる労働災害事故が年々増加しており、今や産業用ロボットの運用には安全対策が必須です。監督者が「ロボットセーフティアセッサ資格」を保有すれば、より安全に産業用ロボットを運用できます。
5.産業用ロボットの特別教育ならFAプロダクツにお任せください
産業用ロボットの特別教育は、さまざまな場所で行われています。
もし、特別教育の受講コストをおさえたい、手軽に質の高い授業を作業員には受けさせたいと考えているのであれば、FAプロダクツのRobodemy(ロボデミー)をご検討ください。学科をオンデマンドで受けられるため、受講場所までの交通費と時間を節約できます。
また、FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。取引企業が400社以上、10,000台以上の装置を製造した実績があり、さまざまな工場や倉庫などのロボット導入・省力化の支援をしています。
これらの経験から得た豊富な知識をもって、産業用ロボットの特別教育を実施しているため、質の高い教育を受けることが可能です。特別教育や設備立ち上げのことならFAプロダクツまでお問い合わせください。
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