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エミュレータとは?生産ライン自動化における利用目的・3製品を紹介

エミュレータとは、あるシステムで動作させることを目的に作られたソフトウェアを別のシステムで模倣・再現するシステムまたはハードウェアを意味します。

エミュレータの中では、ゲーム機やアーケードゲームをPC上で動作させるゲームエミュレータが有名ですが、そのほかにも産業用途ではFPGAやASICといった集積回路デバイスの動作検証に用いられるエミュレータや、生産ラインでのロボットやシーケンサの動作検証に用いられるエミュレータがあります。

本記事では生産ラインでのロボットやシーケンサの動作検証に用いられるエミュレータについて説明します。

もし、エミュレータ導入のコンサルティングを受けて、

  • 省力化、省人化してコストダウンしたい
  • 生産性アップして売上を上げたい
  • 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
  • どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない

という場合は、お気軽に株式会社FAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。

1.生産ライン自動化におけるエミュレータの利用目的

(1)新規システム導入時の動作検証

新しい生産ラインや自動化システムの導入において、ロボットやシーケンサを動作させるソフトウェアの検証に用います。実際のロボットやシーケンサのようなハードウェアを用いずに、エミューレータ上で検証できるため、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)、それぞれの観点でメリットがあります。
Q(品質)の観点では、実際のハードウェアを用いた検証では故障や安全上の問題があるようなテストパターンもエミュレータ上で安全に検証でき、ソフトウェアの品質を向上できるというメリットがあります。

C(コスト)の観点では、ハードウェアを用いずに検証できるため、事前にハードウェアの干渉部分を検出して設計の手戻りを回避したり、テスト中の意図しない動作によるハードウェアの破損を回避し、開発費を抑制することができます。
D(納期)の観点では、ハードウェアが手元に揃う前にソフトウェアの動作検証が可能なため、開発リードタイムを短縮することができます。

(2)稼働中のシステムのトラブルシューティング

実際の生産ラインでトラブルが発生した際には、トラブルの再現、原因究明、解決策立案、検証といった一連のトラブルシューティングにエミュレータを利用します。
エミュレータを用いることで、安全面での問題がある場合や、生産ラインを引き続き稼働させながらトラブルシューティングを行いたい場合などに、実際の生産ラインを止めることなく作業を進めることが可能となります。
これにより、生産の中断を最小限に抑え、効率的かつ安全にトラブルの解決を行うことができるメリットが得られます。

(3)最適化と効率化

エミュレータは稼働中のロボットやシーケンサの動作を更に最適化・効率化するためにも利用されます。
エミュレータを使用することで、更新版のソフトウェアの動作を検証し、生産ラインや工場のプロセスを最適化して生産性を向上させることが可能です。
このような用途においても、実際の生産ラインの停止を最小限に抑え生産ラインの最適化を行うメリットが得られます。

つまり、生産ラインの稼働を継続しながら、安全かつ効果的にシステムの改善を行うことができる点が重要です。
エミュレータは生産プロセスの改良や効率化に寄与する有用なツールとして活用されています。

2.生産ライン自動化に対してエミュレータができること

(1)ロボットの動作シミュレーション

ロボットの動作シミュレーションでは、生産ラインに組み込まれるロボットの動作や動き、タスクの実行をエミュレートします。(「emulate」は日本語で「まねる」「模倣する」などの意味があります。あるシステムで動作させることを目的に作られたソフトウェアを別のシステムで模倣・再現することを「エミュレートする」と言います。)
ロボットは生産ラインにおいて製品の組み立て、搬送、検査などの作業を行う重要な要素ですが、実際の生産ラインでの導入や変更はコストとリスクが伴います。ここでエミュレータを利用することで、コストをかけず、安全に検証することができます。

エミュレータでは、ロボットの動作範囲や速度、加速度、制御プログラムを検証することができます。これによりロボットがどのように製品を取り扱い、動作するかを事前に評価できます。また、異なる作業条件やタスクにおいてロボットの性能や効率を比較検討することも可能です。

ロボットについて詳しく知りたい方は、以下の関連記事も合わせてご確認ください。

(2)シーケンサの動作シミュレーション

シーケンサは、ロボット、コンベア、プレス、モーターなどの機器を制御し、製造プロセスを自動化する用途で用いられる重要な要素です。
エミュレータを用いたシーケンサの動作検証では、生産ライン全体を自動制御するためのラダーロジックと呼ばれるプログラムを検証します。

エミュレータは、シーケンサが製造プロセスを適切に制御し、全体の動作がスムーズかつ安全に行われるかをテストします。
エミュレータを用いることで、シーケンサが生産ラインの機器を正確に制御して適切なタイミングを守れているかを確認したり、シーケンサが異なる機器や工程を適切に連携させて製造プロセスが円滑に進行するかを確認することが可能です。

シーケンサについて詳しく知りたい方は、以下の関連記事も合わせてご確認ください。

(3)プロセスのシミュレーション

プロセスのシミュレーションでは、生産ラインに含まれる全てのシステムの動作や部材のフロー、製品の製造工程など、生産ライン全体の動作を包括的に検証します。

エミュレータを利用することで、生産ラインに潜むムダを省き、効率的な生産プロセスを確立することができます。
さらに、部材のフローの検証により、リソースを効率的に活用しコスト削減と生産性向上が実現できます。

また、製品の製造工程の検証により、品質を保持するための適切なコントロールポイントを構築し、高品質な製品の製造に寄与します。

生産ライン設計について詳しく知りたい方は、以下の関連記事も合わせてご確認ください。

3.エミュレータでの生産ライン検証に必要なソフトウェアとデータ

(1)ソフトウェア

エミュレータを動作させるには、エミュレータソフトウェアと呼ばれるソフトウェアが必要です。

エミュレータソフトウェアは製造業や自動化産業においてロボットやシーケンサなどの機器の動作をシミュレートするために専用に開発されたソフトウェアです。
実際のロボットやシーケンサと同様の挙動を再現するために、それぞれのデバイスやセンサの動作モデルを組み込んでいます。
これにより、エミュレータはリアルな動作をシミュレートし、実際の生産ラインや自動化システムでの挙動を予測・検証することが可能となります。

また、エミュレータソフトウェアには実際のロボットやシーケンサと同様な挙動再現のための制御プログラムやオペレータインターフェースが組み込まれています。
これにより、エミュレータを操作して仮想的なロボットやシーケンサを制御し、シミュレーションを行うことができます。

(2)データ

①制御プログラム・オペレーションインターフェースの設定

エミュレータソフトウェアでロボットやシーケンサを動作させるために、実際の制御プログラムやオペレータインターフェースの設定が必要です。
これにより、エミュレータ上で仮想的な機器を制御するための基本的な設定や操作が可能になります。

②3Dモデル

生産ラインやロボットの動作検証には3D CADモデルが必要です。これらのデータはエミュレータソフトウェアに読み込まれ、シミュレーションの基盤となります。
可動部の形状情報があれば可動部の衝突検証ができますし、構成要素の比重情報があれば可動部の制振時間を検証することが可能です。

③シミュレーションのパラメータ

エミュレータソフトウェアには、シミュレーションの期間、温度・湿度といった環境パラメータ、検証したい特定のタスクといった諸条件を設定する機能があります。
これにより、シミュレーションの詳細な設定やシナリオを定義して動作を検証することができます。

4.おすすめのエミュレータソフトウェアベンダー

(1)株式会社デンソーウェーブ

引用:株式会社デンソーウェーブ
【特徴】
国内最大手の自動車部品メーカであるデンソーから分社化して設立されたFA機器メーカで、デンソーの生産ラインにおける多くの実績を土台とした製品開発が強みです。自動ラインで活躍する垂直多関節ロボットや水平多関節ロボットの他、人が作業する環境でも利用可能な人協働ロボットをラインナップしています。

・EMU(Enhanced MUlti-robot simulator)

引用:株式会社デンソーウェーブ EMU

デンソーウェーブ製のロボットの動作検証ができるエミュレータ。干渉チェックやコンベアやローダのような周辺機器との動作連携が検証できます。

【所在地】
愛知県知多郡阿久比町大字草木字芳池1番
https://www.denso-wave.com/

(2)ラティス・テクノロジー株式会社



引用:ラティス・テクノロジー株式会社

【特徴】
3Dデータ活用ソリューションの基盤技術となる超軽量3Dフォーマット「XVL」技術の開発、及び関連ソフトウェアの開発・販売、ソリューションサービスの提供やコンサルティングなどを手がけているソフトウェア企業です。

・XVL Vmech Simulator

引用:ラティス・テクノロジー株式会社 Vmec Simulator

様々なメーカのPLCやロボットの動作をシミュレーションすることができます。
シミュレータ環境構築や評価そのものを支援するサービスも提供しています。

【所在地】
東京都文京区後楽2-3-21 住友不動産飯田橋ビル10階
TEL:03-3830-0333
https://www.lattice.co.jp/

(3)シーメンス株式会社


引用:シーメンス株式会社

【特徴】
エレクトロニクス、オートメーション、およびデジタル分野における世界有数のテクノロジー企業です。
ソフトウェアの領域ではハイエンド3DCADのNXを中心に、製品のライフサイクルを通じたデータを一元管理するPLM(Product Lifecycle Management)システムであるTeamcenterのような製造業におけるデジタルトランスフォーメーションを実現するために必要なソフトウェアを取り揃えています。

・Process Simulate

引用:シーメンス株式会社 Process Simulate

PLCやロボットの動作検証だけでなく、人の作業も同時に検証することができるシミュレータです。
シーメンスのPLM(Product Lifecycle Management)システムと連携することで、PLMに蓄積された製品開発情報を生産準備の領域にシームレスに引き継ぐことができ、業務を効率化することができます。

【所在地】
東京都品川区大崎1丁目11番1号
https://www.sw.siemens.com/ja-JP/

5.エミュレータ導入に関するご相談は株式会社FAプロダクツ

本コラムではエミュレータの利用目的から、生産ライン自動化においてエミュレータができること、エミュレータ動作に必要なソフトウェアとデータについて説明してきました。

株式会社FAプロダクツでは、エミュレータを導入して、生産ライン導入前の動作や稼働中の生産ラインの最適化を検証するにあたり、エミュレータの選定から検証による効果創出に至るまで、豊富な知見から適切なコンサルティングを行います。エミュレータの導入検討の際は、是非とも日本サポートシステムにお声かけください。

株式会社FAプロダクツ

【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。

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茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/

【営業品目】
産業用ロボット
生産設備合理化・省力化の設計及び製作
基板電気チェッカーや貼合・折曲など
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【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)